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parfaitと持ち寄りパーティー

本当に久しぶりだった。前に会ったときは学生で、住んでいるところが違くって、髪型や服の趣味も今とちょっと違った。一緒にわいわいするのも、ダラダラするのも心地よかったことは鮮明に覚えているんだけど、何をしたかの記憶は断片的だ。

5、6年ぶりの再会だった。タイミングとか、電車で2時間の微妙な距離に暮らしているとか、そういういくつかの小さな理由で会っていなかった。そのまま疎遠になってしまう関係も多いものだけど、彼は何ともないときにふと思い出すような、そういう人だ。

再会は全然スムーズにいかなかった。落ち合うまでに20分かかった。下手すぎる待ち合わせに笑って、10人も入れるか分からないイタリアンで、半分タメ口なお姉さんにサーブしてもらいながらご飯を食べた。テーブルはガタガタだったけど、隣の席のグループの話は筒抜けだったけど、美味しかったし楽しかった。

偏食な彼はスイーツが好きらしい。ずっと気になっていたけど一人で行く勇気はなかった夜パフェを食べに行った。ご飯よりこっちがメインだった。

パフェを食べると映画「窓辺にて」を思い出す。「parfait」の名に負けず、たくさんの素材が組み合わさっているのに統一感がある、完璧なスイーツだと思った。

割とヘビースモーカーなのも、映画といえばアクションで洋画なのも、お酒は好きじゃないけど人と摂取するアルコールは好きだからいざとなれば結構飲むのも、よく分からない。

タバコは吸いたいと思わないし、映画といえばいわゆるヒューマンドラマの類だし、お酒は飲めないけど味は好きだからたまに一人でノンアルコールビールを飲む私とは、正反対。でも、心地いい。

一人の時間にたくさん本を読んで、まちを歩いて、映画をみて、ドラマをみて、仕事して、家事をして、自分が好きになれる装いをして、好きな人と会おう。そして自分の好きと彼の好きの持ち寄りパーティーをもう一度したい。そう思った。


20231009 Written by NARUKURU


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