見出し画像

よる

昨日のよるは素敵だった。
ただ家族3人でお風呂もご飯もすませたあと散歩しただけのよる。

息子を寝かせる意味も兼ねて、目的のない散歩。

京都に住んでもう3年になる。そしてもうすぐ結婚3周年を迎える。私の両親は5月で結婚35周年になるそう。2桁になったらどんな感覚なのだろうか。2人の関係性もまた一段とグレードアップしているのだろうか。

分かれ道がきたら、どっち行く?と聞きながらとぼとぼ歩く。普段は大きな道しか通らない。目的のない散歩のいいところは知らない小道を通るワクワクとしらない景色を発見する喜びがあるところ。

2人とも方向音痴である。そんな2人にとって京都市内は碁盤の目の構造だから家の近くであれば筋を知っていると迷いにくい。
昔、私の職場から夫の職場を通って帰ろうとした時、普段通らない場所を通って、探りながら家を目指していたら、なんと私の職場付近へと逆戻りしていたことがあった。
あれは神隠しにあったようなそんな気分を味わった。

しばらく歩いていると薄暗い雰囲気をまとった住宅街に入った。サボテンなどの観葉植物がいっぱい飾ってあって、家主がいないのか真っ暗で、なんとなく奇妙な感じのエリア。
こわいこわいと言いながらこんなとこは住みたくないとディスりながら歩く。意外と朝は普通だと思う。勝手にディスってごめんなさい。

また歩いてると「浪漫屋」と書かれたお店があった。なにか気になる。変わったものをみると2人でお題を作って遊ぶ。

「どんな浪漫を売ってるお店だと思う?」

こういう時の私の瞬発力は素晴らしい。夫の一枚上手な回答が出せる。
肝心の素敵な回答は忘れてしまったが、、、

今度は素敵なアパートの名前に夫が気づく。
「こんなアパートの名前は嫌だ、どんな名前?」
次のお題が始まる。


「ラチ」


バチバチに目が開いていた息子はいつのまにかすやすやと眠っている。
2人の会話と心地いい夜風が眠りを誘ってくれていた。

いつか3人でくだらない話をする日が待ち遠しい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?