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8月5日(土)~8月12日(土)

【8月5日(土)】

7時起床。今日はすてきなひとたちの結婚式。夜中にけっこう汗をかいていたので今夏初の朝シャワー。髪がショートの時はカラスのようにしょっちゅう水浴びできるがボブ以降になってからは乾かすのが面倒でシャワーは一日一度になる。今はボブ以降の髪なので面倒と思いながらドライヤーをする。昨晩の残りの炊き込みごはんと味噌汁をチンして朝ごはん。8時半出発。9時半から美容院で髪をセットしてもらう。結婚式参列は着物なのでアップスタイルにしたいと三回伝えたが、「僕はおろしたスタイルがいいと思うんですよね」と頑なで、ストレスと天秤にかけ自己主張を断念。シュッとしたおろしたヘアに。絶対アップスタイルが良かったと思ったが、着物におろしたスタイルは若い時だからできることなんだからいいじゃないとパートナーの母にLINEで言われて気を取り直した。続けて着付けへ。着付け師さんがかっこいいおばあさんでうっとり。茶の教室に通ううち自分で着付けできるようになりたくなり着付け教室に通うと着付けの方に魅了されもうこの道ウン十年だそうだ。心底楽しそうに着付けしてくれるものだから私まで嬉しくなる。「大正時代の女性たちみたいにいい具合に着物を着こなしたいんですがなにから始めたらいいでしょう」と聞くと「まずは浴衣。近所の無料の着付け教室に行ってみて。私もそこから沼にハマったからね」と。パートナーの母から借りたお着物は小物から帯から着物本体までどれもおしゃれで相当な着物好きで相当な管理上手でしょうと褒められて嬉しい。着付けしてもらってすぐパートナーとパートナーの母にテレビ電話して、着物姿を披露し、褒められた事柄を伝えた。想定よりずっと喜んでくれて嬉しかった。
式はあたたかな空気の中すすんだ。ふたりの祝福はもちろんのこと、私たち一人ひとりも祝われていることが自ずと沁みてわかる時間だった。一人ひとりに宛てられた手紙からはじまる至る所に細々とこらされた工夫にふたりの人柄がしのばれる。頭があがらない。受け取ったものがあまりに多い時間だった。
お着物は脱ぐときがいっとう気持ちのいいものだと知った。空も飛べそうな解放感。式場の涼しい小部屋を着替え部屋にあてがわれ、下着姿のまま鼻歌気分で着物をたたむ。小物が多く分別と収納に時間をかけているとスタッフの方が扉をたたき、あとはやっておくからおかえりと言う。気分はハイになっていたが身体は朝早くから動いており疲れていた。有り難く甘える。帰りの道中、式のプランナーの方、着付け師の方、そしてふたりに、御礼の連絡を入れる。自炊は到底無理な体力具合で、気になっていた近所の回る寿司屋に向かう。一皿ずつオーダーすると目の前で握ってくれる、近所のおじいちゃんや親子が来てる、こじんまりした寿司屋。回っている寿司も新鮮。茶碗蒸しも蟹味噌汁も楽しんだ。またすぐ行きたい。帰って映画「パリ・テキサス」を観る。ものすごく好きだった。なぜ最後、去ってしまうんだろうか。

【8月6日(日)】

広島に原爆が投下された日。
去年書いたnoteを少し手直ししてシェアする。祖父は9日の原爆を落とす予定地であった小倉におり、祖母は9日の原爆を実際落とされた長崎にいた。戦争と核保有に絶対に反対。

体調芳しくなく、朝から病院へ電話。予約を取る。予約は午後になったので昼ごはんは外食。好きな中華料理店で、冷やし中華と餃子。この中華料理店でパートナーとの関係について悩み泣きながら冷やし中華を食べた夏もあったと思い出す。体調芳しくなくとも食欲は通常通り。
病院へ行き、薬をもらう。住む街の土日はごった返しており辟易。いろはすをごくごく飲みながら帰宅。体調芳しくないことから予定変更の連絡を入れる。申し訳ないことばかり。今日は小田急線フェミサイド事件から丸2年。新宿でデモがあったが参加できず、インスタライブを覗く。
お天気雨が二度ほどあり、夕方散歩に出る。夕飯のイメージがわかず途方に暮れる。結果、焼き鳥をテイクアウトして、家にある炊き込みごはんの残りをチンし、水菜・わかめ・豆腐で味噌汁をつくり簡単な夜ごはん。じゅうぶんな夜ごはんだった。

【8月7日(月)】
引き続き体調芳しくなく、朝ごはんにそうめんを茹で、薬を飲み、二度寝。今日はもともと長野の私の第三の母のような存在とデートの予定だったが体調不良によりキャンセル。明日はすてきなひととRRR展に繰り出す予定だったが踊れる体調ではなく泣く泣く予定キャンセルの連絡を入れる。どこか不調になると痛感するが、身体が第一。健やかな身体無くして活動できぬ。猫2匹に囲まれて寝る。
パソコンを買いに行く予定があったが真っ直ぐに立って立川に辿り着けないと判断し断念。明日行く。この時期は原爆のことばかり考える。広島原爆記念資料館のデータベースを布団の中でめくる。

戦争反対と言い続けなければならない。国立科学博物館が一億円のクラウドファンディングを始めるという情報を見て眩暈がする。国立の博物館がなぜ一億円ぽっちの予算も充てられていないのか。国は何をしている。ヨーロッパ遠征させている場合ではない。戦争のためになるものにはすぐ予算をつけるが、今日食べるものに困る子どもたちやエアコンをつけることを躊躇する高齢者が最優先ではない国。

夜ごはんはまたもゴーヤチャンプル。ゴーヤ・木綿豆腐・豚バラ肉・スパムでシンプルに。梅干しを食べたくて人参しりしりに梅干しを叩いて入れサラダに。パートナーが出張へ行く。体調不良も相まって寂しい。

【8月8日(火)】
夜中に何度も猫に起こされる。キッチンの水切り場に乾かしてある箸やおたまに体当たりしてガシャガシャ鳴らす。何度か無視するが、こちらも眠りが浅くなるので根負けして餌をあげること、三回。家に私しかいない時の猫たちは普段より横柄な気がする。多分同等の立ち位置に思われている。
7時ごろ起床。眠りが浅く頭がぼんやりとする。今日は前から約束していたRRR展に心底行きたかったのだが病み上がりなこともあり友達に断りを入れておいたため予定なし。(後日友達がRRR展での写真や限定グッズをくれたので本当に嬉しかった。やさしい大好きな友達。)朝ごはんに冷蔵庫の残り物と素麺を食べる。一人だと生活が適当になる。一人暮らしで丁寧に暮らしている人は本当に偉いと思う。私なぞパンイチで過ごしている。
昼、着替えて外へ。WindowsパソコンをMacに変える必要があり立川へ向かう。思い切って中古のMacを買う。えいやとクレジットカードで。背水の陣。働いて取り戻さなくてはいけない。
帰ろうかと思ったところで佐藤さんから連絡が入る。胡桃堂喫茶店で動画プロジェクトについてこれから打ち合わせをするという。参加しますと連絡して直行。久しぶり、三度目の胡桃堂喫茶店。早くに着いたので買ったばかりのMacの立ち上げをしようと思うが、見渡すと誰もパソコンを開いておらず、やめておく。代わりにあたたかいチャイティーを飲んでのんびり待つ。動画プロジェクトの話し合いは、初めは傍聴するのみにしようと思っていたところに絵コンテを書く必要が出てきて、できる気がしてやってみたら初めての割にさらさらと絵コンテが描けてしまい、感謝される。恐縮。自分でも知らない特技って、まだあるんだなあ。帰宅後、Macをセットアップ。夜ごはんはセブンイレブンの冷凍食品で食べてみたかった「トマトとニンニク」というパスタを食べる。レンチンするだけでこの美味しさ、300円程度で、満足なボリューム。冷凍食品をふだんほとんど食べない(幼い頃から冷凍食品はバリバリ食べてきたけど今は冷凍庫が保冷剤で埋まっているため買わないという形での食べない生活。一番好きな冷凍食品は幼い頃から不動のアンパンマンポテト)ので、濃い味が沁み渡った。パソコンと長時間向き合ったからか睡眠に時間がかかる。

【8月9日(水)】
長崎原爆の日。喫茶おおねこの日。開店直後の11:02に黙祷しようと思っていたが、開店より20分も前にお客さんが来られ、前倒しで開店。お話ししていたら11:02を過ぎてしまった。その後もお客さん途絶えず、ふと気づいたときには15時近く。心の中で黙祷。
石垣りんの詩をここに置く。

挨拶           

あゝ/この焼けただれた顔は

一九四五年八月六日/この時広島にいた人/二五万人の焼けただれの一つ

すでにこの世にないもの

とはいえ/友よ/向き合った互いの顔を

も一度見直そう

戦火の跡もとどめぬ/すこやかな今日の顔/すがすがしい朝の顔を

その顔の中に明日の表情をさがすとき

私はりつぜんとするのだ

地球が原爆を数百個所持して

生と死のきわどい淵を歩くとき

なぜそんなにも安らかに

あなたは美しいのか

しずかに耳を澄ませ

何かが近づいてきはしないか

見きわめなければならないものは目の前に

えり分けなければならないものは

手の中にある

午前八時一五分は/毎朝やってくる

一九四五年八月六日の朝

一瞬にして死んだ二五万人の人すべて

いま在る/あなたの如く 私の如く/

やすらかに 美しく 油断していた

私も今日、やすらかに美しく油断して、9日の11:02を何事もなく過ごすことができてしまった。けれど国は確実に戦争のために突き進んでいる。「戦争が廊下の奥に立つてゐた」(渡辺白泉)、これをある程度容易に想像できるくらい、戦争が近くに来ている。

喫茶おおねこはお陰様で繁盛した日だった。店内で販売しているZINEも順調に売れていて嬉しい。16時ごろ閉店。

パートナーが帰る日なので、足が棒だったが買い出しに行ってハンバーグを作る。平日に作るハンバーグなど愛のほかない。炊き込みごはん、味噌汁も併せて。

【8月10日(木)】


久しぶりに喫茶店アルバイトのほうに出勤。すべてが慣れた作業だがすこし間が空いただけで新鮮に見える。夏休みなのか若者が多く、観光客と見える英語話者の方も多かった。久しぶりに英語を使う。英語を使う自分は、日本語を使う自分より思考がクリアで主張もハッキリとしている。それはおそらく語彙不足でニュアンスを伝えられないことによる効果なのだが、日本語でうだうだと雑音の混ざった思考をするより、英語で思考したほうが要点が見えるため便利。自分はイタリア人だというお客さんに、日本はまだマスクをしていてクレイジーだ、日本以外はもう外しているのに変だと言われたので、同意だが日本ではマスクはコロナ以前からし慣れているから負担に感じない人も多いと思う、さらに私はマスクしていたほうが接客が楽、変な客に顔もバレないしと伝え苦笑される。そこそこの混雑を楽しんで仕事する。立ち仕事にもここ数年ですっかり慣れた。立ち仕事には靴が大事だ。靴には課金してホカオネオネを履いていて、八時間立ちっぱなしでも余裕。他のスタッフも皆それぞれにスポーツシューズを履いている。
帰ってMacにAdobeを入れ(7日間無料なので7日後のカレンダーにマークする)初めての動画編集を始める。素材は貰っていたので調べながら進める。案外好きな作業で、曲に合わせてリズミカルに素材を刻む。できたものを一旦見てもらい、コメントを貰う。二度同じ素材でトライして、二度目はより早くより良いものができた。夜ごはんを作る余裕はなく、好きなラーメン屋へ出かける。久々の好きなラーメン屋はやっぱり心底好きな味だった。前にラーメンを食べたのも数ヶ月前にこの店でだった。この店でしかラーメンを食べない。

【8月11日(金)】


祝日、山の日らしい。16時からタバブックスのイベント出店があるが、それまではなにもない。11時オープンのかき氷屋さん目掛けて出かけてみるが、10:45時点で遠目に見ても行列のため諦める。一番好きなカレー屋さんに入り、いつも食べているバターチキンカレーを頼む。満足して昼過ぎに帰宅。昼寝する。汗だくになって起きて、慌てて準備し、15時過ぎ、出発。さすがの祝日、昼過ぎの時間でも大混雑の井の頭線だった。できるだけ空いている車両の、できるだけ女性の隣に座れる席を選んで、座る。座ってからも一度周囲を見渡す。ただ電車に乗るだけなのに、安全を危惧しなければいけないのが憎い。下北沢駅で降りて、ボーナストラックへ。すぐにタバブックスのブースを見つけて安心。宮川さんとげじまさんに挨拶して、自分ができることを探したり、これやってと頼んでもらったりして、イベントがスタート。本や雑貨が並ぶミニマルシェのような形で、隣にも向かい側にも出店者さんがいて賑やか。夕方にお客さんが増え、お金をもらい、本を渡した。ふらりと立ち寄った人がパラパラと本をめくり、これくださいと言って持って帰っていく。あれよあれよと売れていって、一冊売れるごとにすごく嬉しい気持ちになった。なんというか、本が、時間つまりは人生の一部をかけて作られ、紙に印刷され、綴じられ、ここまで綺麗な状態で保たれ、並べられた、そういった本というその小ささから想像もできない途方のない労力の塊の物質が、偶然にそこに居合わせた人によってここから想像できないところに運ばれおそらく読まれるということに、純粋に奇跡のようなものを感じてしまい、たまらなかった。22時までの出店はあっという間だった。軽い打ち上げをして、帰宅。気持ちのいい本の周りに、気持ちのいい人が働いているのがタバブックスだった。タバブックスをまたさらに好きになった日だった。

【8月12日(土)】


寝坊気味、11時近くに起きる。やはりどうしてもかき氷を食べたく、昨日行列で諦めたかき氷屋さんにもう一度トライするため、外出。寝坊しているので希望薄だったが、なんと帳簿を見ると上から五番目くらいに名前を書けるようで、記名して万歳。空きっ腹にかき氷はいかがなものかとおもい、近くの蕎麦屋に駆け込む。とにかく暑かったので、天ざるを注文。5分もしないうちに、サラダ、天ぷら色々、蕎麦、が運ばれてきた。サラダから順にかっこむ。なんせ五番目、呼ばれた時にその場にいないと飛ばされてしまうから、急いでいる。天ぷらの油が染み渡って美味しい。蕎麦湯もそこそこに、10分程度で店を出る。かき氷店に戻ってみると、次の次が自分らの番というところだった。間に合った。しかし急に、天ぷらとかき氷の食べ合わせの悪さについて思い出し、調べる。天ぷらとかき氷、天ぷらとスイカ、油物と水分の食べ合わせは悪く、お腹を壊すこともあるそうだ。お腹を壊すくらいならかき氷は食べないほうがいい。結局、白玉あんみつを注文。パートナーはかき氷をわっさわっさ食べていて逞しかった。念願のかき氷にありつけてよかったねえ。帰宅して、昼寝。最近毎日のように昼寝している。体調が芳しくなく、夕方の予定にキャンセルを入れる。

夜になると元気になってきたので、外出。スーパーに張り付いて、安売りになるタイミングを見計っていい買い物をするゲームをする。21時閉店なので20時ごろから安売りを始めるかと思ったらそうでもなく、20:30ごろになってようやく果物がいくつかセットになって安売りパックとして並べられた。果物を狙っていたはずなのに安売りパックの内容はあまり好きなものではなく、帰りがけに見たお魚コーナーで半額のブリを見つけて小躍り、即購入。寿司屋さんのテイクアウトコーナーにも寄ってみるとなんと一つだけ半額になった納豆巻きが売れ残っておりまた小躍り、即購入。ブリ汁と冷蔵庫に残っていた炊き込みご飯と納豆巻きが夜ご飯になった。スーパーに張り付いて、安売りになるタイミングを見計っていい買い物をするゲーム、お得であるし、狩猟採集生活をほんの少し感じられて無性に楽しい。

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