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春アウター追加・最終便、ドメスティックブランドが価格妥当性をどんどん欠いていく中、このブランドは異常だ…!売れ過ぎ別注ジャージをこれから手に入れる方法【フィーチャー】

 値上げの春…などという言葉が飛び交い、もう何度目だろうか?とため息が出てしまいますよね。

1万円の価値は変わっていないように感じるように、世の中のあらゆるものが値上がりし、実際に1万円で買えるものはどんどん少なくなる…。
そのため、コスパというか「価格妥当性」みたいなものが崩れて「流石にこのリターン(クオリティーや満足度)に対してこの対価(コスト)は払えないよ…」と消費に対するギブアップが起こりかねない、というか起きている。

その結果、無くなってしまうものも増えてきて、果たしてそれを「淘汰」と呼んで良いのか、これで良いのか?と考えてしまいますよね。

とは言え、他人の生活や仕事を心配する前にまずは自分のことを考えなければいけないわけで…世知辛い世の中とはいえ辛いものがあります。

アパレル・ファッションの世界で言えば、ユニクロのデザイナーズコラボとドメスティックブランドの価格妥当性が明らかにここのところ崩れてきています。

ユニクロUもここ1年半くらいかな…23SSから明らかに当たりアイテムが減りました。

逆にセレクトショップオリジナルのシャツなどは、ここのところ急激に良いものが手に入るようになりましたが。


ドメスティックブランドに関しては数多あるので、ザックリひとまとめには出来ないのですが、ブランド力と言うよりしっかりした固定ファンを持つブランド、持たないブランドで明暗が分かれつつあります。

元々ここ10年くらいでしょうか、ドメスティックブランドの多くはデザイン性と言うよりも素材の良さ、素材へのこだわりや作りの良さを訴求してきたので。
どれだけ原料価格や工賃が上がってもそこで妥協するわけにもいかず、結果として「コートは最低10万円です、15万円でもおかしくない」「ブルゾンが8万円は普通」「シャツは4万円から〜が当たり前です」みたいな世界になってきてしまって。

流石にこれでは、それまでいたプレイヤー(ブランド)が全員生き残るのは無理でしょう。

そんな中で、一際存在感を増すのが、Cornierコルニエです。


Cornier THE FINEST WOOL CANVAS STAND COLLAR BLOUSON

THE FINEST WOOL CANVAS STAND COLLAR BLOUSON|MATTE BLACK


Cornierは、「日本の産地が世界に誇る、最高級素材と独自の加工技術を手に取りやすい価格で」をコンセプトに、一昨年22年にスタートしたばかりのブランド。

世界三大ウール産地と呼ばれる尾州びしゅう(愛知県の西部~岐阜の一部にある地域のこと)にブランド拠点を持つ、まさに産地直結の形態を取るブランド。

多くの生地屋や整理加工場が密集するこの地域に拠点を持ち、生地屋に対して「生地の値下げ交渉を一切しない」ことをポリシーとして、その代わり世界に輸出されているような一級品の生地を提供してもらう。

このように生地屋や整理加工場と直接やり取りの出来る拠点の地理的優位性、また縫製工場なども自分たちで探し、話を持ち込むなどのいわば「泥臭い手法」で、クオリティの高さと価格を抑えることを両立しています。

少なくとも、なるべくコストパフォーマンスに優れたウールのスラックス欲しいならば、このブランドを見ないと…という立ち位置にすでになっていると思います。

そしてこれブランド最高傑作じゃないの?というアイテムが、今季出た「THE FINEST WOOL CANVAS」生地のショートアウター類は、素晴らしいの一言でした。


今回の着用画像では真っ黒に写っているが、実際にはマットブラック表記で、チャコールグレーに近い黒

ウールの生地感が素晴らしい。
少しザラっとしたドライ感もありますが、ウール特有の揺れ感や伸びやかさがあり。
クリーンに見せるものの、ツヤ無しのマットで綺麗め過ぎるような気恥ずかしさも無く。
サマーウールのようなツルッとしては面はしておらず、満足感や重厚感も感じられる生地(それでいて軽さもある)。

通年仕様のアウターを作るのにはこれがベストだ…と言うほどに、軽過ぎず、重過ぎない生地なのです。

仕上げにハイセラータ加工による強力な耐久撥水撥油機能を付与されており、ウール生地ながらもちょっとした雨の日などに着れるタフさもあるという。

水が玉になって弾き飛ばされてしまうので。

少なくとも生地に関しては、相当ハイレベルな出来になっています。
他のブランドならいくらくらい〜という下品な表現は憚られるところですが、いやこれはすごい。
もうCornierはこれで永遠にアウター作り続ければ良いんじゃないの?というほど。

そして裏地には今や希少なキュプラを100%使用。
キュプラ今本当使えないところ多くて、「うちは裏地キュプラ使っていますからね!」と盛んに謳っていたセレクトショップも使えなくなっていたりしますから。

あとはデザインやシルエットにどれだけのものを求めるのか?というところですが、少なくともデザインは良いと思います。

スタンドカラーブルゾン型とコーチジャケット型とあるうち、スタンドカラーブルゾン型は、洋服の顔であるエリ周りが本当良くて…。
高過ぎず、低過ぎず、本当良い感じ。


今季トレンドのコーチジャケット型はスポーティーながらウール地も相まって上品に見せることが出来ますし。

Cornier THE FINEST WOOL CANVAS COACH JACKET 

THE FINEST WOOL CANVAS COACH JACKET|MATTE BLACK

どちらもソデ先はゴムで絞ってあります。

スソにドローコード(ヘムコード)が付いており、絞れる今ブルゾンに必須のディテールも付属。

好みが分かれるとしたら、かなり太めの身幅ですが、これはもうまだまだそういうトレンドなので仕方ないでしょう。

若干ですがスタンドカラーブルゾンのほうがコーチジャケットよりも大きめの作りです。

デザイナーは最近でも海外四カ国を周り洋服の資料を掘り漁ってくるなどかなり勉強熱心な方で、素材などについても語り出すと止まらない根っからの洋服好き。

年々デザイン性も向上している感じがありますし、生地もどんどん生地屋の方から「こういうのどうですか?」と提案されるようになってきたそうで。
そうした中で生まれた今季のこのウールブルゾン2型は、傑作の類でしょう。

ドメスティックブランドが好きで着ているけど、流石にこうも洋服の製造原価が高騰してしまって、コートは10万円以上、コットンやナイロンのブルゾンでも7万円8万円してしまう時代ではアウター買えないよ…という人でも満足してもらえると思うし。
いつもはセレクトショップオリジナルあたりで買っているけれど、アウターだけはもう少しステップアップしてみたいという人にも良いだろうし。

ただ、まあとにかく情報が無くて、オンラインストアには着用画像も無ければ、裏地の情報すらない。
せっかくキュプラを使用していたりするので、もっとアピールすれば良いのにとも思うのですが。

ここらへんは、今やポップアップに来る人もかなり多くて、実物を見て買った欲しい、それで十分成り立っているということなのでしょうが。
つまり、完全にネットだけで見てオンライン通販で買う人のことまでは、まだ手が行き届いていないのです。
ここらへんはブランドの発展を待ちたいところ。

また注文から到着には時間に余裕を見たほうが良いです。
5日くらいはどうしても掛かりますね。

これはCornierのデビューシーズンから言っていることですが、おそらくそんなに大規模な陣容の会社ではないので、どうしてもそこらへんは仕方ないんですよ。

そもそもZOZOをはじめとする大手ファッションショッピングサイトのスピード感が尋常では無いだけですしね。
ここらへんもブランドが発展していく中で解消されればと思いますが。


「うちは原価率50%です!」「ハイブランド並の素材を使っています!」など、いわばなりふり構わないプロモーションをするショップやブランドもここ10年で増えました。

じゃあ本当に高価格帯を着ている人が満足出来る洋服を提供出来ているか?というと、そういうブランドはありませんでした。

そういう意味では、ここまでのCornierは異常。
こういうブランド作りたいと思ってもなかなか作れるものではなく、価格妥当性がどんどん崩れる現在における救世主的な存在であることは間違いありません。


Cornier THE FINEST WOOL CANVAS STAND COLLAR BLOUSON

THE FINEST WOOL CANVAS STAND COLLAR BLOUSON|MATTE BLACK


Cornier THE FINEST WOOL CANVAS COACH JACKET 

THE FINEST WOOL CANVAS COACH JACKET|MATTE BLACK


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