タイトル4妊娠悪阻で入院

【妊娠悪阻(ひどいつわり)で入院】ならきちの泣き虫妊婦生活記④

妊娠13週目(4か月目)の2018年8月6日、ついに私は限界を迎えた。

妊娠6週目に始まったつわりでひたすら吐き続けた結果、体重は妊娠前から7キロ減量してしまった。

(BMI16.3の“低体重”という基準にまで落ちてしまったことになる。妊娠前はBMI18.8の“普通体重”だった)

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飲み物まで吐いてしまうようになり、座ることはおろか、横になっていても、重力に負けて体が地面にめり込んでしまうと思うほどで、「このままでは私、死んでしまうのでは…?」と感じたのだった。

産院に電話して症状を説明したところ、点滴を打ってもらえることになり、その日は2時間ほど点滴を打って帰宅した。食べられない、飲めない、どんどん痩せていくというのは、人生で初めて命の危険を感じる恐怖だった

人工的にだとしても自分に水分と栄養分が入ってくるのが嬉しく感じた。「毎日点滴を打ちに通院するか、いっそのこと入院するか、どちらかにしましょう」と言われたので、家族に迷惑がかからないよう翌日から入院することにした。

旦那も就業後に実家まで駆けつけてくれ、力なくやせ細った私を見て、少しだけつらそうな顔をした。

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入院費用は一日あたり7,000~10,000円程度かかってしまう。(点滴代は健康保険が適用される。ベッド代や入院食の料金は100%自己負担となる)

元気な妊婦さんだったらこの出費はないのに」と自分を責めた。自分でも望んでいたはずの妊娠を喜べず、自分の子どもなのにお腹の子をかわいいと思えず、こんなにきついならいっそ殺してくれと毎日思っていた。そして、そんなふうに思ってしまう自分のことをまた責めて、心身ともにどんどんつらくなっていった

翌朝、早速産院に向かった。

最初の2日間は断食で点滴投与だった。3日目から入院食が出て、点滴の量も半分に減った。入院中は、毎朝、尿検査をする。そして朝晩、検温と血圧測定をする。一日に何回おしっこをしたかと、その日排便があったかどうか聞かれる。これが私の入院生活だった。

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入院食は産院内のレストランで作られたもので、とても豪華だった。吐き気止めの効果もあり、約1か月ぶりに魚や肉を口にすることができた。おいしくごはんを食べられるってこんなに幸せなことだったんだ…。

体力はどんどん回復し、体重もすぐに2キロほど増えた。おしっこも出るようになり、気持ちも前向きになっていった。

はじめての入院生活ではいろんな発見があった。腕に点滴用の針がさしっぱなしなのが怖かった

それから、毎日産院にいると、世間には思ったよりもたくさんの妊婦さんがいることに気が付いた。

赤ちゃんの泣き声が日常的に聞こえてくる環境に身を置いたことで、自分の子どもに対する愛着も湧いてきた。

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優しい助産師さんがつわりのつらさに共感してくれてほっとした。(たまに怖い助産師さんもいて、怒られたと思って泣いてしまったこともあった。笑)「私も同じだったよ」と言ってもらえるだけで、人はとても安心するものだ。私も今後、身近な人が妊婦さんになったらできる限り寄り添って共感してあげたい。

入院期間中は、旦那や友だちが面会に来てくれた。

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当初は1週間の入院を予定していたが、経過が良かったため5日間で退院できることになった。たった5日間、でも、とても長く感じた。

実家に戻ってからも嘔吐は続いたが、おかげさまで食べられる日も増えた。体重は増えたり減ったりを繰り返し、結局妊娠前の体重に戻ったのは妊娠20週(6か月目)頃だった。

ちなみに、入院期間中に急にお腹がぽっこりした

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「すぐに入院してよかった」というのが感想だ。私の中で点滴治療は”延命”という言葉がしっくりくる。

食べる・飲むという基本的な生活ができなくなった私が人間らしさを取り戻すことができた。大げさに聞こえるかもしれないが、「死なずに済んだ」と思った。それに、赤ちゃんのことを可愛いと思えるようになった。つわりにも終わりが来るんだと思えるようになった。入院してよかった。

▼吐きつわり・においつわり・よだれつわりのお話はこちら


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