#2 赤いスイートピーから考える”味わい深い示唆”
おはようございます。
なるです。
GWのアウトプット第2弾です。
2回目にして既に本じゃないというやんちゃっぷりは日本海の美味しい空気を吸って育ったからでしょうか。
はじめに
自宅にずっといて時間があると色々と考え事をしてしまうもので、ここ最近ずっと考えていることがあります。
それは、
味わい深い示唆とは
についてです。
前期の大学院のレポートの講評で講師の方に「もっと味わい深い示唆のあるレポートを書いてください」と指摘されたときからずっと、アジワイブカイが頭の中を巡っています。
ということで、今回は、自分なりに”アジワイブカイ”を定義し、またアジワイブカイ文章を書くための要点を考えてみました。
アジワイブカイとは
まず、身近なもので味わい深いと形容されるものはなんであるかを考えたときに、本や曲があるなあと思いました。
そして、味わい深い本や曲に共通する特徴は何かあるかを考えてみると、「何度も読みたくなる(聴きたくなる)」という特徴を見つけました。
さらに掘り下げて、何度も読みたくなる本、何度も聴きたくなる曲ってどんなものかを考えると、
網羅的であり、かつ抑揚がある
と感じました。
例えば、本でいうと、自分の知りたいことが網羅的に記載されてあり、且つ、要点において他の本にはない分かりやすさがあります。
また、曲でいうと、Aメロは退屈なんだよな…のようなことがなく、曲全体として洗練されていて、且つ、ここが好き!というポイントが存在すると思います。
とそんなことを考えながら、実際に、味わい深い曲は「網羅的であり、かつ抑揚がある」のかを著名な作詞家である松本隆が作詞した「赤いスイートピー」の歌詞を見ながら確認してみました。
ちなみになんでこの曲にしたかというと、最近、池田エライザがsweet memoriesを歌っているのを動画で見て、初めてちゃんと聴いたらええ歌やんってなって、作詞家の松本隆に興味を持ったからです。
また、アジワイブカイと並行して、端的に言葉をまとめることも課題として感じていたので、制約がある中で言葉を紡ぐという意味でも作詞家から学べることは多いのではないかと思っていたからです。
歌詞の考察
さっそく見ていきます。
春色の汽車に乗って 海に連れて行ってよ
もう味わい深いです。ここで考察をやめてしまってもいいと思いました。
春色の汽車という言葉だけで風景画のような景色が頭の中に広がりますね。
ですが、多分講師の方からは、こういうツッコミが入ると思います。
「なんで?」
そうなんです。この女性は、空雨傘でいうと、「傘」から話し始めてしまったために、海に連れて行って欲しくなった根拠(網羅性)を求められることとなります。
※空雨傘は、以下のような3段階の思考ステップのことです。
空―「空は曇っている」(事実認識)
雨―「ひと雨きそうだ」(解釈)
傘―「傘を持っていこう」(判断)
出所:https://shuchi.php.co.jp/article/331
しかしながら、この女性には当然ながら根拠もちゃんとあります。
煙草の匂いのシャツに そっと寄りそうから
何故知り合った日から半年過ぎても あなたって手も握らない
I will follow you ちょっぴり気が弱いけど 素敵な人だから
「私はあなたを素敵な人だと思っているよ、それなのに半年過ぎても手を握ってくれないじゃない」というのです。これは事実です。空です。
そして、このことを男性に説明しつつ、この女性は、次の質問に備えて、半年過ぎた良い感じの男女が手を繋ぐ割合を示すデータと、手を繋いだことにより関係性が改善されるデータもAppendixとしておそらく用意していると思います。これが雨です。周到です。
ここまでくると、冒頭の傘に対する根拠がしっかり示されたこととなります。
なお、講師からはさらにこのような厳しいツッコミが入るかもしれません。
「あなたにとってのメリットは分かりましたが、男性側からみたメリット、デメリット、さらにデメリットに対する打ち手は考えていますか?」
もちろん、赤いスイートピーの歌詞は上記の質問は想定していませんので、女性は、一旦この質問は持ち帰らせていただくことになります。
しかしながら、大抵の男性は確かにそうだねとなって汽車に連れていくでしょう。(実際には、赤いスイートピーには、続・赤いスイートピーという曲が存在し、その歌詞から考えると2人は汽車に乗らなそうですが)
そうなんです。
ここまでみてきたように、「赤いスイートピー」は網羅的に抑えるべきことを抑えつつ、且つ、冒頭に風景画のような強力なメッセージを備えています。
このことから、やはり味わい深い文章には、網羅的であり、かつ抑揚があることが重要である気がしてきました。
おわりに
とまあ、半分おふざけが入りましたけど、網羅的であり、抑揚がある文章を書くことによって味わい深い文章になっていくのではないかと信じて、今後の取り組みに活かしていきたいです。歌詞の考察も続けていきたいです。
また、最後になりますが、以下も紹介しておきます。
これはいきものがかりの曲の作詞をしている水野良樹さんと作詞家の松井五郎さんとの間の「書かないこと」についてのやりとりです。
上記では、なにを書くべきかを考えてきましたが、この記事は、むしろ書かないことこそ大事なのではないか、という視点を切り替えるよいきっかけになると思います。
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