渋谷公園通りギャラリー(東京都渋谷区・渋谷駅 線のしぐさ)
PARCOの目の前にある公園通りギャラリーは主に専門的な美術教育を受けていないアール・ブリュット作品の振興を目的として、作品を展示しているギャラリーとして知られている。
今回はアメリカのクリエイティブ・グロウス・アート・センターの作家および日本の作家の作品を展示している。いずれも国内外で広く評価されている作家である。
とにかく綿密な線でできた民俗的なデザインが印象的な坂上チユキ、
さまざまな太さや色の糸で造形物を包み込んだトニー・ペデモンテ、
テキスタイルを思わせる線の色合いと不規則な形に違和感を見出すスーザン・ジャノウ、
針金とボタンの集合体に生物と機械との中間の謎の物体を紡ぐ東恩納侑、
増殖するぐちゃぐちゃの線に人物を浮かび上げるドワイト・マッキントッシュ、
文字をひたすら重ね合わせて一つの像をなす齋藤裕一、
濃淡・太細さまざまな線を重ね合わせるダン・ミラー、
どういう視点から描かれる自画像なのか全く想像がつかない西村一成、
毛糸や布切れなどを絡み合わせて繭を生み出すジュディス・スコット、
鋭い刃の痕を残しながら指で塗り込んだ優しい色合いとの融合が絶妙な松浦繁、
といった10人の作家による饗宴。抽象的な自己満足なアートでなく、地に足のついたメッセージ性が伝わってくるのも安心できるポイント。折りに触れチェックしたいギャラリーの一つである。トイレは和式と洋式。
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