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風景写真と目で見る風景③ー絵本工房ー

毎週土曜日に絵本工房では、世界観づくりの一環で好きだなぁと感じた街の写真を絵に描いています。

ただ、どうも写真を基に描いた街に違和感があるんです。絵を描くまで全く気づかなかったのですが、どうやらカメラで撮る写真と人間の目で見る風景は一緒じゃなさそう。実際にそこにいるように感じる街を描きたいです。

この記事では、目で視るしくみを掘り下げて、風景写真と体感する風景の違いを考えます。


目で視るしくみ

”目で視る”のプロセスを調べると、ざっくり4ステップありました。

①眼に光が入る
②網膜に光が届く

③光が当たった場所の神経が電気信号を出す
④脳が電気信号を解析・調整し・認識する

”見える”って実はすごいしくみでした。生物学やら医学やらで、奥がとっても深い。でもこのしくみが分かれば、感覚に訴えかける絵に近づける気がします!頑張っていきます。

今回は”③光が当たった場所の神経が電気信号を出す”のしくみから、絵を体感(目で見た風景)に近づける方法を考えていきます。


③神経が電気信号を出す 〜色と光

第3回にもなると、本格的に生物の授業みたいな話になってきました。今回は”神経”の面からみていきます。神経が電気信号を出すのプロセスは、色彩と明度をコントロールしていました。

暗いところにいると、色が見えにくくなりませんか?あれって色を見る神経が暗いところだと反応しないからなんです。明るさを感じる神経は、色を感じる神経よりも敏感だそうです。

「え、目の神経って何種類もあるの?」そう言えば、高校の時に習った気もする・・・。調べてみると、視神経には、明るさをみる神経と色をみる神経があります。さらに言えば、色を見る神経にも、赤を見る神経・緑を見る神経・青を見る神経も別です。

つまり、神経の種類ごとに反応できる(電気信号に変えられる)強さが違って、それが”見え方”に関わっていそうです。人は神経の電気信号によって、色彩と明度をコントロールしていました。


絵に応用するとしたら・・・

”絵を感覚(目で見た風景)に近づける”の観点で考えると、どうなるだろう。

光の強い夏が、冬よりも鮮やかな気がしたり。
夜に外を歩くと、色よりも闇の方が感じられたり。

人はものを見る時、明るさによって色の見え方が変わっていそうです。今度絵を描く時は、光が当たる場所は鮮やかに、影になった場所は色味を抑えて書いてみます。


まとめ

今回は、風景写真と目で見る風景の違いを『③光が当たった場所の神経が電気信号を出す』しくみから考えました。茶色一色のおかずより、彩り豊かな食べ物の方が美味しそうに感じるように、鮮やかさは人の心を動かす性質がありそうです。

人の心を動かす絵を描くには、人が心を動かす瞬間を知るのも1手です。今後も眼のしくみから、心が動く瞬間を紐解いていきます。



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