極め付き?極め付け?
トークでもナレーションでもよく聞く言葉。でも正しいのはどっちかな?と迷う言葉のひとつ「極わ付き?」「極め付け?」だったら調べてまとめておきます。
まず意味は?
1 書画・刀剣などで鑑定書のついていること。また、そのもの。→極め書き
2 すぐれたものとして定評のあること。また、そのもの。折り紙つき。「極め付きの芸」「極め付きの大酒飲み」
3 歌舞伎で、ある俳優の演技が他のだれよりもすぐれていると定評のある役柄。
4 俗に、程度の甚だしさが最高である事物・事例。最たる事物・事例。「この店のおすすめメニューの極め付きはこちら」
※デジタル大辞泉 より
2番の意味として使われていることが多いようですが、1番の意味が大元の語源のようですね。
さて、極め付きか極め付けか?
ではアクセント辞典
困ったらNHKアクセント辞典を、アクセントのことでなくても開くのです、私は。
キワメツキ ̄
キワメ\ツキ
(近年は「極め付け」ということもある)
※NHK日本語発音アクセント新辞典より
近年は極め付けということもある、ということは正確には「極め付き」ということであるということですね。なるほど。
ちなみに文研のホームページにはこうあります。
「極め付き(きわめつき)」は、書画・刀剣・骨董類に極め書き[キワメカ゚キ](鑑定書・証明書で極札[キワメフダ]とも言う)がついているもののことです。転じて定評のあるもの、高い・確かな評価を受けているもののこと
はじめに紹介した辞書にもあった、1番の意味「1 書画・刀剣などで鑑定書のついていること。また、そのもの。→極め書き」の極め書きが登場しました。
極め書きって?
これは「〇〇の作品だと私が認めますよ」という第三者による作家の保証になります。
(中略)
その他有識者に書いてもらう「極書」など、著名な方が書いていればその価値がぐんと上がります。
なるほど、いわゆる鑑定書のようですね。
この極め書きには、箱の記された「極め箱」というものもあるそうです。
※和比×茶美~茶道をもっと身近に より引用
そして極め札というものもあったようです。
※ 東京国立博物館 より引用
折り紙付きは?
似たような言葉に「折り紙付き」というのもがあります。
1 鑑定保証書がついていること。また、その物。
2 そのものの価値・資格などに定評のあること。保証ができること。「折り紙付きの技術」
※デジタル大辞泉より
極めつきに似ていますね。
この場合の「折り紙」とは、折り鶴とか、手裏剣とかを作る折り紙ではなく…
遊びに使う「いろ紙の「折り紙」とは違う。刀や書画などの美術品を鑑定して確かな物であることを保証した 書き付けのことだ。折って保存されたため,
「 折ってある紙 」で「折り紙 」である
※放送研究と調査2016より
その「折り紙」とは具体的には…
「折紙つき」と言う言葉は、この折紙が語源です。折紙つきの刀剣は、信用性が高く相場も安定しているため、資産価値が高いとされてきました。
折紙はもともと、金5両(現在の価値で50万円)以上の代物でなければ発行されることはなかったので、折紙があると言うことは高級品であることの証。そこから、「間違いのない、しっかりとした品質の物」であることの証明になったのです。
これが転じて、「間違いのない物や人」に対して折紙つきと言う言葉を使うようになりました。
これがその折り紙。
お墨付き
これもまた似ている言葉です。
1 室町・江戸時代、幕府や大名から、後日の証拠として臣下に与えた花押かおうのある文書。
2 権力・権威のある人の与える保証。「公認のお墨付きをもらう」
※デジタル大辞泉
幕府や大名からもらう文書なのですね。そこから転じて、今の使われ方がされているのです。
お墨付きは、室町時代・江戸時代、将軍や大名から臣下に与えた領地を後日の証拠として保証・確認する文書のことを指した。
その文書が「お墨付き」と呼ばれた由来は、署名や署名を図案化した「花押」が、墨で記されていたことによる。
ここから、権力や権威のある人が与える保証を「お墨付きを与える」、その保証を貰うことを「お墨付きをもらう(得る)」と言うようになった。
そう、すべてが…
極め付き、折り紙付き、お墨付き…。そうです、すべて語尾は「つき」なんですよね。(許容であるとはいえ)ひとまとめで覚えた方が良いかもしれませんね。
そんな私も、誰かからお墨付きをもらえるような人になりたいものです…。
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