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コーヒー時間

自家焙煎のお店で豆を買ったり、カフェ目当てにはじめての街を訪れたり、私にとってコーヒーは大切なものです。

ただ、じっくりコーヒーを味わうことが、ここ数カ月はありませんでした。一杯300~600円するこの飲み物が、自分にとっては贅沢すぎるように感じたのです。

嗜好品のコーヒーがなくても、生活に支障はないはず。そう思っていましたが、私の生活はちょっとずつ彩を失っていきました。

コーヒー時間がなくなってから、「自分」にかける時間や手間も少なくしようとしていたのです。

意識的にコーヒーを飲まなくなった、というより、自然と離れていました。

自宅用のコーヒー豆がなくなって。
よく行っていたカフェに行かなくなって。
ちょっとだけお金の心配をし始めて。

そんなことが重なって「なくてもいい」コーヒー時間を削るように。

はじめての街を訪れ良さそうなカフェを見つけたときも、気になりつつ素通り。

そのうち、おいしそうなご飯屋さんになかなか入れなくなり、スーパーに行っても何を買えば分からなくなりました。

自分が何を欲しているのか分からず、楽しんでやろうという欲も小さく、小さくなっていたんだと思います。

久しぶりにドリップパックのコーヒーを自分で淹れてみて気づきました。

自分を労わるとかって大層なことではなくて、ちょっとした楽しみを満たしてあげることだったり、色々ひとまず忘れてぼーっとすることなのかなと。

そのお供になってくれるのが、コーヒー。

すぐにコーヒーのある日々に戻すことは難しいかもしれないけど、少しずつ自分にかける時間を増やせたらなと思います。

20210115 Written by NARUKURU


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