【開発秘話】LA-MULANAマップ構想(後半)
前半では企画が決まって最初の妄想段階でのマップづくりまででした。
マップの他にも主人公のアクションやら必要なアイテムやメニューの書き出しなんかも行ってます。
ゲームの基本の仕様を決めて少しずつ作り始めた頃、どうせ制作期間が長くなるだろうってことでマップ1つだけの体験版を作ろうって話になったと記憶してます。
冒険の冒頭
「完成は当分先だろうから、どんなゲームを作っているか分からせるための専用マップ」という位置付けで作ることになりました。これを考えた時点で最初の巨大構造マップ案がすでに邪魔になってますが、ひとまず体験版専用マップということで独立したものを作ってます。
左側3画面が地上の村、右側4画面が遺跡を抜けた先にある滝壺。
これはプログラマ側からの要望、「滝を出したい」「遺跡を抜けるとその先に本当の遺跡が!」を取り込んでおります。
左上の方にある数字は座標のメモです。確かこの頃はまだマップエディタがなかったのでデータ直打ちでマップ作ってたはずです。
マップを見ると、村から遺跡に入って下に進むか上に進むか2つのルートしかありませんな。
ブロックパズルらしき部屋にはそれなりに密度がありますが、それ以外の場所は無意味な広い空間、無駄に長いだけの床やはしご、落とすためだけの穴など、1つ1つに必要性が全くありません。我ながらひどい。でも初めてのジャンプアクションゲームのマップづくりなんてこんなもんかもしれません。
このマップは実際に制作はされましたが、上記のようなダメ出しをプログラマからされたので公開はされずにボツとなっております。
でもなんとなく、完成版の地上や導きの門の構造の下地にはなっていそうです。
改めて迷路づくりに向き合う
これがダメ出しを食らった後の改良マップ。確か体験版はこの形で出したような気がする。でも右下の方に描いてあるボスを作った記憶がないなぁ。もう1段階練りこんでから公開したかも。
このマップでは一番上の2画面が最初の村になってます。最初の案よりは密度も上がっているように見えるけども、まだまだ意味のない空間や無駄部屋が多いですなー。
「見えない床を歩く」「4つの何かを順番に壊す」ってネタはここで出来上がってますね。
おそらくこのぐらいの頃から「1つ1つの謎解きに個別の仕掛けを作る」方針になったんだと思います。つまり企画スタート時は今のLA-MULANAのような謎だらけなゲームではなかったってことね。
で、資料をさらに掘り返してたら出てきた、おそらくこれが体験版で実際に使ったマップ。ほぼ完成版に近い形にまでなってます。
ここから体験版で出てきた意見や先のステージを作って関連づけのために修正などを繰り返してます。
この段階では迷いの門からのゲートがない、手裏剣を取るための「勇気を示せ」の謎解きがない、ぐらいの違いですね。おっと、そういえばプログラマから「遺跡には横方向に、門をくぐって侵入して欲しい」と言われてスタート地点の地形も変えましたね。
あとはもちろん遊びながら床の長さを細かく修正したりを完成まで繰り返します。
ところで全体マップは
体験版限定の1マップを作るって話が思いの外練り直しを続けたため、このまま正式採用するぐらい完成に近づいてしまいました。ここまでやってしまうと最初に考えた「マップ全体で1つの形になる」やり方がかえって邪魔だと考えました。
マップを練り込むにはマップの構造自体作り変えることがある、そうなると最初に形ありきで作るのが難しくなる、と考えたんでしょう。
だもんでこの辺りから完成したLA-MULANAのような「1つ1つが個別のマップ案」に切り替えて考えてたはずです。
そしてその案はプログラマから反対されましたが押し切った記憶もあり。それもあってLA-MULANA2の方で「マップ全体で1つの形になる」の亜種を採用するに至るんです。
と、この時期の全体マップ構造を描いた資料があったはずだが見つからない。
見つかったら続きとして書こうかと思います。
盛り上がるのであれば、もっともっと掘り返してみようと思います。