人を動かせるかどうかは、”言い方”で決まる。
これをやると〇〇になれる。
これをやらないと〇〇になってしまう。
みなさんは、同じことを勧められるときに、どちらの方が心が動きますか?
なんとなく、後者にはなりたくないと反射的に思いますよね。
前者の方が自律的に判断し、行動しているような気がするから。
人を動かす二つのアプローチ
先日、NewsPicksの名物番組 WEEKLY OCHIAI で落合陽一さんがこのようなことを言っていました。
最近モチベーションに関する研究をしている方とお話ししたんですけど、〇〇ができるっていうインセンティブを与えた方が動く人と、〇〇出来ないっていうネガティブなインセンティブを与えられた方が動く人がいて、
人によってリスクの考え方が属性値によって違うから、コミュニケーションの方々を変えていかないといけない
つまり、同じ課題でも、
A : 動くことで得られるかも知れない利益の大きさB : 動かないことで被るかもしれない損失の大きさ
の二つは人によって感じ方や評価がちがう、ということです。
オモシロイ..
自分がどちらのタイプかは一旦置いておいて、説得する側としてこの事象を捉えてみたいと思います。
思い返してみると、
どちらかと言えば自分より目上の人にプレゼンをするときは、〇〇しないことによるデメリットに、
同僚や後輩にプレゼンをするときは、〇〇することによるメリットに、
重点を置いて説明していたように思えます。
多分、聞き手が保守的なのか進歩的なのかで無意識に話し方を分けていたのかと。
年齢で、という訳ではなく、立場的にそうならざるを得ない(個人的には応援できるけど組織としては難しい、と言いそう)かどうかで、です。
結果として、うまくいったことも、うまく伝わらなかったこともあるのですが、プレゼンは受け手の思想やそのときの状態によってアプローチの方法を変えなければならない、という難しさがありますね。
特例子会社設立後のときのアピールポイントで整理してみる
実際に、うちの会社を設立する際のプレゼンテーションでは、以下のようなアピールポイントがありました。
新会社(特例子会社)を設立すると〇〇になれる
■障害者雇用率を任意のグループ企業間で通算できるため効率的に雇用率を底上げできる。
■独自に人事制度を作れるため、雇用しやすい環境を親会社の同一賃金同一労働の範囲外で整えられる。
■集中して雇用するため、求めるスキル、必要な配慮、処遇の設計、採用戦略策定、管理者のアレンジ、などを効率的に行える。
結果として、経済的に障害者雇用における法的要件を満たすことができる。
新会社を設立しなければ〇〇になってしまう
■グループ企業が個別に雇用率を満たす必要があるため、余裕のある企業が余裕のない企業に融通することが難しく、効率的でない。
■同一労働同一賃金が適用されるが、同一の解釈の仕方によっては差別になりかねず、配慮なく健常者と同等に働ける人しか対象にならず、採用できない。
■分散雇用になるため、採用戦略や受け入れ体制の整備、管理者の育成に手間がかかる。
結果として、障害者雇用における法的要件を満たすには、多大なるコストがかかる。
改めて見返すと、これをやると〇〇になれる、を単に裏返せば、これをやらなければ〇〇になってしまう、というメッセージになっていますね。
まとめ
つまり、同じことを提案するにしても、言い方を変えるだけで、ポジティブなアプローチにも、ネガティブなアプローチにも出来る。
この二つを、相手の状態を見ながらうまく使って行動を促すには、
①現状維持ならどうなってしまうのか、
②それをどう変えたいのか、
③そのための手段はなにか、
という三つの論点を明確にしておくことが必要。
この三つがあって初めて、効果的なアプローチを考えられるのだと思います。
自戒も込めて。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?