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日記。三年ぶり。

今日は寒かった。
今日だけでなく、明日も明後日もみたいだけど。

朝はいつも利用している路線が雪で完全運休になっていて、仕方なく遠くの私鉄の別の駅まで自転車で向かい、帰りは帰りでちょうど吹雪のタイミングにあたってしまって、コートもマフラーも髪の毛もまつげでさえも雪に覆われて大変だった。
そんなこんなで一刻も早く帰りたかったはずなのに、信号待ちのすぐそばの植え込みで咲いていた赤い花の、雪をまとって咲いてる様がなんだかいじらしくて見えて、思わず自転車から降りて写真に撮ったりもした。

なんでもない今日のこと。

夜、思いがけない人から連絡が来た。
高校時代の同級生であり、同じ吹奏楽部でもあった友人。
彼女の楽器はフルートだった。
2年と3年で同じクラスにもなって彼女を含めた3人組でいつもお昼ご飯を一緒に食べていた。
なんか…人のこと言えない自信はあるけど、ちょっと個性的な子だった。
掴めないというか、よくわからないというか。
よく言えば天然。
悪く言うと人の気持ちがあまりわからない感じの…。
悪気なく人を傷つける言葉をうっかり言ってしまうみたいなことがよくあって、それを指摘してもポカンとしてたりして。
でも言われたことを理解できたあかつきには泣いてお詫びしてくるようなところもあり…。
そんな彼女に私は内心少しモヤモヤしつつ、憎めないなと感じていたりした。

大学進学後も、社会人になってからも、二人きりで会うということはなかったけど、誰かと3人でとか4人でランチしたり、お茶したりはたまにしていた。
彼女の方は相変わらずだった。
サークルの先輩から真剣にその性格を正すよう注意されたと言っては泣いてみたり、『ダ・ヴィンチ・コード』を読んで世界の仕組みを理解したと意気揚々と語ってみたり。
恋愛にも奔放で、20代の頃はわがままを全部聞いてくれる人じゃないと嫌だとよく言っていた。
そして彼女のそばにはすべてを彼女に捧げてくれる彼氏がいつでも確保されてもいた。

私と彼女の関係に変化があったのは…あれはもう5、6年前のことになるのかな。
きっかけは私がプライベートでちょっと厄介なことに巻き込まれてしまったことだった。
詳細は割愛するけど、自力で解決するのは難しいことで、どうしたものかと思っていた矢先、彼女から連絡が来て、少し話してみたら、そういうことなら自分が専門的に学んだ分野だから力を貸せると強く申し出てくれて。
それならと彼女に依頼することにした。
もちろん、ちゃんと報酬も払って。
…なんだけども。
結果的に彼女には解決することができなかった。
それだけならまだしも、彼女の関わりによって余計に事態はこんがらがり、混迷を極めた。
最終的に彼女は私に謝罪し、報酬も返金して…ともうなんだか色々とあり。
結局別の専門家さんに依頼し直して事態は最終的に解決に至ったのだけど、問題が複雑化した上に時間も年単位でかかってしまった。
そして彼女ともそこから疎遠になってしまった。

とはいえ私は彼女の失敗を責めたりなんてことは一度もしなかったのだけど。
報酬ももうもらってくれていいと申し出たけど彼女からそれはできないと突き返されて。
彼女からするとやっぱりバツが悪かったのだろうし、そうでもしないとプライドが許さなかったのかもしれない。
そのことがあってから2年後くらいに別の友達も含めて私の家で集まろうということになったときもあったのだけど、結局彼女はドタキャンで来なかった。
それについて謝罪のLINEもなく、本当にドタキャン。

そしてそこからさらに三年経った今日、突然彼女から連絡が来たのだった。

内容は私の父の訃報を知ったことについてだった。
最近たまたま知って、とか、大変だったんじゃない?とか、そんな労いの言葉が続いた後、「今さらになってしまってごめんね」と。
最後のその文言を目にした時、なぜだか思わずフフッと笑いが漏れた。
いや、全然ごめんねじゃないよ、気にかけてくれて嬉しいと返したら、そこからまたしばしラリーが続いて、彼女はお花を送りたいと言い出した。
そんなのいいよと固辞したのだけど、どうしてもと言ってきかないので実家の方に送ってもらうことにした。
彼女は、そしたら早速送らせてもらうねと少し嬉しそうだった。


なんだかやっぱり憎めないなぁと思ってしまった。
彼女からのお花が届いたらお礼の言葉とあわせてまた今度会おうよと言ってみようかな。

なんでもない今日のこと。


今日降った雪で明日地面が凍ってたら怖いな…。
どうか大丈夫でありますように。



よしっ。

明日もきっと良い一日☆

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