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行成のために~父から子へ~


  君がため 惜しからざりし 命さへ
     長くもがなと 思ひけるかな


(訳)あなたに逢うためなら死んでもかまわないと思っていましたが、あなたと逢えた今、いつまでも生きていたいと思うようになりました。


この和歌は百人一首にもある有名なうたです。

詠んだ人は藤原義孝(ふじわらのよしたか)。
平安中期の954年~974年、天然痘により、わずか21歳の若さで亡くなりました。(数え年なので本当は20歳)

義孝が亡くなる時、彼にはまだ2歳の息子がいました。それが、後に平安時代きっての名筆家となる藤原行成(ふじわらのゆきなり)です。


このうたはきっと義孝の奥さん、行成のママに初めて通った際に送った後朝のうた(恋の相手と一夜を共にした後贈るうた)。

しかし、このイラストには

離れなければいけなくなった我が子の成長をもっと見ていたかった。(もっと生きていたかった)

という意味を込めました。

なので、2コマ目の行成の背中を天から応援する幽霊(?)の義孝の手を透けさせてみました☺️

行成は父を早くに亡くし、官職につくのも苦労したんで、お父さんきっとがんばれ~って念送ってたんじゃないかな笑

行成もやがて父になって、早く亡くなった父の分まで精一杯生きるんですね。

行成は自身の日記「権記」から、愛妻家で子煩悩な父親だったことが見て取れます。

子供と奥さんとお参りに行ったり、預けていた子供の送り迎えをしたり…

行成、社畜で有名なのに(笑)子供の世話まできっちりしてるんです笑

ほんとにかわいい…😇


和歌をイラストにするこころみ、意外と面白かったです!またこういうのが描けたらいいなぁと思います。

閲覧ありがとうございました!☺️☺️


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