根底にある文化、について
モリゼミのオープンレクチャ最終回が終わってしまった。
再来週のクローズドゼミで、半年間のモリゼミseason1自体が終わってしまう。すでに、ちょっとしたロス体験に陥っている私。。。
何が、こんなに惹きつけるのだろう。
集まったメンバーの多様性と愉快さ。
モリさんとスタッフメンバーの巧みな捌き。
選ばれたテーマについての真摯な議論。
どれも真実だろうと思う。
でも、あえて言うなら、モリゼミのエッセンスは、
「根底にある文化」へのレスペクト、なんじゃないか、
と思っている。
いま、様々な意味合いにおいて危機の時代、と呼びうるとして、
にもかかわらず、根底となる文化、あるいは思想に対する、
真摯な探求が、一般的には感じられない気がするのです。
その中で、モリさんは、そしてチームメンバーは、
様々な海外の先進事例(どこから見て先に進んでいるのか、は置くとして)
を取り上げるに際して、その背景となる歴史や文化、思想にも、
学び、言及し、深めてきたと思う。
それは、この時代の日本にとって、とても大切なことと思えるのだ。
モリゼミ、デンマークチームの学びを通して出会わせてもらった
小池直人先生(名古屋大学情報学部准教授)の問題意識を
少しだけ紹介させていただき、このノートを置こうと思う。
内村鑑三の講演「デンマルク国の話~信仰と樹木とをもって国を救いし話」において、領土を奪われ小国化したデンマークが「外にて失いしものを内にて回復すべし」といったデンマークの教訓。
1 国の興亡は戦争ではなく、民衆の修養すなわち啓蒙と人間形成に依存すること。
2 天然の自然は無限のエネルギーと生産力を擁していること。
3 国の力は軍事力や経済力によって測られるのでなく「信仰」の力に依拠すること。
「信仰」をあえて広義に「哲学」と考えると、いずれも小国主義の基本要素を的確に表現していると思われる。
ナチス占領下のデンマークで、グルントヴィの思想を再政治化して継承したと言われるハル・コックについて。
「民主主義は教えることができ、一瞬でわかる教理ではない。それはひとつの思考様式であり、生活形式である。」
私たちが「民主主義」という言葉を聞く時、おそらく議会制民主主義による多数決による決裁、を思い起こすと思う。
けれど、それは一面でしかない。むしろそれは、思考形式であり、生活形式である。
生活形式の民主主義(デモクラチ)とは何か?
それを問うことこそ、民主主義(デモクラチ)が私たちのものになる、
決定的な契機だと思うのだが、どうだろうか?
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