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英国には日本の10倍の障害児がいる?!

英国を訪問したとき、英国では特別なニーズを有する子どもが全体の約20%といわれているということを聞き、その割合の高さに驚いた。

実際に、文部科学省のHPにも同様の資料が掲載されていた。

これを見ると、我が国の素晴らしいところといえば、義務教育段階の就学率だろう。小学校、中学校ともに子どもの100%が就学している。そんなの当たり前なのでは?と思うかもしれないが、英国は初等教育99%、中等教育 95%、米国は初等教育92%、中等教育89%と就学していない子どもがわずかながらもいるのである。

一方で、特別なニーズを有する子どもの割合については我が国ももっと頑張らなければならない。というのも、英国では特別なニーズを有する子どもの割合は20.1%(2009年調査)、米国は11.4%(2008年調査)であるのに対して、日本はわずか2.3%(2009年)となっている。この2.3%というのは、特別支援学校0.58%、特別支援学級1.26%、通級による指導0.5%の合算値であり、地域の学校に通う子どもたちの割合は含まれていない。ほかの調査では、小・中学校におけるLD、ADHD高機能自閉症等の在籍率として6.3%(平成14年度文部科学省調査)といった数値もある。何が言いたいかというと、我が国ではいまだに特別な支援を有する子どもの人数、実態把握が行われていないということだ。

明らかに目が全く見えないという子どもであれば、早期から支援が提供されるだろうし、何より親が何らかの支援を受けるために行動を起こすだろう。しかし、障害の状態が軽度であればあるほど、あるいはその困難さがわかりにくいほど、本人も親も支援ニーズを自覚することなく、成長することも少なくない。本人や家族が支援を表明しなければ、特別支援学校側から支援の手を差し伸べることはできない。

英国には日本の10階多く障害児が存在すると考えるより、日本にも特別な支援ニーズを有する子どもたちはそのぐらいいるはずなのだが実態が把握されていない、そう考えるのが自然なのではないかと思った。


https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1300900.htm
参考資料7:日、英、米の特別支援教育として特別な指導を受けている児童生徒の割合
籍率 6.3%(平成14年度文部科学省調査)

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