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長期運営ソシャゲに蔓延るワナ〜課金施策で頭がいっぱい

こんばんは。なるぴーです。
スマートフォンゲームの会社で、新規開発を通算5本ほど経験し、
コンテンツディレクター、プロジェクトマネジメントオフィス、企画プロット作成工房のような役割を担ってきました。

スマートフォンゲームで長期運用タイトルに関わってくると、問題が発生します。
それは、DAU(=まいにちプレイしてくれるお客さまの数)が減ってしまうという揺るがない事実です。

遊んでくださるお客さんが減ってしまうなか、プロダクトの売上を存続させるためには、大きくは2つしかありません。
・買ってくれるお客さんの数を増やす
・買ってくれるお客さんの単価を上げる

前者は、PU:Paying User
後者は、ARPPU:Average Revenue Per Paying User
という指標を用いてチェックされていますが、
英語を使ってそれっぽく書いてみただけです。

特に陥りがちなワナなのが、「お金をたくさん払ってくれるユーザーさんに対して、もっと払ってもらおうよ!」というものです。
たとえば、以下のようなものです。

・装備枠を2倍に増やして、必要なカードの枚数を2倍に! 売上も2倍に!
・属性の2倍に増やして、3すくみの関係を2倍に! 売上も2倍に!
・レアリティの上限値を上げて、すべてのデッキの入れ替え需要を創出! 売上も2倍に!

のような縦軸の数値のインフレーションを指します。
おそらく同様のシーンに直面されている方も多いはずです。
ソシャゲ長期運営されている皆さんに耳が痛い話です。

おそらく上記の例は、すべて事前にメリットが想像しづらい売り手目線の機能になっていると思います。

でも、それでいいんでしたっけ?というのが本日のテーマです。
そこで、今回一歩立ち止まるために「便益」という切り口で考えてみます。
もともとはマーケティングで使われている考え方のようです。
いくつか調べたところ、便益は、「それを購入/享受することよって得られる課題の解決もしくは、新しい価値体験」と私は解釈しました。
たとえば、

課題解決の例
・ドラム式洗濯乾燥機なら、雨の日でも洗濯できる(⇔雨の日は洗濯できないの解消)
・ロボット式掃除機なら、自分でやらなくても掃除できる(⇔手動でないと掃除できないの解消)
などでしょうか。

新しい価値の創出の例
・Apple Musicなら、いつでも/どこでも/好きな音楽を/好きなだけ聞ける
・AirPodsなら、すぐそこにある、騒音のない空間
などでしょうか。

前者は、どんな問題が解決されるのか(マイナスを減らす)
後者は、どんな体験が拡張されるのか(プラスを増やす)

です。いずれも「購入する前」に得られる便益が想像できやすいはず。

改めて先の例に戻ると、
・装備枠を増やして、必要なカードの枚数を2倍に! 売上も2倍に!
・属性の数を増やして、3すくみの関係を2倍に! 売上も2倍に!
・レアリティの上限値を上げて、すべてのデッキの入れ替え需要を創出! 売上も2倍に!
これが楽しさ、面白さにつながっていれば良いのですが、そうなっていない場合は要注意です。

もちろん、プロジェクトを存続させるために遊んでいるお客さまに購入していただくことは大事ですが、
きちんと、納得できるものであるか?というのを意識していきたいです。

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とあるスマホゲームでプロジェクトマネジメントとコンテンツディレクションの二刀流|過去の失敗経験からぴえんな開発を防げるかもな小ネタをまとめ|新卒から企画職9年目。プランナー/プロット/コンテンツD/PMOを経験|★Tw→https://twitter.com/narumasaki

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