2020年映画館で観た映画たち
例の流行り病の影響もあって今年は映画館に行く機会も減ってしまったけど、今年もいい映画に沢山出会えた。
☆5(特別印象に残った映画)
・ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語
“レディバード”のグレタ・カーウィグとシアーシャ・ローナン&ティモシー・シャラメ再集結。この時点で期待しかなくて結果これが今年のマイベスト映画だった。
他の若草物語も見たけど、演出と演技がずば抜けてた。4姉妹による女子特有の会話のドッジボールが自然さしかなくて、
ストーリーに特別さは感じなかったけど、この映画の世界観が好きだった。
時代柄、一歩間違えればポリコレオブマイライフになる危険性もはらんでたと思うけど、結婚だけが女性の幸せじゃない+結婚という幸せの形もきっちり描いていて、文句の付けようがない映画だった。
☆4(何度でも見たいと思う映画)
・ミッドサマー
村社会特有のカルトホラーっぷりがゾクゾクした。
フローレンス・ピュー演じる主人公が、集落の狂気に飲み込まれて行きながら、でもどこか彼女の不安や不幸から解放されていく過程が最高で、彼女がその後どうなっていくのかにも想像が膨らんだ。
・燃ゆる女の肖像
評判の高さにつられて観に行って評判以上によかった。
男性同士の許されない愛をテーマにした映画を一時期見る機会が多かったけど、女性同士の許されない愛をテーマにしたこの映画は、今よりも女性の運命の選択肢が少ないからこそ持っていた女同士の秘密の共有なんかもテーマに含まれていて、印象的な瞬間が沢山ちりばめられていた。
モラトリアムの作り方とその途切れ方も見事な作りで、
反面、行為そのものよりもピロートーク多めだったり、胎児のシーンで隣に赤ちゃんがいたり、エピローグの描かれ方だったり、余韻の描き方も見事だった。今年ベスト映画をこっちにするか迷った。
☆3(素直に好きだった映画)
・パラサイト
説明不要な位流行った映画。娯楽映画としてとても楽しめた。
最近韓国漫画も読んでるんだけど、韓国は下剋上的な作品を作るの上手いし
刺さりやすいんだろうなって思う。
・TENET
考察しながら何度でも同じ作品を観るのが好きな人は好きだと思う。
クリストファーノーラン映画そこまで得意じゃないんだけど、
これはハマった。限りなく4に近い3。
トワイライトシリーズでは全くイケメンだと思わなかったロバート・パティンソンがこの映画だとおいしい役柄なのもあってえらくカッコいい。
・37セカンズ
思えば今年全然日本映画を観てないんだけど、この日本映画は最高だった。障がいを前面に押し出さず、でも映画全体のテーマとして自然に溶け合っていて、自分探し系のご都合主義は若干含まれてるけど、そこに萎える事もなくとにかく観ていて気持ちのいい映画だった(観ていて気持ちのよくないシーンはあるけどw)
☆2(楽しめたけどまた観たいレベルではない映画)
・リチャードジョエル
偏見による冤罪をテーマにした実話ベースの映画。
クリント・イーストウッド作品にありがちな正義ってなんぞや?が相変わらず含まれている所も好きだった。私の星の付け方は2と3に大きな違いはなくて☆1以外は好きな映画。
・ジョジョラビット
純粋さなのか現実逃避なのか、妄想癖のある子どもの目線でWWⅡを語った映画。ジョジョ役の子役とヨーキー役の子役が演技上手すぎ。戦争と子供っていうフィルターを通して大人と子供のいいところもわるいところもユーモアを交えて表現してる所が好きだった。でも主人公のジョジョはあのEDのあと幸せにならないだろうし、ある程度幸せになれたとしても絶対ろくな大人にならなさそう(笑)
・レイニーデイ・イン・ニューヨーク
渦中のウディ・アレン作品で、ティモシー・シャラメ含めた出演者が完全にウディ・アレンからはしごを外してて、時期が悪ければお蔵入り、全米公開も確かしてなくて、日本では公開にこじつけたっていう珍しい作品。
またテーマの中に野心家の田舎娘と悪くてイヤらしい大人のおっさんが利用しあう様子が含まれてるもんだから、ウディ・アレンは最強に間の悪い作品を作ったねって感じw
ウディ・アレンらしい、ウディ・アレンのセンズリ映画なんだけどそれがいい。
・博士と狂人
みんな一度はお世話になってるオックスフォード英語辞典が出来上がるまでを描いた映画なんだけど、テーマがとっちらかっていて博士と狂人っていうより狂人とその他大勢って感じの映画で、オックスフォード英語辞典もサブテーマに感じたw大好きなショーン・ペンの主演作って事で楽しみにしていて、メル・ギブソンやらエディ・マーサンやら役者陣が最高な映画ではあったけど、話としてはあんまり好きになれはしなかった。
・ポケットモンスターココ
今年のポケモン映画。親子ものに弱いので涙腺にきましたw
よかったけど大人狙いだと感じたし、私が観た回は途中退出する親子連れがちょいちょいいて、それはそれでどうなんだ?とも思っちゃったw
・ハッピー・オールド・イヤー
タイ映画。一昨年観た“バッドジーニアス”と同じ制作スタジオ同じ主演女優ということで期待した。監督も違うから当然作風も、バッドジーニアスがスケールでかい系の映画だったのに関して、こっちはいかにもミニシアター系の内容&作風。それなりに楽しめたけどもう観なくてもいいかな系の映画。
☆1(面白くなかった映画)
・CATS
みんな大好き劇団四季のキャッツ。ストーリーがあるようでない作品なだけに世界観が受け入れられないと、エンターテインメントとして楽しめない作品なのに対して、その世界観づくりに失敗して受け入れられなかった映画。
世の中的にも失敗作扱いだったけど私も好きじゃなかったw
・家族を想うとき
Uberのビジネスモデルを批判している要素もある、貧困家族の負の連鎖を描いた映画なんだけど、間違った選択を繰り返して泥沼にハマっていく貧困家庭のリアルというよりは、不幸家族ポルノを見せられてる印象が先行してただ観ていて気分の悪くなる映画に感じた。
今年ワースト映画を選ぶならこれ。