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息子のありがとう

すね毛を豪快に生やし、低い声で憎まれ口を叩く息子。

そんな息子が、まだ可愛らしい姿だった小学2年生の頃。

授業参観が行われた教室前の廊下には、短冊型の画用紙がたくさん貼られていた。

そこには、不安定ながらも一生懸命書かれたひらがなが並び、親への感謝の言葉が綴られていた。

「いつもおいしいごはんを作ってくれてありがとう」
「生んでくれてありがとう」
「やさしくしてくれてありがとう」

私から見て高尚な言葉が並ぶ。

所々で立ち止まり、短冊を見上げるお母さんやお父さんたち。
我が子の感謝の言葉を、目を細め笑顔で受け取っていた。

さてさて、我が子は私に何と感謝を?

『いつもえんぴつけずってくれて
             ありがとう』


…うん、やっぱりね。そうだよね。
具体的でなにより。そして、やけっぱち感のある素敵な殴り書き。

授業で、先生から出されたであろう課題に親の感情が翻弄されるなんて、真っ平ごめんだ。

これでよし…泣

☆*:.。.
最後まで読んでいただき、
ありがとうございます(^^)♡
:..。.:*☆

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