愚、悲。
家路につきながら、これを。
…
朝方、夢を見た。
とても綺麗な海が広がっていて、そこで風くんと三人の女性が戯れていた。
風くんはそのうちの一人に、君は僕の子どもの頃からの一番の憧れの人ですと告げていた。
そしてもう一人には、君に手紙を書いてきたから受け取って欲しいと言い、渡していた。
そして最後の一人には、この前の成功はすべて君のおかげだよ、愛してるよと告げた。
最後の一人が私の方を一瞥し、ふふっと笑っては無邪気にはしゃいでいた。
私はなんで自分がここにいるのかがわからずに、ああ、風くんもそうなのかとボンヤリと思いながら波打つ海をただ眺めていた。
…
今日は朝から一日SNSを何も見ていない。
もう見るのは少しやめにしようと思っている。
世の中のことに少し疎くなるかもだし、好きで見ていたものに触れられないのは寂しい気もするけど、それより何より今は自分の心を守りたい気持ち。
こんなふうにいつも何かを勝手に受け取ってはしんどくなって、馬鹿みたいだなと思う。
私の心を曇らせる相手はきっとこちらのことなんて何の気にもかけてやしないというのに。
私一人、無駄に何かに気を回しては気をつかってるみたいで、一体何のためにこんなことしてるのかと思うことがある。
よく言えばお人好し、悪く言えば単純に馬鹿なんだと思う。
時々、そんな自分に心底呆れる。
何してるんやろうな、私。
…
昨日はなぜか夜中に何度も目が開いてうまく寝付けなかった。
それでも職場ではいつもどおりに働いた。
お昼頃、とある患者さんを見ていたとき、病棟の師長さんから声をかけられた。
聞いたら、昨日の夕方頃、先日亡くなったトキタさんの家族が病院にお礼を言いにきたのだという。
トキタさんのこと↓
師長さんの言葉に、そうなんですねと返したら、トキタさんの家族が私の名前をあげて、気難しい父が最後まで穏やかに過ごせたのは私のおかげだと言ってくれていたのだと。
それを聞いて思わず少し泣いてしまった。
そんなこと思ってくれる人もいるんやなと思ったら嬉しくて、今みたいに少し落ち込んでるタイミングでこんな言葉を聞けるなんて、それ自体がまるでトキタさんからの贈り物みたいにも思えた。
何も言わずに急に逝っちゃってごめんね。
変わらぬ声でそんな言葉が聞こえてくるみたいな気もした。
そういえばだけど、最近になって、事務の人から連絡があり、随分前に亡くなったヤエコさんのカルテにどうしても修正しないといけない項目があるから今更だけどいくつか打ち直して欲しいと依頼された。
わかりましたと答えて、今少しずつ打ち直し作業をしているのだけど、打ち直しながらヤエコさんのことをたくさん思い出してみていた。
ヤエコさんは私が不調に陥った時にはいつも何かを察したかのように必ず励ましてくれる不思議な人だった。
もしかしたらヤエコさん、今もどこかから私を見て、折れるな!頑張れ!と励ましてくれてるのかもしれないな。
…そんなことを思ったらどうしても泣けてしまって、また困るのだけど。
なぜだかわけもなく悲しくなって生きることがしんどく思えるときがある。
…そんなにしょっちゅうではないし、むしろ珍しいくらいなのだけど。
でもこんな気持ちの今にもきっと意味があって。
だからやりこなしていくしかない。
頑張らないけど、頑張る。
…笑。
生きる。
明日もきっと良い一日。
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