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旧東京中央郵便局長室〜インターメディアテク(東京都中央区・東京駅)

・旧東京中央郵便局長室

東京駅の前にあるのがKITTEというもともと中央郵便局があった場所に新たに建てられた施設で現在は総合施設となっている。中央の吹き抜けにはミウラ折り(三浦公亮博士によって考案され、宇宙機の太陽電池パネルなどにも採用されている折り方)によって鮮やかに装飾された桜のモニュメントが展示されている。

改装された中央郵便局は現在も同地にて稼働しており、旧局舎の名残として旧郵便局長室が4階に復元されて公開されており、当時の状態が想像できる。東京駅が目の前に見える最高のロケーション。なおステーショナリールームとなっており、室内に設けられている休憩スペースでは手紙を書くことが推奨されている。便箋と切手は下の郵便局で買ってね、という寸法。さすが郵政。ぬかりがない。

映え


・インターメディアテク

東京大学が誇る博物館は都内にいくつか存在する。本郷には本館と医学に農学、小石川には分館と植物園、白金台には医化学。駒場や西東京にもある。また後楽園には宇宙ミュージアム、そして東京駅前にあるこのインターメディアテク。エンタメ色の強い宇宙ミュージアムを除けば無料で入れる他の博物館は学問の趣が強い。インターメディアテクは東京駅の目の前ということもあってただ博物館という学術的な視点だけではなくて、訪れた人が興味を持ってもらえるような造りに配慮している。なお、実際に目で見て学んでほしいという観点から、展示室内の撮影はできない。

フロアは2階と3階に分かれており、入り口すぐにある大階段で往来する。最初は2階から。さすがは日本の最高学府。膨大な研究資料をもとに収集された多くの展示品が出迎える。

この大階段が良い味だしてる

まず東京大学の講義室を復元したエリア。何人もの教授の肖像画が飾られている。興味深いのはそのいくつかは任期らしき年号が記載されているのだけれど、西暦ではなくおそらく皇紀で表記されているということ。当時の年号の扱い方が窺える一幕。多数の肖像画はそれぞれキャプションで誰の肖像画なのかが説明されているのだけれど、中には「不明」という人もいる。大学の関係者なのにそんなことあるのか。

このエリアだけ撮影可能 肖像画は大半が誰だかわからない

メインとなる展示室では動物の剥製や骨格標本が大量に展示されている。絶滅した巨鳥エピオルニスの骨や卵の化石などもある。一般の卵180個分という容積7〜8リットルの卵。さぞかしたくさんのオムレツが作れることだろう。ほかにもクジラやイルカ類、キリンやアシカなどの巨大な骨格標本がある。

生物の展示に続いては鉱物の標本コーナー。長崎の被曝直後に回収した石の標本のほか、国内外の鉱石が鮮やかな色彩で並べられていて、見ているだけで眼福。

後半には「驚異の小部屋」ことギメ・ルームの展示がある。エミール・ギメという蒐集家によって寄贈された多くのオリエント美術品が展示されている。ガラスケースの一部がひび割れた状態で敢えて残されているのも良い。

特別展示として東京大学の蓄音機コレクションがその全点を紹介されている。中にはミッキーフォンという名称の蓄音機もある。どういう意図で名付けられたのだろう。あのネズミかな?

ここも撮影可能 蓄音機に憧れる

階段を上って3階では引き続き剥製の展示を中心に、教授たちのブロンズ像や人体模型などが紹介されている。一際わ気になったのは台座に置かれずに地面に直置きされているブロンズ像。誰なのかの説明もない。せめてテーブルにでも置いてくれれば良いのに(すぐ近くに何も載せられていないテーブルがある)。なにか意図があったのだろうか。

大学教授にはとにかく病的なまでにコレクションする人物が多く、こちらでも江上波夫(オリエント博物館でもお馴染み)、佐々木忠次郎や江田茂の昆虫など、ある種の変態性(褒め言葉です)を感じることもできる。

3階での企画展としてはでは「仏像工学」として模刻品を展示。展示公開をする中で現状の形態を維持する保存は重要な課題であり、制作工程や構造を検証しながら可能な限り当初と同様に使用しつつ、先端技術を活かした調査を行なっていることを模刻品を観察しながら学ぶことができる。トイレはウォシュレット式。

入口から


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