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【無料公開】無印良品&MUJI Labo(ムジラボ)夏の総まとめ!「ムジラボ・ガラパゴス」の回避方法は?


 このマガジンではこれまで、無印良品の実験的かつ実質的な上位ラインであるMUJI Labo(ムジラボ)を、発売の度に速報形式でレポートしてきました。


いつも速報のまま投げっぱなし…というのも無責任なので、ここらへんで不完全だったところや、評価を保留していた部分を埋めながら、夏の準備ということでメンズの夏の代表的トップス「半袖シャツ」「Tシャツ・カットソー」「ポロシャツ」という3種をテーマとして無印良品通常ラインのアイテムも絡めながら総まとめしたいと思っています。


(速報から実質的な評価が変わっていたりしますが、ご了承ください。過去の記事に遡って評価の変更は基本的には致しません。)


※今回ムジラボ第6弾のアイテムも本記事に盛り込もうと思ったのですが間に合わず、別の記事で速報レポートを行っております。

合わせて御覧ください。



※本記事はnote先行記事としてブログに先行して公開しておりましたが、ブログ版の公開により告知部分以外の記事本編を無料公開とさせていただきます。

なおこちらのnote版は、ブログ版とは一部内容が異なっております。



ムジラボはベーシックではない!?


 ムジラボのように、ユニクロや無印良品よりは高くて、かつセレクトショップのオリジナルアイテムよりは安く…という価格帯は意外とぽっかり空いているものですよね。

HAREなど、この価格帯は本当にメンズブランドが少ない…。

レディースブランドは乱立しているゾーンなんですが。

この価格帯で、かなり有力な選択肢になったのがムジラボなんじゃないでしょうか。


ムジラボについて、「究極のベーシックライン」なる見出しを付けているところもあるのですが、私はちょっとそれは違うのではないか?と思っていて、ムジラボはやはりその名の通り実験的要素が強いと思っています。

確かに値段に比してクオリティが高いアイテムも多数あるのですが、どこか「ムジラボっぽい」と思えるところが多々あり、それはまさにベーシックなアイテムを作り続けている無印良品のインラインとは異なるものです。


トレンドを取り入れているようで、「ムジラボ・ガラパゴス」とも呼べる現象が進んでいるような気もします。


それを受け入れた上で、上手く取り入れるか、あるいは自分には合わないな…というジャッジをしていく必要があると思っています。


そして、やっぱりベーシックな無印良品のアイテムの方が自分には合っているな…などと判断してほしいと思っています。



半袖シャツあれこれ、着丈短い&大振りなソデの「ムジラボガラパゴス」回避方法は?

 

 5月期(と言いつつ4月発売…)のムジラボ第5弾はテーマが「半袖シャツ」ということで、様々なシャツが発売になりました。

その中でもオーソドックな半袖シャツとして現実的に選択肢となるのは、「綿ブロードスタンドカラープルオーバー半袖シャツ」、「綿ブロードスタンドカラー半袖シャツ」、「綿ブロードドロップショルダー半袖シャツ」、「ジャパンファブリックインディゴスタンドカラー半袖シャツ」の4つではないでしょうか。


これらは、エリやスソのディテールの違いこそあれ、全て「着丈が短い」「ドロップショルダーで大振りなソデ」という点で共通しています。

もちろん身幅もトレンドに合わせてかなりゆったりたっぷり取られています。




前述の「ムジラボ・ガラパゴス」なところで、真っ先に挙がるのが「着丈の短さ」。

パーカー、スウェット、シャツなど今季は特にドロップショルダーなどのゆったりとしたシルエットを着丈はかなりショート丈で作る…というアイテムが増えました。


ヨコにだけではなく、タテにもそれなりに大きくなっている現在のトレンドからすると、短過ぎる、もうちょっと長ければなぁ…と思うほど。


例えば、綿ブロードスタンドカラー半袖シャツは、スナップボタンを採用しており、一見似たものに見えます。


https://people-boutique.com/onlineshop/item/143245272/


ただやっぱり比べた時に、ムジラボは着丈が短いんですね。

よく似たアイテムが格安で手に入るぜ!ヤッホウ!とはいかず…。

(まあそれはそれでヤエカに失礼ですよね…。)


生地をケチっているわけではなく、これはムジラボ的な、デザイン上の意味付け、特徴付けなのでしょう。

うーん、着丈って結構分かりやすく重要なサイズ選びのポイントなので、これをやるならサイズをメンズだとS/M/Lでしっかり展開して欲しいところなのですが…。


さらにドロップショルダーの半袖になると、かなり大きめに袖が作られているものですから、これとの対比でさらにさらに着丈が「短く感じる」んですね。

逆に、着丈が短いことで対比によってドロップショルダーもより強調されて、さらに強い印象になるというわけです。


実はスタンダードなように見えて全然スタンダードじゃない。


無印良品がムジラボをどう売り出したいか?というのは(特集ページ)なんかを見ると、やっぱり普遍的なベーシックラインとして売り出したいんだろうなと思うのですが、デザイナーの意図するところとしては「普通のシャツとはちょっと違ったもの」「変形シャツの一種」なんだと思うんですよね。


で、まあこの着丈の短さを活かそうと思うと、中に着たタンクトップやカットソーをレイヤードでチラ見せする、何て方法もありますが…。



ソデをちょっと折ってまくってあげる、というのも1つの手です。



この半袖シャツの「腕まくり」、なんでもかんでもやれば良いってわけじゃありません。

ソデに一定の長さが無いと、短くなりすぎて「体育で気合入れ過ぎているヤツ」になりますし、ソデが細すぎても、二の腕にピタッと密着してしまって、それはそれでちょっと気持ちが悪いと捉えられてしまうんです。

ムジラボのシャツ類は、ドロップショルダーのためにちょっとソデが長くて、太さも大振りで大袈裟なくらいありますから、この腕まくりがうまいことハマります。

ここで腕まくりによってちょっとソデのイメージをマイルドにしてあげると、着丈の短さとのアンバランスさも解消されて、そこまで着丈が短過ぎるようには見えなくなります。

着る前に2折りくらい。ちょっと試して欲しい事ですね。


これを前提とした上で、この4種の半袖シャツをオススメ順に並べてみたいと思います。



綿ブロードスタンドカラー半袖シャツ


綿ブロードスタンドカラー半袖シャツ



 1位・2位はほとんど差がないんですが、こちらを上位に取りました。

スタンドカラーとスナップボタンで、しっかりと洒落感を持って着れるかなと。



メンズの半袖シャツって、どうしても長袖シャツの袖をぶった切っただけ、みたいな滑稽さが付きまとうもので(サラリーマンがクールビズで半袖シャツを着ていてもイマイチカッコいいなと思えないと思います…)、どこかで洒落感が欲しいんですね。

ここで言う洒落感っていうのは、つまりは「コレはオシャレで着ているんですよ~、(暑いから)仕方なく半袖シャツを着ているわけじゃありませんよ~」というシグナルみたいなものです。

前述したとおり、ムジラボの半袖シャツシリーズは「着丈の短さ+ドロップショルダー」で十分洒落感があるように見えるんですが、それらはともすると野暮ったいと捉えられてしまう要素もあるので。

スタンドカラーでスッキリとした印象でバランスを取る、というわけです。


この値段に似合わず垢抜けることが出来ると思います。

値段に対するクオリティは文句なし。


生地もスナップボタンの数も3月期に出た同様の長袖シャツとは別物。

スナップボタンの数が増えて一気に融通が効くようになりました。

また生地が変わったおかげか、ライトグレーの色味もクリーンで綺麗なものになりましたね。


ただ、スナップボタンの基部なんかはちょっと安っぽく見えるので、なるべくボタンは締めたほうが良いと思います。

そうでなくとも、緩く、また着丈が短いシャツは「アウターのように『羽織る』」という着方よりも、しっかりとボタンを締めて着る方がキマリやすいですね。


ゆったりとしたシルエットの普及とともに、夏のシャツのあり方も「ボタンをしっかりと締めるのが基本」に変わりつつあるように思います。





綿ブロードスタンドカラープルオーバー半袖シャツ



綿ブロードスタンドカラープルオーバー半袖シャツ



 プルオーバー、被りタイプを2番手にチョイス。

元々プルオーバータイプの半袖シャツって、半袖シャツの中でも熟れた印象で雰囲気を持って着こなしやすいんですよね。

これで着丈が長ければ、comoliとかの代替品になったと思うのですが…。

まあそれはそれ。

前述したとおりタンクトップやカットソーをスソからチラ見せする着方や、袖を折り返すことでさらに熟れた印象で着ることが出来ます。

今季は黒シャツが充実しているシーズンだと思っていて、ダークネイビーなどに逃げがちな人にも黒シャツにチャレンジして欲しいと思っているのですが、価格的にもチャレンジしやすいんじゃないでしょうか。



ジャパンファブリックインディゴスタンドカラー半袖シャツ



ジャパンファブリックインディゴスタンドカラー半袖シャツ



 ムジラボではお馴染み、かつムジラボ随一のキラー素材「ジャパンファブリックインディゴ」生地を使ったシャツシリーズの半袖版。

これちょっと速報では抜けてしまっていましたね。

これは先程の綿ブロードスタンドカラープルオーバー半袖シャツと同じ型で、サイジングなどもほぼ同じ。

シルクのような光沢感と、ドレープ感が従来のデニムシャツの概念を覆す、本当に良い素材ですね。



ただ薄手素材で暑苦しいわけではないのですが、汗をかいたときはデニム素材だけに気をつけたいところ。

まあ多少なら大丈夫だと思うのですが、大汗をかいたり、雨にかなり濡れたりすると、下に着たカットソーやタンクトップに色移りしてしまう可能性はあります。


これは本当にインディゴ染めを施している証拠でもあるので、仕方ないですね。



綿ブロードドロップショルダー半袖シャツ



綿ブロードドロップショルダー半袖シャツ

 

  最も普通に見える、オープンカラーシャツ(ただし出荷段階ではエリがレギュラーカラーのように癖付けしてあります)。

これも悪くはありませんが、上位3つが良いので…。


最近無印良品のインラインで出たムジラボの流れを汲むオープンカラーシャツなどもそうなのですが、スソなどを直線的に、またアウターのような処理をしているので、ややパリッとした素材もあって、シャツ自体が際立つような作りになっています。


新疆綿ドロップショルダー開襟半袖シャツ



ムジラボのようにトレンドを汲み取ろうというというか、ムジラボのDNAを受け継ぐ無印良品通常ラインのアイテムも増えてきましたが、それならムジラボの方が良いな、というアイテムが多いのも事実…。

おそらく将来的にはムジラボは終了して、また無印良品通常ラインのみになるのでしょうが、その時までにはうまいこと両者が融合してほしいものですね。



無印良品通常ラインは、色とソデが決め手に!?


 無印良品通常ラインのシャツは、ムジラボを見た後だと、正直かなり見劣ってしまうのですが、色をポイントにすると良いでしょう。


フレンチリネン洗いざらしオープンカラー半袖シャツ


無印良品の夏のシャツを代表する素材であるリネンは、ネイビーの出来が良いですね。

薄めの色より、クオリティ面での誤魔化しが効きます。



フレンチリネン洗いざらしボタンダウン七分袖シャツ


また、「半袖シャツ、やっぱり苦手なんだよなあ…」という人は七分袖をオススメします。

私も昔は半袖シャツが大の苦手で、夏場は七分袖を羽織ったり、ソデをまくって着たりしていましたよ。




シャツ類のダークホースはコレ!ちょっと違ったものが欲しい人に



 今季のシャツ類で隠し玉がコレ。


綿混ジャージーコンビTシャツ


 ムジラボの「綿混ジャージーコンビTシャツ」。

いやTシャツじゃん、と思うでしょうが、これボディ部分は布帛(ふはく)、つまりシャツに使われるような織物(伸び縮みしない)が使われています。

これによって独特の色気を持ったカットソーになっています。

対して、袖部分は通常のカットソー素材、伸び縮みする素材が用いられて、異素材で切り替えされています。

ちょっとフットボールシャツのようでもありますね。

当初は白やネイビーの布帛のツヤ感がどうにもイメージ的にレディースを連想させるもので、評価を保留していたのですが、黒はツヤ感がフラットに抑えられていてメンズが着ても違和感がありません。


カタチ自体はシンプルですし、めちゃくちゃ変形したアイテムとかではないのですが、素材感でかなり違いを生み出せるアイテムだと思います。




半袖Tシャツで最もハイクオリティなのは…?



 現在のTシャツのトレンドは、身幅や肩幅を大きめに取ったビッグTシャツ。 

ムジラボ、無印良品通常ラインそれぞれからこのビッグTシャツがリリースされています。



ムジラボからは、「綿二重編みドロップショルダーTシャツ」。


綿二重編みドロップショルダーTシャツ



二重編みで、一枚でも透けない程度に厚みがありながら、風が吹くとひらひら揺れるような、そんなトロっトロの生地なのです。



そんな生地でビッグTを作ったものですから、結構落ち感があります。

これが、ある人にはビッグシルエットの難易度を下げてくれますし(落ち感があったほうが、大きさを感じさせないのです)、ある人には柔らかすぎてシルエットがうまく出ず、だらしなく見えてしまい、難易度が高くなってしまいます。


一方、それを解消したようなアイテムになっているのが無印良品通常ラインの「二重編みビッグシルエットTシャツ」。


二重編みビッグシルエットTシャツ



こちらはポリエステルとコットンの混紡により、なめらか系の生地感ながらよりガッシリとした、シルエットのハッキリ出る生地感になっており、1枚で着た時によりサマになりやすくなっています。

ただ、やっぱりムジラボの素材感、生地感の良さは失われてしまうという、痛し痒しなところがありますね…。

色はムジラボラインにはない、カーキ、それからムジラボラインとは色味の違うグレーがオススメです。


無地にこだわらない、というのであればムジラボの「綿ドロップショルダーボーダーTシャツ」が今季ムジラボ・無印良品をあわせて最もハイクオリティな半袖Tシャツです。



綿ドロップショルダーボーダーTシャツ



ムジラボのボーダーTシャツは以前は少しガシッとした固めの素材だったのですが、今のボーダーTシャツはかなり滑らかで肌触りの良い生地を使っています。

それでいて無地Tシャツのような落ち感はないですし、シルエット形成力が高い。



ボーダーの情報量がビッグシルエットの面を埋めてくれるので、間延びしたところもないですし、「Tシャツ一枚」のスタイルが最もキマリやすいんじゃないでしょうか。



いやこれ本当にクオリティ高いですね。

今季着ていて最も気持ちのいいTシャツかもしれない。


結局無印はボーダーかよ!という結論に、ある種つまらなさも感じると思いますが、これは本当にオススメです。

ちなみに無印良品・ムジラボのビッグTは、シャツ類とは異なり、着丈は他のブランドと比べても短くは作られていません。




無印良品vsムジラボ、ポロシャツ対決!




ミラノリブプルオーバー半袖セーター 



 今季のムジラボのシャツ類で、「最も難易度が低くサマになってしまう」アイテムが、実はミラノリブプルオーバー半袖セーター、「サマーニット」扱いのポロシャツです。


これも前述のシャツ類に負けず劣らずの着丈の短さ&ドロップショルダーという「ムジラボ・ガラパゴス」仕様なのですが、こちらは素材的に落ち感があるので、ボディも袖もスッと落ちてくれてそこまで大袈裟にならない。

そもそもポロシャツって、エリがあってTシャツよりは複雑だけれど、シャツに比べると極めてシンプルですから、何となくまとまって見えてしまうんですよね。

この何となくまとまって見えるのがポロシャツの良いところでもあり、「つまらない」ということと表裏一体でもあります。

ただ、このポロシャツは通常のポロシャツにはないシルエットで、その点は払拭していますね。



ムジラボポロシャツがS-Mサイズ、無印良品通常ラインポロシャツがLサイズなんですが、これだけ身幅・肩幅・ソデを大ぶりに作っているのです。

それでいて着丈は短め。

まさに今っぽいシルエットです。



また生地感も特徴的で、ポリエステル100%の割に、ポリエステル特有の歪なツヤ感、私がいつも「ポリ感」と呼んでいるものが少なく、またポロシャツの定番素材である鹿の子に比べて凹凸感の無いクリーンな表面感をしています。

サマーニット特有の、レディースっぽさも全くありません。


見た目だけなら、今季最も上位ブランドに近付けているアイテムなんじゃないかな?と思います。

ただやっぱり見た目はどうあれ、素材はポリエステル…。

身体に密着するようなサイズ感では無いので、涼しいところにいれば全くもって快適なんですが、この暑さの中で歩き回ったりするようだと、かなり不快感も出てきます…。

ポリエステルってやっぱり透湿性や吸湿性の面でコットンに敵わないんですよね…。

この点では、コットン100%の鹿の子素材なんかに分があります。

見た目だけなら、本当に15000~20000円くらいするポロシャツに匹敵するんですけどね。


一方無印良品通常ラインの「新疆綿 鹿の子編み半袖ポロシャツ」は、極めてオーソドックスな見せ方。


新疆綿 鹿の子編み半袖ポロシャツ



コットン100%の鹿の子なんですが、ギリギリまで薄手にすることで野暮ったさを抑えて、身幅なんかもスッキリとかなり綺麗目に作っています。



変な話なのですが、数年前にユニクロ・ルメールが出したポロシャツのような、スタイリッシュに着れるものになっています。

ムジラボやユニクロのコラボラインを見てしまうと、どうにも見劣ってしまうことの多い無印良品通常ラインのアイテムですが、このポロシャツが最も出来が良いんじゃないでしょうか?

トレンドへの追従性は無いものの、かなりシルエットにこだわって作ったというのが伺えます。

綺麗な雰囲気を活かすために、ボタンはしっかり一番上まで閉めましょう。


かなり細身の作りなので、父の日のプレゼントには、お父さんがよほど痩せていないと向かないでしょう。



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