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ドローン飛行の可否(由布岳, 国立公園, 国有林, 伽藍岳)

大分県由布院近くにある由布岳でドローン(DJI mini3 pro:249g)を飛ばそうと思った。特定飛行には当たらない範囲内で。では一体どこに確認すれば良いか。

以下記したのは、山でドローンを飛ばすために各地図を確認し、各所に電話した備忘録である。


国土交通省

まず最初に大分空港事務所(0978-67-3773)へ電話してみた。
地理院地図を見れば、空港周辺ではなく、もちろん人口集中地区でもないので、航空法上問題ないはずだが、念のため。

案の定、由布岳は空港周辺空域外なので、地表面150m未満の飛行であれば飛行は可能とのこと。

ちなみに自衛隊関連の拠点もないかちゃんと確認するべし。

環境省

さて、由布岳をWikipediaで見てみたら、阿蘇くじゅう国立公園の一部という情報を知った。阿蘇くじゅうのエリアとは思わなかった。だが環境省のページに確かに載っている。

由布院の町に国立公園は遮られているため、飛び地ではあるがどうやら本当に一部らしい。これは申請が必要な雰囲気が一気に出てきた。
ただ以下のようなニュースリリースがタイムリー(2023年5月23日)に出されていた。中岳で禁止と言うならば他の山はOK、と捉えられないだろうか。

そんな都合の良い解釈は難しそうなので、阿蘇くじゅう国立公園管理事務所(0967‐34‐0254)に電話してみた。ちょうど担当が出張していたが、折返しの電話をくれるらしい。丁寧な対応でありがたい。
その後折り返しの電話を頂いた。どうやら環境省的にはOKらしい。だが違う電話番号にも確認のため電話してくださいとのこと。

農林水産省

頂いた番号(0973-23-2161)は大分西部森林管理署。そう、農林水産省>林野庁>大分西部森林管理署である。
そしてここで明確に判明した。由布岳は国有林であり入林届が必要であること。そして決裁に時間がかかるということ。聞いてはいたが、なるほど正にこういうときに入林届が必要なのである。決裁を待つ時間は今回なかった。仕方がない。

国立公園エリア

では近隣でどこの山ならば申請不要でドローンを飛行できるか。国立公園でなければ良いはずと考え、環境省のページから詳細な阿蘇くじゅう国立公園エリアを特定することにした。

こんなPDF地図が見つかる

なるほど、このベージュ色やら薄紫色やらピンク色やら緑色やら空色やらで囲まれているところが国立公園に何かしら該当するエリアのようで、それ以外ならばOKのはずだ。ちなみに濃い目の緑色線は高速道路。

拡大に適さない地図

よし、ならば伽藍岳(硫黄山)だ。由布岳の北に位置するこの山は国立公園ではない。よし伽藍岳で自由に飛ばそう。


しかし、ここで思った。国立公園以外に国有林はないのかと。


国有林エリア

林野庁に「国有林の森林計画図」というページがある。そこから各地方の管理局ページに飛んで、調べたいエリアのPDFを開いてみる。

大分中部森林位置図

なんてことでしょう。。伽藍岳の北側が国有林である。

等高線解像度がびがびの図

いや、よく見てみると、伽藍岳頂上(1045.4M)は白いエリアで国有林ではない。そして以下のようにYamapアプリの地図を拝借すると、頂上の先にある伽藍岳西峰(1014M)まわりも白エリアのようだ。

Yamapアプリ伽藍岳より

ここなら飛ばせるはず。念のため大分森林管理署(097(532)9281)に電話して確認する。ちなみにここは由布岳の際に電話した大分西部森林管理署(0973(23)2161)ではなく、大分森林管理署の範囲らしい。

電話したところ、白い部分は国有林ではないのでドローンを飛ばしても問題ないと、無事確認がとれた。


33.318520, 131.421847 地点上空360画像

ガスがけっこう出ていた


ちなみに以下の地理院地図の「森林(国有林)の空中写真(林野庁)」は参考にならない。



山でドローンを飛ばすために今回色々調べたが、一番印象に残ったのは、地図が見にくいということ。地図を整備してほしい。

一番手っ取り早くて良い形は、地理院地図にまとめることだろうか。すでに空港等の周辺空域と人口集中地区はカバーしてある。ここに、国立公園や正しい国有林の情報を載せれば、一応スマホで簡単に見ることができる。PDF地図は見にくい。何より各エリアで区分けされているので探す方は面倒だ。あと緯度経度を入力したら、一発でドローンを飛ばしてOKかNGか分かるシステムも良い。

いずれは3D地形図を利用し、山の地形に沿った飛行可能な高度なんかも視覚化されるはずだ。なんて分かりやすい立体地図だろう。

小泉成文

大好きな横浜名物シウマイ弁当を食べる時、人生であと何回食べられるんだろう。。と考えます