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【開発秘話】オリジナル版開発秘話7

導きの門 ~最初ぐらいは導いてやるぜ~

導きの門でございます。初期ネームは「導きの間」。これは他のフィールドも「双子の間」とか「巨人の間」みたいに似たような名前にしてたからです。イメージが全然違うのでフィールドごとに名前変える事になって、入り口のフィールドなので「門」と。

このフィールドは体験版からすでに形が出来ていましたから、一番手間ひまかけて導入にふさわしい、チュートリアル的なフィールドに仕上がったと思います。このフィールドのイメージは「アステカ」。アステカっつっても特にアステカ文明はこの様式だ!とは決めておらず、まず最初に作るフィールドとしてマップ制作のひな形として作る事を考えてました。背景がシンプルなブロック柄なのもその為。開発初期は画面切り替えではなくスクロールで動いていたので、背景パターンのつながりの違和感を出さない為の処理でした。ブロックの組み合わせでマップを構成していたりと、一番ガリウスに近い作りになってますね。アステカっぽいといえばでっかい顔ですね。このぐらいか。あとは天使の像とか柱とか、思いつくままに描いているので結果、文明ごちゃ混ぜになってます。

ところで、産声の間、パレンケを倒すのに必須となっているポシェットキー。これはムーみて取り入れたんですが、どこかの巨像遺跡でみんな手に持ってるんですって。読んだ本がアレなので、「何かの機械を作動させるキーではないか?」なんてかっとんだ解説がされてありましたので、ありがたくそのままいただきました。本来ならこれ、巨人霊廟の石像が持ってるのが一番自然なんですが、サキトが手に持っているものが武器になってしまったので巨人に持たせるのはやめました。開発当初はこのぶっとび設定が気に入っていたのか、この人がキーを持っています。

小さくてわかりづらいですけどね。言われればわかる、小さなこだわり。

導きの門は体験版から結構な変更が加えられてます。1ステージ内で完結していた体験版と、初期からいろいろ歩き回れる完成版では仕掛けを変えないといけませんから。体験版では壷とかブロックとか基本になる仕掛けしか考えていなかったので、不評だったわかりづらい謎を新規で作った仕掛けに置き換えたりしました。4つの装備の謎がそれですな(リメイク版では火風水、血の雨の4つの石碑の謎。オリジナル版では鎧、兜、盾、剣担っていた。体験版ではツボが4つおいてあっただけで石碑のヒントと繋がりにくかった。)。一番変わった所といえばここ。

開発中盤まで体験版と同じようにハシゴは上から降りてました。んで、サミエルさんが「もっとこう、初めて遺跡に入ったどー!なゴツい入り口にしたいんすよ!」と思いつきパッションで提案したからさぁ大変。我々は思いつきをそのまま実行する危険集団です。誰も止めない。一番ワリを食う担当者が嫌がっていても何食わぬ顔で思いつきが拡大されて行きます。その頃出来上がっていた博士が背景に隠れる処理を使用して立派な柱を立てました。こういう仕掛けがしてあるのって遺跡内でここだけなんですよね。そして思いつきから始まった仕様変更は遺跡初侵入時に曲のイントロが変わるというところまで上り詰めました。そのイントロがラスボス曲のイントロにまで化けちゃうのだから世の中わかりません。さすが、結果よければ問題ナシの危険集団、GR3 PROJECTであります。
他にも体験版からマップ自体が変わった所といえば、インチキ針と手裏剣、体験版から仕込んであった開かない十字架の宝箱の生け贄部屋を印で隠したり、ゲートと新10倍ロムの仕掛けで1画面縮められた見えない床。あー、落下する顔なんてのもありましたね。聖杯もここに置きました。聖杯の謎解きである通り抜けられる壁なんですが、これはフィールドは4×5画面に収まるよ!ってのを見せる為のヒントのつもりだったんです。聖杯はもともと巨人霊廟に置いてあって、開発後期にゲーム性を考えこっちに置き換えました。

こうしてみると、見えない床だの移動床の縦穴だのスクロールすると落ちちゃうマップだの、このフィールドだけ他と違うギミックが盛り込んでますね。体験版で先に作った分、他と色が違ってしまったってとこですか。ガリウスのマップ構成を参考にした部屋が多いと思います。 無意味な壁画もこのフィールドが一番多いですね。ほんとに意味ないんですが。特にあの三角とか。あー、くさび案が出た事で落とし穴にある巨人の壁画もなくなりましたね。

体験版だけの登場だったので無意味になりましたが、これ、サキトのアンクの位置のヒントになってたんです。当初は巨人霊廟はアンクの位置を推理するのがキモの予定だったので。

ここにはボスがいますね。アンフィスバエナ。こりゃー最初に闘うボスとしては良い出来だと思います。あの頃はこのレベルでも俺は「つえー!かてねぇー!無敵モード付けてぇ!」と吠えてました。今ではムチで旬殺できるまでになりました。5年もいじってればアクションの腕も上達するもんだ。

曲にも触れておきましょう。ここはサミエルさんですね。体験版の時のものと比べてもらうと随分音が分厚くなってます。二人で結構試行錯誤しましたよ、これ。アンフィスバエナもサミエルさんじゃないか。これは知らないうちに作られていた曲でした。MIDIアレンジは都合上、アンフィスバエナ以外のボス曲を俺がアレンジする事になったので、バランスを取る為に(いらないのに)少し手を加えておきました。オーケストラヒット入れただけです。
せっかくなので、ボスのいるフィールドは実際に俺がプログラマ側に投げたそのままの企画書をお見せしておきます。この程度の指示であんなものが出来上がるのだから、すばらしいスタッフではありませんか。

- 当時の企画書 ---------------------------------------------------------

ボス出現企画書で言うところのボス出現演出です。
なんかこう、ぼうぼうぼうっと煙が。

そこからにょろにょろぞろぞろ~っと。

でろでろでろでろ~
出現演出は以上。

弱点は頭になります。
下を向いてる蛇の頭は出現の時だけ。ボス戦開始所定の位置(決めてないのでご自由にー)に移動の間だけ下向いてます。
あとは上の図のように口を開けてない状態で上下移動。一番下の場合は手前にのびてきたりするのです。

攻撃はこの通り。口開いて火を吐きます。
倒したらタイル消しですかね。叫び顔とかもいるかな?

盛り上がるのであれば、もっともっと掘り返してみようと思います。