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【開発秘話】オリジナル版開発秘話14

双連迷宮 ~双子にした理由が思い出せん~

ゴールドセイントのジェミニのサガが守っていそうな名前ですが、もちろんそこから名前をとっています。この似たような作りの迷路で不思議さを演出するのも昔ゲームならではですわね。ここはかなり重要なアイテムや強力な武器があり、なんだか宝物込みたいな感じだったので、幻の大陸アトランティスをイメージもチーフにしています。プラトンの記述にある通り、炎のように光る赤いオリハルコンに金細工の神殿っていうのを目指しました。背景はアトランティスってことで火山なんか置いてみたりね。恐竜や始祖鳥のレリーフはなんで置いたんだっけな……たぶん、企画初期の不思議な物を置いて不思議さ醸し出せの精神で置いたんだと思います。フードかぶった女性のようなレリーフは出産を表してます。思いつきで置いてるだけですな!あー、イルカ戦車とポセイドンは描くの大変だったなぁ。このサイズの壁画ってこのフィールド以外にあんまりないよね。アトランティスってことで豪華さを出したかったんでしょう(他人事)。

ここは確か、初期は2フィールド分も使わずに、20画面を半分ずつにして双子って作ろうと決めてたはず。同じ作りの部屋で知らない間に裏表ワープしてたりとかね。その名残は両端の弟と兄の店があるループに残ってます。でも10画面じゃなかなかこった事が出来ないし、その時点では部屋をワープするような仕掛けも作られてなかったので2フィールドで一つって作りになりました。それが決まってからは、両端の縦ループ、ガーディアンとルームガーダーの間の部屋、イルカレリーフのある店の部屋みたいに、裏で壁がなかったんだから表の壁はダミーだろ!っていう裏表の違いから推理して解くフィールドにしていきました。フィールド上側に仕掛けを置きすぎて下半分がアイテムも仕掛けも少ない無駄エリアになったのが残念。

ちょっとここらで、他のページで何度も出てきているのに未だに語られていないduplexさんの「歯ごたえのある迷路論」を説明しておきましょうか。マップテスト初期画面見てもらえればわかる通り、最初はもう部屋の繋がりぐらいしか考えていないマップでしたからね。さらに巨人霊廟のひろびろ空間をduplexさんが気に入ってたみたいだし、大きな壁画で謎感を出そうとしていた事もあり、結構空間の広い部屋が多かったんです。でも実はduplexさんは迷宮フェチだっていうし。duplexさんはLA-MULANAと同じようなサイドビューアクションのフリーゲームを持ってきて、そのゲームは画面内に床があるだけのステージがずーっと続くようなゲームで、つまり広い画面がありながら画面下の方でしかゲームが進行してないわけですよ。「これじゃダメなんですよ。」と力説するわけです。さらにガリウスのこの画面

これを例にして、BからAに行くのは簡単だけども、その逆は大回りしないとBまで戻って来れないと言う事をレクチャー受けました。これを聞いてははーん、なるほどと開眼したわけです。画面切り替えというゲームシステムを利用した迷宮作りです。暗闇の間や双連迷宮あたりからこのレクチャーを活かそうと組んでいったのです。

このフィールドでは、ひとつ重大な告白をしなければなりません。それはイルカ戦車の部屋。これ、ブロックパズルで店に届くのですが、裏と比べて壁の形を推理して壁を壊すとブロックが押せるにもかかわらず、ブロックパズル自体がダミーでブロックをうまく使ってジャンプすれば届くと言うあの部屋です。これ、ブロックパズル自体がダミーと言われていますが、ブロックパズルを解くと店に届く床が出現するように作ってあります。
そう、組んだ本人はブロックパズルが解ける物と思って置いてあるんです。外の攻略掲示板でそれを見て俺が一番ビックリしました。パズルが解けない事に気づかないだけならいざ知らず、解かなくてもジャンプで届くってのがまた恥ずかしい。しかしその掲示板では「ブロックパズルと見せかけてそれ自体がダミーとは、ならむらさんはすごい事考えるなぁ。」なんて書かれていたり。まぁまぁ。そう思われているのであればそういう事にしておきましょうか!ミンナには内緒だよ!
やー、恥ずかしい話ですね。偽アンクジュエルなんて置いてる場合じゃないよね。ひっかかった人っているのかな?偽スキャナーまで売ってるし、ニセモノだらけやん。

おっと、双連迷宮を後半フィールドたらしめている仕掛けがありましたね。毒ガスルーム。ひどいよね、ガーディアン倒して新たなフィールドについたと思ったら毒ガスですよ。双子の像をとらないと解けない仕掛けです。これがサミエルさんのアイディアで、太陽神殿でブーツをとったならブーツに絡めた仕掛けに出来ないかという話になりました。そこから生まれたのがあのタイマーだったわけです。このタイマーもどこに表示するかで結構悩みましたね。MSXじゃなけりゃウィンドウでも出して表示すりゃいいんですけどね。数字だけでなく、砂時計とか、リスが滑車をまわしてるとか、ロウソクが消えていくとか、カレーが煮詰まっていくとか、いろんなタイマー案が出ましたけど一番無難な物に決まりましたね。カレーが煮詰まるなんてどうやって表現するんだ。

敵行ってみましょう。ぺったんこのワニみたいなリュウクロッタは最初はもっと大きかったんだけども、下段攻撃でないと倒せない敵ってのがいなかったのでぺったんこになりました。赤いサルのサクシ、首なし人間のケイテン、セイレーン、跳ねる、横移動、飛ぶの基本3動作キャラが揃ってますね。あとはガーディアンにからむ魔女たち。色や名前、攻撃方法からわかる人はわかると思いますが、ネタ元はドルアーガの塔です。この4種類、全部移動アルゴリズムが違うんですよ。パックマンの敵みたいに性格があるんです。ドルイドは逃げ気味に動いたりとか。ルームガーダーのペリュトンは飛行タイプの基本動作ですけど、シャドーたちを生み出すのは面白いっすね。ズーは設定では時を止めるモンスターらしいんで、サブウェポンを撃つと直前で止まったりとかしたかったんですけどね。一応、サブが効かないのはこういう設定からです。ペリュトン、ズーともにモンスター図鑑に載ってた設定を使いました。

ここのガーディアンはバフォメット。こいつの改良されてもやっぱりスキがあるってのは企画書の指定の甘さですねー。ボス本体が固定で攻撃繰り出すってのはしっかり考えないと定位置連射でやっつけられちゃうんですよねぇ。完成版で連射をくらうと羽根を閉じるようにしてもらったのもこのスキを少しでもなくそうと思ったんですよ。攻撃が派手な割にはスキが多い。順番でいえばパレンケの次に強いぐらいでいてもらいたかったんですけどねぇ。なかなかうまくいかないもんです。でも初見ではビックリしてやられちゃうぐらいの強さはあるよね?こういうのは主人公を定位置から逃げさせるような追尾型の攻撃入れないといけないなぁーってのが今回の反省。ごめんね、バフォメット。

- 当時の企画書 ---------------------------------------------------------

アンクを破壊すると4人の魔女が上の画像の位置に集合、
やられていたものは画面外から復活。結構なスピードで移動する事になるでしょう。
このときは主人公に触れてもノーダメージ。
そしてポーズをとって火の玉を中央にうちます。

画面中央に魔法陣出現、点滅しながらこのように。
魔女はいつづけます。

防御ポーズ。この時は無敵。弱点は顔です。

羽が開くとこのように光弾発射。
ちなみに魔女はやられると右上のやつのように画面外から復活。
復活までのスパンは長めに。たぶんこのボスきっついです。

こんな攻撃もしてきます。

こんなことも。

たおすとにじんで消えます。

盛り上がるのであれば、もっともっと掘り返してみようと思います。