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Lil Wayneが史上最高のラッパーと呼ばれる理由
"史上最高のラッパー"は誰かと聞かれたら私は真っ先にリル・ウェインを思い浮かべる。
Jay-Z、2パック、ビギー、エミネムなどヒップホップの歴史に残る数々のアーティストがいる中、私にはリル・ウェインが一際輝いて見える。
私自身の話をすると、
私がヒップホップに触れることになったきっかけは、クリス・ブラウンの楽曲でウェインが客演で参加している"Look at Me Now"に感銘を受けてからである。
クリス・ブラウンの大ファンの私はクリスの楽曲によく現れるリル・ウェインの存在を無視はできなかった。
数々のラッパーとコラボしていたクリスだが、私がウェインを特別好きになったのは彼のヴィジュアル、仕草、声の"異色さ"とカリスマ性に魅了されたからだ。
そんなリル・ウェインから私はヒップホップを教わったと言っても過言ではない。
そして、なぜ彼がそこまで凄いと言われるのか?
理解できない人も多いのではないだろうか。
彼の魅力を綴らせて頂こう。
リル・ウェインのデビュー
リル・ウェインことドウェイン・カーター・Jr.はアメリカ合衆国のルイジアナ州ニューオーリンズで生まれ育った。
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幼いころ、リル・ウェインがヒップホップレーベル"Cash Money Records"の電話番号宛に毎日留守電でフリースタイルを残したことをきっかけに若干11歳で自身の契約にこぎつけたエピソードは有名だ。
そして、のちに彼の人生を変える人物"バードマン"と出会うことになる。
レコード会社の電話番号宛にフリースタイルを留守電に入れまくるなんて、誰が思いつくだろうか。
リル・ウェインは9歳でラップを始め、1995年にCash Money所属としては最年少でキャリアをスタートさせる。
Weezy(ウィージー)とも親しまれるリル・ウェインのデビューは格段に早く、1999年にソロアルバム"Tha Bloc is Hot"をリリースし、弱冠14歳でラッパーとして脚光を浴びる。
中でも彼の人気を確固たるものにした作品、それが"Tha Carter"シリーズである。
Tha Carter シリーズの成功
2004年にリリースした4作目のアルバム
"Tha Carter"の大ヒットをきっかけに、
リル・ウェインは"Tha Carter"をシリーズ化し、自身のブランドとも言える存在に作り上げた。
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そしてこの勢いを逃すまいと翌年2005年に"Tha Carter II"を発表。
こちらも全米2位を記録するヒットとなった。
そして来たる2008年、リル・ウェインの代表作とも言える"Tha Carter III"を発表。
数々のスマッシュヒットを含む当作には全米1位を記録した楽曲"Lollipop"も収録されている。
"Tha Carter III"は同年のグラミー賞ヒップホップ部門最有力とも言われ、アメリカだけで300万枚のセールスを突破。
2008年、グラミー賞授与式にてJay-ZやNasを抑えてヒップホップの部門を総なめしたのはリル・ウェインであった。
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2008年のグラミー賞ヒップホップアルバム受賞の瞬間の動画↓
【関係ない話】
プレゼンターとして登場したウィル・アイ・アムが当時大統領に就任したバラク・オバマ元大統領に向けて「時間がないのはわかってるが発表の前にこれだけ言わせてくれ、オバマ、おめでとう」
と言っているのが印象的。
【本題】
映像からわかるように、ノミニーの発表時点でリル・ウェインだけステージ裏でスタンバイさせられている時点で受賞は確実だったのだろう。(普通は全員席に座っていて発表されたら席からステージに向かう)
ちなみに私が選ぶ"Tha Carter III"の1番の名曲は
"Mrs Officer"だ。
この曲はおしゃれなパーティーでDJがよくかけている印象で何よりサウンドが気持ち良過ぎる。
そして2011年に4作目の"Tha Carter IV"をリリース。
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(ちなみに"The Carter IV"に収録されている"How to Love"は名曲なので後ほど紹介する)
しかし"The Carter IV"をリリースしてからというもの、ウェインのアルバム活動は止まっていた。
それもそのはず、ウェインにとって業界の"親"とも呼べる存在だったバードマンと金銭と契約の問題で揉めていてアルバム制作ができる状況ではなかったのだ。
揉めるどころか裁判になるほど泥沼になっていた。
キャリアをスタートさせた頃からバードマンの"Cash Money"所属のウェインだが、Jay-Zのレコード会社"Roc Nation"に移籍する噂まであったほどだ。
ところが2018年、訴訟の最中にも関わらずウェインとバードマンがステージ上で和解する場面が拡散され、
ウェインが"The Carter V"の近日リリースを示唆する発言をするようになる。
そして遂に7年ぶりにTha Carterシリーズの新作"Tha Carter V"がリリースされた。
これがもう最高‼️‼️
7年の間に録り溜めていた楽曲のなかからとっておきの曲が詰まっている。
とにかく聴きごたえが凄い。
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"The Carter V"に収録されているSwizz Beatzのビートに乗せたリードシングル"Uproar"には何度聴いても痺れさせられる。
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メインストリームでは数々の若手が登場し続けているが、"The Carter V"の成功はリル・ウェインの人気は健在だということを証明した。
Young Money設立とスターの排出
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リル・ウェインはラッパーであると同時に経営者でもある。
2005年、ウェインは"Young Money Entertainment(ヤング・マネー・エンタテイメント)"を設立する。
そしてここで、一世を風靡したフィメールラッパー、ニッキー・ミナージュが"爆誕"したのである。
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ウェイン始めヤング・マネー所属のアーティストたちは何かと"YMCMB"という言葉を用いる。
YMCMBとは何かっていうと
"Young Money Cash Money make Billionaires(ヤングマネー、キャッシュマネーは億稼ぐ)"
の略である。
"Cash Money"は言わば"Young Money"の親会社、ウェイン自身の所属レーベルから設立した会社のため、ファミリーという関係だ。
主な契約アーティストは女帝ニッキー・ミナージュに加え今やリリースするたびに全米トップ10圏内常連のトップスター、ドレイク、タイガなども正真正銘のYoung Money出身だ。
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ドレイクは現在Young Moneyとの契約は終了しているが、ドレイクのブレイクはリル・ウェインなしにはあり得なかったし、ウェインは彼の師匠のような存在だ。
(実際にドレイクはアワード受賞スピーチやインタビューで度々ウェインの名前を出している)
2000年代末期〜2010年代初期はまさに
Young Moneyの時代とも呼べると私は思う。
中でもYoung Money名義でスマッシュヒットとなった楽曲"Bedrock"は時代を象徴する音楽ではないだろうか。
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ストレートすぎるタイトルのアルバム
"Bedrock"はリル・ウェイン、ニッキー・ミナージュ、ドレイク、タイガなどのラップのマイクリレーとロイドのボーカルが光る大ヒット曲である。
もはやレーベルというより"ファミリー"という感覚だ。
How to Loveについて
リル・ウェインの楽曲の歌詞は基本的には激しめであったり、自信たっぷりに自身の能力や名声、女性関係を見せびらかすような内容が多い。
そんな中で言葉遊びがあったりと面白いのが彼の歌詞の特徴である。
だが私がリル・ウェインの中で1番好きな曲、"Tha Carter IV"に収録されている楽曲
"How to Love"のウェインの歌声は優しく、彼の思いが染み渡る。
MVでは望まない妊娠をしてしまった女性が産んだ娘を大切に育てて、でもその娘も望まない形で妊娠をしてしまい...という重めな内容。
ウェイン自身、若くして子供を授かり、現在は別々の女性との間でできた4人の父。
子どものことを溺愛していることで有名な彼が自分や娘と重ねて歌っているとも予想されている。(自身が話しているところは見たことがないので真意は謎)
私がこの曲に思い入れがある理由は、2011年の*VMAのフィナーレを任されたウェインのパフォーマンスに心を打たれたからだ。
*MTVが毎年主催する巨大音楽アワード
パフォーマンスは"How to Love"からスタートし、ウェインの優しい歌声に全て持って行かれた。ギャップ萌えというやつだ。
(しかしこの後豹変しめちゃくちゃに暴れてVMAを締めくくるのだが)
ウェインの優しい歌声と語りかけがたまらない、是非聴いてみて欲しい一曲だ。
セレブとしての魅力
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リル・ウェインは身長165cmと小さめだが、それに反して態度はかなりデカい。
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見た目はタトゥーだらけで怖いのが第一印象だった。
だが怖いというより"何だか変わってる"という印象が強く、なぜか愛おしくもある。
ウェインは*リーン愛好家としても知られており、健康面が心配になる部分も。
ウェインのドキュメンタリー映画"ザ・カーター(2009)"ではリーンやドラッグ接種が加速しており心身ともに危なっかしい部分もあった。
*お酒にドラッグ(主にコデイン)を混ぜた紫色の飲み物。
しかし破天荒さもあるがウェインはピュアな一面もあり、熱中したものにはまっしぐらな性格らしい。
例えばスケートボードだ。
2010年ごろにウェインはスケボーにハマり出し、スケーターブランド"TRUKFIT"を立ち上げた。
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リル・ウェインのブランド"TRUKFIT"
また、反対意見も多かったと言う2009年に発表したロックとヒップホップを融合させたアルバム、"Rebirth"では、当時ラップで確固たる地位を獲得していたウェインにとって実に実験的なアルバムだった。
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今でこそマンブルラップやエモラップと呼ばれるようなスタイルなんかが流行っているが、リル・ウェインの"Rebirth"なしではそんなトレンドも生まれてなかった可能性さえある。
当時は彼の新しすぎるスタイルを受け入れられない人も多かったはず。
だが、ごもごも話しかけられているような聞き取りづらいラップや、感情をメロディに乗せて訴えかけるようなリル・ウェインのラップは、ここ数年でスタンダード化したジャンルの先駆けだったのだ。
最後に2022年にリリースされたDJ Khaledのアルバムから"God Did"を紹介したい。
Jay-Z、リック・ロス、ジョン・レジェンド等、数々の大物アーティストが参加する楽曲にウェインも参加している。
ちなみにウェインはTRUKFITのフーディーを着ている。
同曲はヒップホップ50周年を祝う2023年のグラミー賞のフィナーレとして屋外にて"最後の晩餐"風の演出でDJ Khaled率いる全員でパフォーマンスを披露した。
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ウェインのバースでは
"ドレッドヘアも顔にタトゥーを彫るのも俺が流行らせた"
"神の最高傑作は自分"
"俺は過大評価なんかされちゃいない、過小評価はされてるけどな"
など自信満々のリリックがたまらない。
そんな自信を隠さないリル・ウェインだからこそ、リスナーたちにも自信を与えてくれているのではないだろうか。
私はいつだってリル・ウェインを聞くと強くなった気持ちになるのである。
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最新の2 Chainzとの共作アルバムもかなり良いので是非きいてみてくださいませ。
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