忙殺されている間にいつの間にか春は終わっていて、季節の移り変わりにすら興味が無くなっている事に危機感を覚えた くたびれた老人と、部活動終わりの少年たちに混ざり、夜の公園の景色の一部になる アルコールで少しぼやけて見える自分の影のせいで、存在の意味が分からなくなくなってきた きっと少し、疲れているんだと思う
点滅する瞬きと共に 形の無い言葉を伝えて 瞼の裏に焼き付いた光 鮮烈に あるがままに 晴れた日には お気に入りの服を着て 少し遠くまで あなたと 浮き沈みの中で 日々は色褪せて ただ春の日の 陽だまりを待つ 繰り返し目を覚まして 流れに身を任せたふり 足早に 生活は続く 制作epより
夜の海みたいな頭上の景色に見とれて信号が変わったのに立ちすくんでしまった 過ぎ去りし日々に後悔は無いとは言えないけど 日に苛立ちと悔恨は少しずつ 解消の傾向にある 遠く先ですべてを愛おしく思えるのなら 頭の片隅に置いておく理由にはなるはず ここに誰の為に縋り綴ろうとも調子の良いことは無いけれど いつかふたり海を見に行けたら
最近は、数年間に及んで溜め込んだ鬱屈が僕の許容限界を越え、爆発している。毎晩頭の中で色んな記憶と考えが時速200kmで走り回っている。脳内で轟音が鳴っている。この爆発が落ち着いた時、きっと楽になると思う。
悲し、美し、愛し、哀し。全てかなし、という字。人は昔から孤独だ。
他人を傷付けてしまう事に怯えている。結局それは自分が傷付きたく無いの裏返しでもある。年を重ねれば重ねるほどに何もかも分からなくなる。というより答えが出なくなる。 選ぶ事は捨てる事で、その度に失う未来があると思うと、無性に怖くなる。
喫茶店でプリンを一人で食べ切った時に、僕が選んだ今この瞬間をやるせなく思った。
雪崩れ込むようにホテルに入った。全てが悲しく思えた。鏡には醜い姿の自分が写っていて朝には何もかも全て無に帰った気がした。やけに朝日が眩しくて痛かった。ただひたすらに好きだった。この呪縛から逃れる術はもうとっくに見失っている。
向かいの校舎、窓際にいた君に気づいてないふりをして、視界の隅に入れたまま、廊下を歩きたい。
駅へ向かう朝の混雑したバスに見覚えのある女性。こちらに気づく事は無いまま先にバスを降りていく。彼女がさっき首に巻いていたマフラー、当時のクリスマスに僕が贈った物だった事に後から気づく。色んな感情で自然と口元が緩んだ。どうかいつまでもお元気で。
一年に何回満月になるのかなんて知らないし 惰性で買い足した缶酒はぬるくなる頃には大概邪魔になるし 営業終了後の照明は誰の為に光っているのかも分からないし 東京というタイトルの曲を聴いて感傷的になるほど東京の事は知らないし 色んな事について考えられるほど僕は元気じゃない
漠然とした絶望感と死にたさに襲われている六月。この感じがここ最近はずっと続いていて、五月病ってほんとにあるんだな、とか雨と湿気の所為かな、とか自分以外の要因を探して理由にしてみていたけど、一向に治る事がなく、もしかすると普通に何かしらの心の病気なのかもしれない、などと考えてみたり。心の平静を保つ為に試行錯誤をしてみているけど、あまり好天は無い。ようやく五月が過ぎ去ったのに、その後には梅雨が来て、かなり僕を殺しにかかって来ている、この季節。
飲み会の次の日特有の、アルコールが胃の中に少し残った違和感と喉の渇きを感じながら起きる。久しぶりに、やらなければいけない事のない日曜日。週末。誰にも何にも追われない、束縛されない自分だけの時間。こういう気ままな暮らしをしていると、自由なようでも何かが固まってきて、いつの間にか自分が決まったことをしていないと不安になるようになってくるし自分で自分を壊せなくなる。自由なようでいて、不自由なのかもしれない。
夜、真っ暗な部屋、窓越しの雨音、波のような、海のような、溺れてしまいそうになる感覚、どんどん沈んでいく錯覚 上階から落ちてくる壁の中の排水、換気扇の旋回音 頭の中で回り回って段々と呼吸が浅くなる もう大人なのに 全然大丈夫じゃない
仕事の昼休憩に家に帰り、食後ベッドに寝転がりながらメモ帳にポチポチとテキストを打ち込んでいたら、知らぬ間に寝落ちしていた。寝過ぎて昼休憩からの戻りに三十分遅刻。ベッドから飛び起きて会社に小走りで戻る。これが本物の、春眠、暁を覚えず。
意味が無い日々に 備考を書き足す 毎日に 行き当たり微々に 非情を捨て去る 第一に