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夕張 (3/27)

「夕張支線、平成31年3月をもって廃止」

このニュースを見て、とても驚いたのを覚えている。それと同時に、絶対に乗りにいこうと決めたのだった。

ちなみに私は乗り鉄でも撮り鉄でもない。だが得体のしれない何かに惹かれて、友達1人を連れて高校生活最後の小旅行に出かけたのだった。

まずは新札幌駅から快速エアポートに乗り千歳駅へ。追分方面行き普通列車に乗り換える。人生初のボックスシート。テンション上がる。ここからやはり鉄オタさんが多くなった。

新夕張駅に到着。道の駅"夕張メロード"でお昼ご飯を食べることにした。が、外の屋台は冬季休業中。でも「あべ」さんの夕張メロンソフトクリームとたんどらは美味しかったなあ…

そしてここからが本番。臨時の普通列車に乗り、いよいよ夕張支線の旅スタート。夕張市を北上する形で走る。

南清水沢駅のホームの雪山をよく見ると、ぬいぐるみが埋まっている。なぜ?どうして?

窓の外の景色を眺める。潰れてしまったトタン屋根、営業していないお店、車が通らない道。

嫌でも寂しい雰囲気を感じてしまう。

だがその雰囲気は、夕張駅に着いた途端に吹き飛ばされた。

「こんにちは!夕張にようこそ!寒い中お疲れ様です」

そう言って爪楊枝を差し出してくれた。裏側には"お帰りなさい"と書かれていた。

駅弁を売る方、駅舎内で鉄道グッズを販売している方も優しかった。あんなに気さくに話しかけられたら、グッズを買わずにいられなかった。

 そして、新夕張方面に折り返す列車を見送る。夕張の方は黄色いハンカチを振っていた。

そのあとはホテルマウントレースイのロビーなどで小休憩。夕鉄バスの札幌急行線で帰路に着いた。

1つ、感じたことがある。

「4月からこの路線、走らないなんてにわかに信じがたい。」

夕張駅は本当に賑わっていた。活気があった。だけどそれは夕張支線が無くなるからだ。そうじゃなければがらんとしているのだろう。

特別夕張に愛着があるわけじゃない。訪れたのは2回だけだ。だけど、異常なほど寂しい。あの路線、永遠に電車が走り続けるんじゃないか、無くなるなんて嘘みたいだ。


そして、これから先の輸送手段は主に夕鉄バスになる。本数も今より増えるらしい。札幌に帰る時、中央バスではなく夕鉄バスの急行を選んだ私たちにびっくりして声を掛けてくれたあの運転手さんにも頑張ってもらいたい。


ありがとう、夕張。お疲れ様、夕張支線。メロンの美味しい時期にきっとまた来ます。



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