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【文献レビュー】教職大学院学卒者対象科目「授業づくりの理論と質的研究の基礎」において育成される資質・能力に関する考察

本日の文献はこちら。

坂井清隆・青山之典・主税保德(2022) 教職大学院学卒者対象科目「授業づくりの理論と質的研究の基礎」において育成される資質・能力に関する考察. 福岡教育大学大学院教育学研究科教職実践専攻年報, 12, 43-56.

我が国では、教師の授業をよりよいものへとするための仕組みの1つとして「研究授業」が設定されている。しかし、実際には研究授業のための授業づくりになってしまうことも多く、普段の授業づくりにどのこまで還元できるような取り組みになっているのかはわからない。
そんな中、教員養成段階で自身の授業づくりについて省察する方略を学ぶことは極めて重要であるといえる。この研究では、教員養成段階で授業をどのように観察し、記録し、省察へとつなげるのかについて学生が学ぶことができるような内容になっていた。私もこういう授業を受けてみたい!と思った。
なかでも興味深かったのは
・自分の記録だけではなく他者の授業記録をみることで、同じ授業をみていても捉え方の違い、自身の視点の偏りに気づき修正する機会が与えられていること
・そもそも、授業を記録するという方法を学べること

同じ授業をみていても、記録の仕方は人によって異なる。それは生徒を中心として記録することもあれば、教員の指導に着目して捉えることもある。
残念なことに、障害児教育の中では授業を行う教師の指導力側に課題を見出すよりもはるかに多く、生徒やその親に問題を見出してしまうケースが散見される。
教員養成の段階で、自身の観察の偏りを自認し、それを修正しようとする営みが教師としての資質・能力向上に向けて重要なのではないかと感じた。

今ある仕組みをもっと上手に活用し、よりよい教育を展開する方法のヒントが得られたようなきがする。

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