ほんのきもちです
お茶が大好きな私。
名古屋にきてから、香ばしい香りに誘われてたどり着いたお店が妙香園。
そう、この香ばしい香りの正体はほうじ茶。
地下鉄の通気口を伝わって地上まで香りが漂っている。
それから毎日のように妙香園のほうじ茶をいただくようになった。
名古屋スタイル?なのか、妙香園でお買い物をすると、店内にあるちょっとしたスペースでお抹茶と砂糖菓子をふるまってくれる。砂糖菓子が大好きな息子は妙香園でのお買い物が大好きになっていた。
お買い物を楽しんだあとの地元のおじいちゃん、おばあちゃんたちがゆっくり腰をかけてたわいのない会話をしている。
そんな名古屋のいつもの風景がこのコロナの影響で消えてしまった。
買い物途中にちょっと妙香園によって、お茶を買うついでに休憩をする、それができなくなってしまったのだ。
店内にあった椅子とテーブルが撤去されていてなんだか無性に寂しい気持ちになった。
そんなときだ。
店員さんが
「ほんのきもちですが」
と茶葉のサンプルを手渡してくれた。
私たちお客さんだって、いつもの風景が失われて寂しい。でも、きっと、それ以上に店員さんはいつものようにお茶を淹れられない日々が苦しいのかもしれない。そして、いつも通りのことができないからと
「ほんのきもちです」
という言葉が添えられた茶葉をもらった。こうやって、みんな、今はできなくなったこと、我慢しなくちゃいけないことをただただ残念に思うのではなく、何か自分たちにできることはないかと考えている。私はこの細やかな気遣いがとても嬉しかった。
私は妙香園の店内で飲むお抹茶と砂糖菓子+家族との団らんが大好きだ。
コロナが一日も早く終息し、当たり前の日常が戻ってきてくれることを願うばかりだ。
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