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人をつなぐこと

 最近の更新が税金関係の話ばかりになってしまっていた、調べる&まとめる大好きナレーターのむとうまきこです。

 今日は少し税金から離れた思いの丈を書きたいと思います。


1.紹介の依頼が増えた

 私のナレーター活動の基本は、自分のボイスサンプルやプロフィールを制作会社に送って営業して、それを見て・聞いた会社の方が「あなたにお願いしたい案件がある」とお返事を下さる、1対1のやりとりです。

 事務所に所属しているわけではないため、私のサンプルを持って、私の代わりにどなたかが私の営業をしてくれる、ということはありません。

(事務所に所属してても必ずしもそういうことしてもらえるとは限らないんだって…!えー事務所のメリットってげふんげふん)

 「あなたの声が今回の案件にぴったりなので」と指名でお仕事をいただき、要望に沿った音声を録音してデータを納品、直接請求して、入金いただくという流れです。

 しかし最近、何回かやり取りした会社様から「こういうことできる人知りませんか?」というご相談をいただくようになりました。


2.フリーランスの横のつながり、大事

 フリーランスはみんなソロ活動ですし、ひとつの作品をナレーター同士で組んで制作するということは稀です。(趣味的にそういう活動してる方はいらっしゃいます)

 スタジオ収録のナレーターさんですら他のナレーターが仕事をしているのを見る機会はほとんどないと聞きますし、宅録ナレーターなら尚更です。リアル(オフライン)で「えー!あなたフリーナレーターなんですか!私もなんですー!」という出会いはかつて一度もありません。

 ですが、Twitterなどのオンライン上で、個性豊かな多数のナレーターさんとつながらせていただいており、またナレーター同士の情報交換を目的としたクローズドのコミュニティに所属することで、公に発信できない案件の募集をかけたりすることもできます。
 皆さん本当に親切で「○○できる人知りませんか?」と聞けば「心当たりあるので連絡します!」と即座にリアクションしてくださいます。

 そのおかげで、「こういう人知りませんか?」と聞かれた時に、例えその場ですぐに思い当たる人がいなかったとしても「紹介できると思いますのでちょっとお待ちください!」とお返事できるようになりました。

 せっかく相手が私に何かを求めて下さっているのに、「あぁ…ちょっと分かんないですね…」で終了してしまうのは悲しい。私に利があるかないかではなく、何らかの形で相手の役に立ちたい。それで相手にハッピーになってもらえたら嬉しい。もしおつなぎした第三者が仕事に結びついたら、その人もハッピー。そんな縁を私がつなぐことができたら、ただ率直に嬉しい。

 フリーランス1人1人はライバルでもありますが、決して一匹狼にならず、常に横のつながりを持ちながらお仕事する大切さをここへきて実感しました。

3.自分の利を持ち込みたくない

 ここからは、おそらくビジネスのセオリーからは外れた、個人的な考えです。

 キャスティングディレクターなどという形で、紹介・仲介を業として営まれているなら別ですが、少なくとも「誰か知らない?」と気軽に声をかけて下さった方との関係性において、私が無理矢理間に入って、手数料をいただくようなことはしたくないなぁと個人的に思っています。

 声のお仕事に限らず、仲介料を取るビジネスは普通に世の中にあって、違法でも、倫理に悖る行為でもない、全く正当なことです。私に、業としてお仕事を紹介して下さる方は普通にいらっしゃって、その方たちが正当な報酬を受け取ることは権利です。
 その方たちは、その仕事を私に紹介したという成功報酬的手数料に加えて、都度間に入ってやりとりし、納期の確認や、私からは言い出しにくい料金アップの交渉をして下さったり、私の手元に届く前に、原稿のてにをはがおかしい・語彙がおかしいといった箇所を見つけてクライアントとやりとりをしたり、私が余計な作業をせずに済む段階までの下準備をしてくださる、そういう手間にかかる料金を受け取ります。
 もちろんそういう仕事には価値があり、それによって報酬を受け取ることは、至極当然の権利です。

(あ、ちょっと事務所のマネージャー的ですね?事務所所属したことないから分かりませんけど。……え?そういうことしてくれない事務所もある??げふんげふん)

 でも、私は、特に会社様が望まない限りは、自分からやりとりの間に入る提案はしません。私が間に入るとこんなメリットがあるよ!と提案して、仲介をビジネスとして成立させるという積極的な願望がありません。

 これは、声の仕事を専業でやっていないから言えることかもしれません。企業も個人事業主も、ビジネスは常に成長・拡大することが鉄則で、その観点から言えば私もぐいぐい紹介ビジネスしていくべきなのだと思います。でもどうしてもそう思えないのです。


4.縁がつながればそれでいい

 そもそも私は積極的に紹介・仲介できることを大々的に謳っていないので、私に「誰か知らない?」と言って下さるのは信頼していただけた証拠ではと思い、本当にそれだけで光栄な気持ちです。

 その上で、「あぁあの人なら!」とか「あそこに相談すれば!」というツテをたまたま持ち合わせているので、「ちょっと聞いてみます!」と喜んでお返事します。

 そして上手くマッチする方がいて、紹介していいよ!という確認を取り付けたら、その方の連絡先を丸ごとお渡ししてしまいます

 これは私の体感ですが、制作会社さん的には、依頼先と直接やり取りしたいとおっしゃるケースがほとんどです。(おつなぎする相手が外国人だったりするなどの特別な事情がなければ…)

 何でもそうですが、間に入る人間が少なければ少ないほど情報は早く・正確に伝わります。短納期が多い映像の業界では、間に人が入るメリットより、直接つながるメリットのほうが大きいのだと思います。


 連絡先をお伝えした時点で私の手を離れる、と言っては無責任ですが、でもそれこそがフリーランスの在り方だと思います。その先、ちゃんと連絡取り合ってくれるかなぁ…相手に失礼ないかなぁ…などと心配し続けなければならないような方は最初から紹介しません。

 結果として、何らかの折り合いがつかずその案件で成約に至らなければ残念ですが、取引先・委託先の選択肢として双方にカードが1枚増えることは、お互い有意義なことだと思います。次は最初からあの人の連絡してみよう、という良質なカードを制作会社様へ渡すことができたら、それだけで私は役に立ったと言えると思うのです。

 それで私へのナレーション発注が激減したら、つなぎ方が悪かったor選ばれるに値しない実力ということです……...( = =) 


5.まとめ

 そんなわけで、これからも「誰か~~」というご相談があれば一生懸命探して、応えていきたいと思います。

 そのためには、日頃からいろんな方の人となりを知っておかなくてはならないし、その方のボイスサンプルなどを聞いておかなければならないなぁと。それをあくまで水面下で(笑)、「仕事紹介してほしい人は私にサンプルよこしな!私のことフォローしな!」ということでは断じてなく、行なっていきたいと思うのでした(*´ω`)


 あ、みなさん私を紹介してくださってもいいのですよ!!
 お仕事はいつでもお待ちしております! ←

 よし、ボイスサンプルも貼っておこう。 ←


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