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子どもに運動指導する際の留意点の1つ

今回は、ACSM Essentials of Youth FitnessのSpeed and Agility Trainingという章を読んでいて感じたことを綴ります。

以前書いた記事に通ずる内容です。

基礎技術のドリルは必要だけど・・・

何かしらのスキルを習得・改善する際には、スキル動作の全体像を細かく分解して何が課題かを把握する必要があります。例えば、スプリントならば腕振りが課題なのか、脚のスイングが課題なのか、etc。課題を抽出することで、その課題を改善する手段・方法が見え、取り組むことで課題を改善するというのが理想の形かと思います。

一方、細かな課題を改善するドリル的な方法は単調であるがために飽きやすい性質もあります。「腕振りが課題だから、大きく腕を振る動作を200回繰り返す」などのようなドリルは、“ただこなせば良い”という意識を子どもに植え付けてしまう恐れもあると思います。もちろん、そのドリルを行う背景を丁寧に説明して理解してもらえれば良いのですが、飽きっぽいドリルはそもそも楽しくはないので、最終的にはこなすだけのドリルになってしまう傾向にあるかなと感じます。

実際に文中にも“Linear technical work can become repetitive and mundane to young children, which can lead to a lack of focus when performing the drills"とあります。大まかに訳すと、“単調な技術ドリルはくどくありふれたものになってしまう可能性があり、ドリル遂行中の集中力を欠いてしまうことに繋がり得る。”

集中力を欠いた状態で行う練習・トレーニングは得るものはないです。そこで「集中しろ!」と言っても、つまらないドリルを淡々とこなす状況を変えない限りは、子どもの集中力に変化は起こらないかと思います。

どう打開するか?

文中に述べられている打開策として、
✓ドリルをチャレンジングなものにする工夫
✓試合と似た状況下で行う工夫
✓Criterion-Based Assessmentを用いて結果よりもスキルの質を見る・フィードバックする工夫

ドリルをチャレンジングなものにする工夫

簡単には達成できないけど、あと一息で達成できるというハードルを用意する工夫とでも言いますかね。簡単に出来るものはつまらないし、難しすぎるものは諦めが出てきます。ちょうど良い塩梅のハードルを見定めて、提供していくことが必要かもしれませんね。

試合と似た状況下で行う工夫

子ども達は、そのスポーツが楽しくて練習に参加しています。単調なドリルばかりでは、楽しいというスポーツを行う土台を崩す引き金になるかもしれません。しかしながら、試合と似た状況下で特定のスキルの習得・改善を図ることはちょっと難しいことが多いかなと感じます。

Criterion-Based Assessmentを用いて結果よりもスキルの質を見る・フィードバックする工夫

結果も見つつ、動作の質も評価する方法です。主に測定を行う際に用いられるものでしょうか。良い物ですが、複数人+毎種目で用いるのは大変労力を要するかなという印象。詳しくは、以下のリンクから。

https://journals.lww.com/nsca-scj/Fulltext/2014/02000/Criterion_Repetition_Maximum_Testing.14.aspx


おわりに

子ども指導する際には
✓楽しさをプログラムに取り入れる=指導者自身が遊びの心を持つ
✓チャレンジングなプログラム作成を試みる
✓ただこなすだけの単調なドリルは避ける
✓子どもはスポーツが好き・楽しいということを忘れないこと


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