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【開発秘話】オリジナル版開発秘話3

広がる遺跡 ~全体の構造が決まってゆくよ~

無事体験版を出して、結構ノンキしてました。しかしこの体験版の感想が「難しすぎる&理不尽」てのが多かった。いやいや多かった。練り込み不足ってのもあったんでしょうけどね。MSXサイトに来てくれる人向けの内輪的ネタも多かった。この頃にメールなんかでも詳しい絞殺、じゃねぇや考察レポートが来たりして、難易度的な物を練り直しました。導きの門が初心者導入レベルの難易度にまとまってるのはこれのおかげですね。体験版と比べてみるとおもしろいかも。 

我々、結構ノリと勢いでなんとかしてしまうクセがありまして、体験版から派生した設定があります。ボスを倒すとぎわぎわぼぎゃんってなりますよね。あの最後に出てくる目。あれは、ボス撃破の演出をduplex長老に丸投げしてたんです。そしたらなんか丸い物がごわごわ回ってるじゃないですか。それを見て特に何も考えず目を描いておきました。かっこいいかなと。するとなんか妙に謎感が出てきてしまい、ことあるごとに背景にあの目を描き始めたんです。ベルゼブブ(聖母の祠にいる顔色の悪い人)の背景にもでっかく描いてしまいました。そこでまたノリでひらめき。「実はこいつが遺跡全体を見張ってることにしちゃえ!そーだ、あの目玉はここの目玉に通じてるんだ。だからボスを全部倒すとこいつが『私、自ら出る!』つって暴れるんだ。うひゃひゃひゃ。」といってゲートを封鎖する扉や遺跡のポイントにはこの目が描いてあります。こんな設定を作ったりするからduplexさんがベルゼブブを勝手に強化したりするんですよ。もちろん、それを見て笑う俺。

さーて。これから何が続くかと言いますと、もうモリモリと作ることしかありません。まず全体のマップを歩けるようにして全員が全体像をつかもうってことになりました。フィールドの種類とか形、つながりは既に暴走して決めてあったので、それにそって仮マップを作ります。これが今見ると結構おもしろいのでずらーっとお見せしておきましょう。
(追記:ここで紹介する仮全体マップは【開発秘話】LA-MULANAマップ構想(追記)で公開した方眼紙マップを実装したものです。多分。)

ここは生命の宝珠が置いてありました。せっかく強烈なやつ倒すなら重要アイテムがいいってことで羽になりました。

でかっ!
冷静に考えて弱点の頭に届く訳がありません。結局羽を取る前なので全体が弱点になりましたが。

巨人ですな。この頃は12体ぐらいいましたね。

ブエルさん。マップのつながりとアイテム、中ボスなんかもマップに仮として書き込んでました。

ピラミッドの頂上にはナイフが奉られてましたよ。そんなたいそうなもんでもないだろうに。

空の水源ですね。ここにはブーツがあった模様。太陽神殿の坂道にもっと絡めたいってことで変更しました。

今のグローブが置いてある場所。ナックラビーはここにいました。

灼熱洞窟入り口。もともと落下するブロックを飛んで渡るって案がありましたが、ながーいこと放置されていて落下ブロックイベントが作られないまま、今の形に。

でた、爆笑アイテムその1浮き輪。これがあると水に浮くって言う物でした。すぐに水は自由に動けるように変更したのでなくなりました。

このお二方もこの段階でここを守ってました。3年ほど放置されますが。

無限回廊ですね。実は一番変更が多かった所かも。初期はほんとに無限に続くだけの所でした。

聖母の祠の中心部。この背景は手抜きしてGR3で使った物を移植してました。

このお方もずっとここにいます。動き出すまで3年放置しました。

旧名、双子の間。ペリュトンですね。こんな足場でこいつと闘えるか。この頃は結構斜めな壁とか好き勝手やってますね。duplexさんに指摘されて直しましたが。

バカアイテムその2ロビンマスク。duplexさんに怒られて今の兜に。

時のランプも最初はこんな杖の形してました。その後石仮面になったりしましたが、やっぱりduplexさんに怒られました。

迷いの門。カラー迷路になる予定でしたが、duplexさんに預けたらあんなんになってしまいました。

無限の鍵はシユウさんが守ってました。預けてるうちにシスターの血を浴びるという不良になって帰ってきました。

迷いの門には他にもベルトコンベアってネタもありました。 この頃はまだブロックパズルなんかを大量に置く予定だったのでザ・キャッスルからネタもらってたの。

巨人墓場の元ネタ。回転する床。これもサミエルさんに預けてたらなんかしらんけど博士がツルツルすべってました。

女神の塔。なんとぞんざいな女神様か。

ヴィマーナと闘う所ははしごがあったりして今より楽でした。これは壁張り付きアクションが出来た時点でなくなりました。

まったく面影のない月光聖殿。ただどこに行っても針があるというだけの場所でした。

滅びの塔。サンダーバードさんですね。上の穴は巨大な岩が転がってくるっていう物でした。インディージョーンズネタはほとんど取り込むつもりだったんです。

産声の間。目が痛い。トリトーンの洞窟の背景をまねてみたんですがね。ムチが見えなくなってた。

かーわーいーいー。

次元回廊。ムシュマッハーさん。あの蛇まみれの中ボスです。

雄牛。ホルスタインかよ。ティアマトの11の子供ってのが俺の持ってるモンスター本に絵がなかったんで。

ラハム。今はなぜか鎧騎士になってますが。11の子供のアクションが似たような物が多くて、それならゲームとしての面白さ優先ってことで本来のモンスター設定とは別物にしたやつもいくつかいました。

こうして全体マップを仕上げ、フィールドごとにモチーフになる古代遺跡を選んで、それにあったモンスターを手元のモンスター本からチョイス、グラフィックと動きを考えて企画書に。俺としてはこれで全体の把握も問題なしと考えてましたが、2匹は「なにがなんやら」とか言い出しました。それで攻略手順とか全体構成とか図解説までしましたね。軟弱者!

この頃には「データを全部テキスト記述なんてやってられっか!」という軟弱者のボスである俺が文句たれたのでLA-MULANA専用エディターを作ってもらいました。これのおかげでツクールで鍛えたパワーが発揮出来ましたね。せっかくうろうろ出来るんだからせめて曲もチェンジ出来るか試しておこうって事で仮に何も考えず3曲ぐらい作っておきました。これは今でも太陽神殿、聖母の祠、無限回廊で元気に流れております。

この後は攻略順序にそってフィールドごとに作り込んでいきます。巨人霊廟が終わったあたりだったかな?この頃にduplex長老から「歯ごたえのあるマップとは」論を伝授されました。もともと無駄な空間とかで不思議時空を作り出そうとしていた俺ですが、このレクチャーがまっこと筋の通った物で、それを聞いた以降はいかに隙間を埋めるか、いかに進行ルートをこねくり回すかを考え始めました。死滅の間とか双連迷宮とか、
「長老、今回のマップ、このようにこねくり回してみましたがいかがでしょう。」
「よい!しかしまだ足らぬ。ワシ自ら描く!」
といって迷いの門をお造りになられました。各フィールドごとにいろんなエピソードや変更がありましたが、これはまた後の機会に。

こんな感じで1年ぐらいずるるーっと進めました。細かい仕様も徐々に形になります。ドラキュラ月下を遊んだりして何が良くて何がだめとかの議論も。2段ジャンプなんかもここで決まりましたか。何か新手のアクションを仕込みたいってことで三角飛び>槍を壁にさして乗る>壁張り付きジャンプって変わっていったような。んで2003年の年末あたりかな。溶岩のボスを倒すあたりまでの謎や仕掛けは作り終えてたんですよ。正月休み使って出来た所までテストプレイしてみようかってところまで来ました。あれ?まだ続くの?

盛り上がるのであれば、もっともっと掘り返してみようと思います。