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【開発秘話】オリジナル版開発秘話13

暗闇の間 ~暗いのなんて一部じゃんか~

くらいよ~せまいよ~こころぼそいよ~。
はい、暗闇の間でございます。今までに書いてきたように、どのフィールドにもキモになる仕掛けが開発初期の頃から決められていた訳ですが、ここはもちろん、画面が真っ暗の暗闇でございます。こんな仕掛けが全体にあってもイライラするだけなので数画面の仕掛けですが、なんかこう、露骨にステージの雰囲気とつながりがありません。イメージモチーフはインドなわけですが、インドで暗闇って分けわかりませんね。このへん、初期企画と開発中の考えの統一ができていないところです。

インドですよ。このフィールドは思いっきりモノが入れ替わることになりました。もともとグラフィックが産声の間のものを使っていたんです。曲の担当がサミエルさんなので、このフィールドはインドがモチーフよと伝えておきました。するとカレー臭漂うBGMが出来上がり、壁の色までナンに見えてきました。ちょーどこのときチャット会議していたんですが、サミエルさんが出来上がった曲があまりにも暗闇にあわなすぎるということでボツにしたいと言い始めました。しかし俺はここで没を出したくなかった。この段階までに俺の方でもういくつか没を蓄えており、「没曲集が豪華になっていいじゃないか!」なノリでぽんぽんボツが増えるとまずいなと感じていたのです。ボツ多い=開発に時間がかかるってことですからね。それよりもサミエルさんの持って来たカレーの歌が他にない曲調だったので、ゲーム中のどこかで使いたいなと思ったのです。

もともとがグラフィックを作った本人からして「ちっとも暗闇ステージに見えねぇ」と感じていたので、そのチャットの最中に提案しました。「ちょっと思いついたので、そのカレーの歌保留!」と。チャット終了後、すぐさま頭に浮かんだ考えを形にする。表をメジャー、裏をマイナー調の曲というルールから外れる事になるが、カレーの歌を裏面に採用する。てんてれてんてんて、て、てれれろて~~~れっ!この「て~~~れっ!」って部分を聞いて、スローでマイナー調にするのは容易だと思ったんですよ。それで今の暗闇の曲にアレンジしました。

グラフィックも明るい物を産声にまわし、じゃあ表はどうするかとなり、インドってことは古代インド神話なんかで核戦争かと思わせる伝説ってあるじゃない。あれをいただいて瞬時に解けたようなステージにしてしまえ!旧約聖書にあるソドムとゴモラの火だよ。ラーマーヤーナではインドラの火とも言うがね。気分はムスカ様でバリバリ作業しました。「人がゴミのようだぁ!」と言いながら人が溶けたグラフィックを作り、何もかもを溶かしました。気持ちよかったです。1日で仕上げましたねー。一番、俺の中で神がかっていた頃でしょうか。ムスカですけど。ここの、壷が壁と同じグラフィックになってるっていうのはもっといろんな所でやりたかったんですけどね。壷のパターンは1フィールドにつき1つって決まってたからなぁ。

仕掛け的な事で言いますと、ここはもう、フィールドの形から入ったような物です。4×5のパターンを駆使して横長のフィールドを作りたいって所から始まりました。対になる産声の方は横長が2つに分断されてたりとかね。この頃は迷路を造るのにネタがなくなっていた頃でした。そこでduplex長老から迷宮レクチャーを受けたわけです。緑池の左、あり得ないほど入り組んだ通り抜け壁を作ると、長老曰く「ワシはこういうのが大好きですね」。
あぁ、これでいいんだ。ちょっとでも褒められると後は速い。暗闇エリアなど、上のルートは暗闇を解除できないとかスイスイ思いつきました。緑の獣の背景は気に入ってます。仕掛け的には石像スプリガン(元ネタは漫画スプリガンの最終話の石像)と牛頭と馬頭だけのエリアですけど。あ、そうそう。ここに変な罠ありますよね、コインが落ちてる奴。あれは前にも書きましたが完成間際に「罠の少ない後半エリアに罠を詰め込もう」タイムに出来上がった物です。このへん、あまり話し聞かないけど引っかかった人いるのかなぁ。

敵キャラの話も。ここはduplexさんだったかな。裏と表のミラクルチェンジが行われたこのフィールド、うまい具合に表面の敵とマッチしてくれたり、浮いてしまったキャラも少し。ナーガやヘカトンケイルはマッチしましたね。もーこの頃になるとふわふわ飛ぶとか、床を往復するとか、敵キャラのネタも尽きた頃でした。ナーガの槍投げはこの頃ひねり出した最後の手段でしたなぁ。もともと、主人公のサブウェポンの槍はハイパーオリンピックの槍投げのように放物線を描いて横に飛ぶっていう案もあって、それと同じ槍を投げるっていう設定があったはず(prot1.bmpの中に横向きの鑓が残ってる)。床から手のブロッグは……なんか意味あるような無意味なような。マンドラゴラは失敗だな。意味がない。ガルーダはかっこいいですね。元ネタはいつものベアークロー2本で2倍のジャンプで2倍の回転でーのウォーズマン。あと、参考にしたモンスター本の挿絵がこのポーズだったのです。牛頭&馬頭はモンスター本見たときから「いただき」と思いましたね。よい動きをしてます。

ボスはパレンケ。最初は飛行機に乗らずに戦うつもりだったんですけどね。絨毯爆撃してくるのが名残です。先攻版、完全版と俺の手を離れて成長していったボスでしたな。曲は上で書いた通りで、ボスはサミエルさんですね。開発後半のドタバタのときにできたのであまり記憶にないですが、なかなか珍しいパターンの曲でおもしろいっすね。もう曲についてはジュークボックスのコメントでいっぱい書いたから改めて書く事ないよう。

- 当時の企画書 ---------------------------------------------------------

このボスがシューティングでいく事を前提に解説します。(追記:この段階ではシューティングにするか地面を歩いて対決するか決めかねていた)
アンクのある部屋には上のような大壁画があります。
アンクを破壊すると壁画と上下の壁を残して消えます。

ハッチオープン。ごわんごわんごわん。
主人公の足下から金色の飛行機が出現。

ハッチが開ききると主人公テイクオフ。
スクロールを開始します。
シューティングとはいっても攻撃方法は同じ。メインかサブ。
サブで戦うのがメインになるでしょう。弱点は操縦している宇宙人部分。
なので他の部分は弾が貫通しなけりゃなりません。とはいえメインじゃ攻撃不可能だな。

攻撃方法その1。
刀っぽい所がスパーク。

回転追尾カッター。

赤矢印て示したとんがっている部分から通常弾も飛ばします。他の攻撃と併用してもいいでしょう。

その2。ところてんレーザー。

その3。じゅうたん爆撃。
この状態だと発弾筒がメインになるでしょう。
シューティングじゃない場合、ボスは常に上空にいて発弾筒で戦う予定でした。

ぼがーん。爆発はGR3のものですが。
小さい爆発を伴いながら地面に沈んでいく死に方でもいいんですが。どっちがいいでしょう。

倒した後は着陸、アンクのあった位置に戻って終了。

盛り上がるのであれば、もっともっと掘り返してみようと思います。