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第二次京丹後市学校適正配置計画に反対しました

3月議会で審議された、「第二次京丹後市学校適正配置計画」について僕は反対をしました。
結果は賛成多数で可決されました。

僕の反対理由をざっくり言うと、「平成22年の議論で決めたから、今回もそうする」という姿勢が節々に答弁されたからです。
もちろん過去の経緯は知らなければなりません。いろいろな感情があることも大切にすべきです。しかし、それがイマの意思決定の主な理由になるべきではないと思っています。
これから先の学校のことはイマの人たちの意見を反映すべきです。

この計画はこれまで「学校再配置計画」と言われてきた、学校を統廃合する10年間の計画が満了したことによる第二次計画です。
キーワードは「複式学級」です。これは、子どもの数が少ない時にふたつの学年の子どもたちをひとつのクラス、担任はひとりという学級のことです。
市の計画の主な内容は、複式学級が複数生じる小学校を近隣の小学校と統廃合するというものです。

これまで賛否の議論の中心は「複式学級でも豊かに学べるから反対」なのか「子どもたちのためにはたくさんの人数のいる学級が望ましいから賛成」
ということだったと思います。
僕は、市民の方からどちらの意見も聴きました。
そして、どちらも共感できます。

複式学級でも、統廃合後の学校でも、どちらも豊かな学びを実現できたり、できなかったりすると思います。
教育の質の鍵を握る大きな要因は学級規模だけでなく、教職員と地域のあり方だと思っています。
教職員と地域の工夫で、複式学級のデメリットは乗り越えられるし、統廃合後の学校でも安心して過ごす環境はつくれます。
では、僕は何に【反対】だったのか。

「第二次京丹後市学校適正配置計画」が名前負けしていたと感じます。
長くなりましたが、もう少し詳しく説明させてください。
「第二次」ということは…。
今回、学校統廃合の計画を初めて見直すということです。
にも関わらず、「方針を変えない」という結論が先に立って、丁寧な検証・選択肢を持った見直しがされなかったと僕は評価しています。
その具体例として。
京丹後市においてはさまざまな計画がありますが、第二次以降もパブリックコメントをとっています。しかし、第二次学校適正配置計画についてはパブコメがとられませんでした。
パブコメを求めれば、これまで統廃合を経験した保護者の方たちや当時子どもだった方たちにも意見が聴けます。

「京丹後市」ということは…。
市全域が対象となる計画にも関わらず、執行部が新計画の意見交換をしたのは、直近で統廃合の対象となる宇川小・吉野小校区の方だけでした。
パブコメをとれば、島津小・大宮南小・長岡小などのR8年以降に対象となる地域の方たちからも意見が聴けたはずです。パブコメをとるべきでした。

「学校適正配置」ということは…。
学級の適正規模として将来的には1学級の上限を30人にしていくことを教育委員会も京都府等に要望しています。僕もそうすべきだと思います。また、統廃合した後の学校で教室が足りなくなる事例も起きました。複式学級うんぬんという子どもの数の下限だけではなく上限も含めた計画にすべきでした。

まとめると、パブリックコメントをとってこれまでの当事者とこれからの当事者のイマの意見を広くオープンに集め、学級規模の下限だけでなく上限を定めていく計画にすべきという主張でした。

僕はこの議案の本質的な課題を、「地域と学校の信頼関係」をいかに構築するかだと捉えました。
今回の市の執行は、これからの学校の在り方として極めて重要である「地域とともにある学校」に向けて、それにブレーキをかける執行であったと評価しています。

信頼関係が、これからの豊かな敎育の土台であり、丹後学の土台であり、教職員の働き方改革の土台であると考えるわけです。
そして僕はそのことに尽力するために教育現場を離れて、政治を志し、選挙で訴え、有権者の信託を得て、この立場にいると自覚しています。
よって、賛成すべきでないという結論に至りました。
結果は敗れましたが、そういう意思を示す必要があったと思っています。


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