Developers Summit 2024:世界標準のソフトウェア工学知識体系SWEBOK Guide最新第4版を通じた開発アップデート

セッションの概要

早稲田大学 教授
IEEE Computer Society 2025 President
鷲崎 弘宜氏

IEEE Computer Societyが発行するソフトウェア工学知識体系ガイド「SWEBOK Guide」について解説。

https://event.shoeisha.jp/devsumi/20240215/session/4816

エンジニアリングしてますか?

辞書を引くと、エンジニアリングとは、科学に裏打ちされた技術活動、学問体系であるとされる。
→私たちのソフトウェア技術活動は、正統なエンジニアリングか?

  • 知識・的確性の妥当性をコミュニティで判定できる環境がある

  • コミュニティで妥当と確認される知識が、科学的基盤に基づいている

  • 職業人が果たす判断、行為、上限が社会で実質的な価値を形成している

この3つを揃えて初めて、真っ当な、正統なエンジニアリングであると言える。
知識の島々を、島同士の関係性を定義して体系化することで、
さらに、それをプラクティス・パターンと手法に落とし込む
それをもって活動してはじめてエンジニアリングと呼べる。

では、そうした知識を集め、体系化したものはなんだろうか?というのが紹介していただいたSWEBOK Guideです。

SWEBOK Guideとは何か?

最先端の内容を取り込むのが目的ではない。
熟したものに関して取り入れている。この記事執筆時点ではV3が最新で、V4が作成中となっている。
と鷲崎氏は語ります。

最先端ではないかもしれないが、言い方を変えると熟されて一般化されている知識や体系の集合と言えるので、「知っているべき」内容と言えそうです。

SQuBOK(品質管理やつ)もあるとのこと。
参考:https://www.qbook.jp/column/1270.html

恥ずかしながら、私はこのSWEBOKやSQuBOKについて知りませんでした。
しかし、鷲崎氏の話し方はとても引き込まれるものが(さすが大学教授でした。笑いを挟んだり最後まで飽きることなく聞くことができました。)あり、SWEBOKの内容も概要を理解できました。

SWEBOKは開発アップデートにどう役立つのか?

  • ソフトウェアエンジニアリングのポータルとして

  • 辞書として

    • ソフトウェアエンジニアリングは言葉がブレる。用語の理解を合わせていく必要がある。

  • 文献ガイドとして

全てを頭に叩き込むのではなく、ざっと読んで気になるところを深堀りする、または組織内のエンジニアリングにおける言語化の指標として使うことが有用とのことで、まずは先陣を切って自分が読んでみようかと思いました。
ただ、せっかく読むのなら鷲崎氏がもうすぐ出るというV4を早く読んでみたいですね。

ソフトウェアエンジニアリング/SWEBOK Guideの未来は?

AIに関連したものはV5以降で登場するだろうとのことでした。

先にご紹介した通り、SWEBOKは最新のエンジニアリング技法を追うものではなく、比較的一般的になった技法について記載されているということですので、いずれAIについても記載されていくことになるということをおっしゃっていました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?