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本当の生き方を探そう。JT生命誌研究館中村桂子さんのお話を聞いて。

小4で敗戦。戦争を経験した中村さんがこの成長社会を生きてきて、今、本当の生き方を探したほうがいいのではないですか?との提言。そしてそれを食から。なぜならば食べない人はいないから。


"いのち"を中心にした社会へ。

中村桂子さんのチラシの言葉に「あ!」とした。同じことを言っている人がいる!

ここは徳島神山町で開催されるSchool Food Forum2023。来日するアリス・ウォータースさんに会いたくて、はるばる徳島に飛んできたフォーラム。そのトップバッターとして現れたのが中村さんだ。

正直アリス以外の他の方がどんな人が来て、どんな話をされるのか何も知らずに飛び込んだ。そして、いきなり話しだした中村さんに引き込まれている。

こんなに同じスコープに至っている方にであえるなんて。わざわざきて良かったぁ

ビジョンに掲げる、いのちをど真ん中にする愛本主義の世界

根本的に問いたい。人間は生きもので、自然の一部

それを忘れてはいませんか?と中村さんは話をはじめる。

生命誌をご専門にされる中村さん。生きものを研究してきて、多様こそ生きものの本質と知ったのだそう。今熱帯の1番熱いところにも、南極の氷の下、火山の直ぐそばにも。絶対生き物はいるはずがないというところで、生きものが生きているということが最近になって分かり始めているんだそう。まだまだ名前のついていない生きものが山程いるんだって。

祖先は40億年前の1つ。

すべての生きものに40億年の歴史が詰まっている。
どの生きものもフラットに多様化した。人間だけ素晴らしいということはないんだよと中村さんは語気を強める。

いちじくのおはなし

森の中の木になったある実。のぞくと、それは野生の無花果。野生の無花果の実をわると、ほぼ100%で蜂が住んでいるんだそうです。

蜂は無花果のなかで子どもを生む。分析すると無花果と蜂は驚くほどの共生関係にあるんだそうです。
山火事になると実をつける無花果がどの木よりも先に再生するんだそう。この虫と木の関係が何より大事だから。

細菌のおはなし

人間は腸内、体中の常在菌がないと生きていけけない。なんと親からもらう遺伝、ヒトゲノムよりも常在菌によるメタゲノムの影響の方が「私」に対して大きいんだって。

あらゆる生きものは共生している。それは人間も例外ではない。

枝豆に話しかけても意味ないよ!

農業をプログラムにいれている小学校でのひとコマ。今の子どもたちは理屈を習っているから、植物に話しかけても意味がないと思う。でもプログラムで育てていたら、つい話しかけちゃう。同じ生きものだって体得されていくから。1年かけてそんな感想を残した生徒がいたそう。

生きる力とは

自分で考え行動する。これからはパソコンと英語ができることです!と言われる方もいるけれど、ずっと落とせない学び。それが生きる力なのではないか。生きる力を学ぶ機会、作れてる?

「わたしたち生きものの中の私」

「個としての自分を追い求める時代になっていることも認識しています。」(どきっ)「それでも忘れてほしくないのは、私にはいつも私たちの中の私という顔があるということ。説教したいのではなく、それが科学的事実なんですよ。」

人間として、食べるが原点

色んな生きものを比べた時に人間の特徴を見ると、「共食」をするのは人間という生きもの特有のものなんだそう。だって食を分け合うってとても強い信頼がいるでしょう?と。人間が集団でともに生きるという生きものとしての原点も食にあるんだそう。

愛づる

生きもの感覚を表す言葉として、中村さんが大事にしている言葉がこの「愛(め)づる」なんだって。
表面的なかわいいじゃなくて本質的に見ていのちそのものを愛おしむ感覚。それを共有していける社会がいいですね、と締めくくってくれました。素敵!

はぁ、好きだ、中村佳子さん。

いいおはなしが聞けました♡感謝




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