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共感した世界。

めちゃくちゃ久しぶりに映画館で映画を観た。
『四月になれば彼女は』という映画。

原作は小説で、主題歌を風くんが歌っていること、恋愛ものであることくらいしかよく知らずにいて。
午前中に時間がある今日、朝から観に行けたらと思い立ち、朝イチの回を昨日の夜に予約した。
で、昨日、ざっくりとしたあらすじを読んで少しだけ予習もした。
観る前に内容を調べたら面白さが半減するやんなんて人からは言われちゃうのだけど、私は先に知ってた方が安心して観れるから良くて…。

どんな映画かを知りたい人用↓


正直、恋愛映画ってこれまであまり感情移入して観れたことがなかった。
なんかどうしても他人事みたいに思えてしまって…。
だから今回もおそらくは少し俯瞰して観るみたいになるだろうなと、観る前はそう思ってたんだけども…。

まさかの泣いてしまった。
すべての登場人物にどこかしら共感する部分があってひたすらに苦しく…。
え、これ私の映画かな?って思うくらいに。
佐藤健演じる藤代も、その彼女の弥生にも、昔の彼女の春(ハル)にもなんかわかるところがあって。

病にかかり自分の死期を悟ったハルが大学生の頃の自分が藤代との間に感じていた純粋でまっすぐな愛を思い返して、死ぬ前にその感情をもう一度感じ取りたいと願い、彼と行くはずだった世界の名所を辿っていくというのもなんかものすごくその気持ちがわかる気がしたし、獣医師である弥生がいっそキリンとの方がうまく付き合える気がすると思ったりするのももうなんかめちゃくちゃわかるというか。(これわかるってヤバいかな?笑 でも、わかる。私もたまに人とより花との方がわかりあえると思うことあるから苦笑)

愛し愛されることに懐疑的になってその実体が掴めずに心が彷徨ってしまう状態というのはたしかにある気がする。
あるな。
少なくとも、私は。

藤代は藤代で弥生を愛していたはずなのにいつしかその思いの形が曖昧になってしまっていて、そのことに気づけず弥生を失ってしまうというのもなんか…わかる。
思いやりや相手を大事にすることが形式的になって情熱を伴わなくなっているのにその熱を再燃させる術すら見失った状態というのか。
そしてその惰性に近い感覚のままに弥生と結婚しようとしちゃうのも…
なんかあるよねこういう感じって、みたいな。

弥生が藤代のもとから行方をくらまし、余命いくばくもないハルの暮らすホスピスで働きながら彼女と交流を深めるというのも、とても美しい感情世界で私は好きだった。
弥生はハルから藤代へ向けた手紙のなかで語られていた、"あの頃の、自分の存在よりも誰かを大切に思う気持ち"を実際に彼女のそばへ行って知ってみたかったんだろうなって。
同じ相手(藤代)に対してそんなふうにまで思えた人に会ってみたいと。
二人の女性は藤代という同じ男性を愛したという共通点を持って出会いながらも、一切憎しみあったりすることなく、二人だけの友愛を育てていく。
それが本当に素敵だった。
人が人と出会ってこんな感情でつながれるって本当に素晴らしいなと。

ラストシーン、ハルと弥生が海を眺めながらお互いをつないでいる藤代の存在を打ち明け、笑顔でそれを受け止め合う場面では思わず泣いてしまった。
これもまた愛だなぁと。

本当のラストシーン、藤代はハルが亡くなったことを知ってハルのホスピスへ出向くのだけど、弥生の存在には気づかず別の職員から藤代への遺品として残されたハルのフィルムカメラを渡される。
藤代が元の自分の居場所へ戻り、カメラに残されていたフィルムを現像してみたら、ハルが写した笑顔の弥生の写真が出てきて弥生の居場所がわかるという仕掛けもホント良かった。
弥生がハルに向けていた顔が一点の曇りのない全開の笑顔であったことも二人の女性の友愛を示唆しているようでとても良かったし、藤代と弥生とがまた出会いつながれるように写真を介してアシストしてあげたハルの最期の心遣いにもジンとした。

弥生に会いにもう一度ホスピスへ出向いた藤代が逃げ去ろうとする弥生を追いかけて文字通り体当たりでぶつかっていき、二人で転んで泥まみれになりながら抱きしめ合う場面、美しかったなぁ。
藤代が情熱に火をつける方法を思い出してそれをちゃんと愛する人に向けて表現できたこと、そして弥生が戸惑いながらもそれを受け止めてあげられたことにも感動。
泣きました。


なんか言葉で語られる説明が少ない分、共感できる人はできるけど、全く入り込めない人もいそうな映画な気はした。
でも私はその語らない部分にこそ惹かれたし、それだから入り込めたような気もした。

そしてそして最後に流れた風くんの「満ちてゆく」が改めて名曲すぎた件。
どんだけいい曲なん、これ…って思った。笑。
物語が終わった後、すべて包み込んで優しく心を戻してくれる感じがあってホント素敵だったな。
風くん、すごいなぁ、良い仕事してるなぁって思いました。⭐︎


さて。
勢いで感想書いたからわかりにくい部分もあるかもだけど、ひとまず。



残る今日と明日もきっと良い一日。


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