いじわるな鳥
昔、山あいのある村に、いじわるな鳥がいました。いつも高い木の上にとまって、村人たちが働いているのを見おろしていました。
村人たちは、毎日一生懸命に美味しい野菜を作っていたのですが、いじわるな鳥は手伝うこともしないで、じっと村人たちを見おろしているだけでした。
「まったく、鳥の奴め、少しは手伝ったらどうなんだ。」
「俺たちはこんなに汗をかいてるのに、奴はいつも涼しい顔をして見ているだけだ。」
このように村人たちはいじわるな鳥の悪口を言い合っていました。でもいじわるな鳥はとても大きくて、こわい顔をしていたので、誰も直接言うことは出来ませんでした。
ある夜、村人たちが寝静まった頃、隣の村の悪い奴らが、野菜を盗もうとしてやって来ました。悪い奴らがが畑に入った瞬間、いじわるな鳥が大きな羽根を羽ばたきながら、畑に飛んで来て、悪い奴らの頭を鋭いくちばしで突っつきました。
「うわあ、痛いよ!助けてくれ!」
悪い奴らはたまらずに野菜を盗まずに逃げて行きました。
この村の野菜はとても美味しかったので、いろんな場所からこのように悪い奴らがよく盗みに来ていたのですが、不思議なことに野菜が盗まれたことは一度もありませんでした。
次の日も村人たちは、いつものように一生懸命に働いていました。そしていつものようにいじわるな鳥を見て、こう言いました。
「まったく鳥の奴め、少しは手伝ったらどうなんだ。」
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