おもひでぽろぽろ、二次試験 #2

3月になった途端、一気に春らしい陽気になりましたね。
今日が卒業式だった高校も多いみたいで、母校の制服を着た子が卒業証書を手にしている姿も見かけました。
何だかほんわりじんわりして、少し切なくなる光景でした。少し戻りたい気もする。

8年前の二次試験のあの日に時を戻しましょう。

煩悩に完全勝利できず数学を捨てた私ですが、試験前日に大学の下見に行きました。この時点でかなり後悔。ここに入りたかった、もっと勉強すれば良かった…と。始まる前から鬼の過去形が炸裂しました。

試験1日目の午後。ついに迎えた数学の時間。冷静に問題用紙をめくる。めくりまくる。本当に何もわからない…!大問は6つ、答案用紙は各問につき真っ白なA3紙が1枚ずつ。なんやかんやで2問ぐらいは解けるかな~なんて淡い期待を抱いていたが、本気で1問もわからない。

試験時間は2時間半もあるのに、何もできないまま時間だけが過ぎていきます。無駄に答案用紙をめくったりしながら、その音で周りの受験生を威嚇することしかできなかった。

その夜、京都駅で食べたラーメンは傷心の味がした。

翌朝、ホテルにて少し気を取り直す。今日で挽回しよう!と前向きな気持ちで、サービスでもらった朝刊をめくる。

そこで目に飛び込んできたのは昨日の試験の解答速報。何でこんなものが載っているのだ。受験生にとって毒以外の何物でもない。辛うじて書いたなけなしの数学の解答が全て間違っていたことが判明。

前向きな気持ちが一気にしぼんでいくのを感じる。

頑張って気を取り直しつつ、2日目も何とか終了。頑張っていた化学と英語だったので、まあまあかなーなんて思っていた。

しかし、ここでもまた解答速報が出現!もう見ないぞと思いつつも、つい開いてしまう受験生の悲しい性。そこで衝撃的事実が発覚。

英語の長文問題で、「音楽室で演奏している描写」だと思って解き進めたものが、本当は「病院で手術をしている描写」だったことが判明。どうしてこうなった。これはいよいよ終わったな…と帰りの電車で少し泣いた。

こうして無事ではないが何とか試験は終わった。しかし合格発表までがまた長い。12日間も待たされる。

この間はもう、悲しみに暮れるばかり。点数を皮算用しては、「もしかして行けているのでは」と「いや、やっぱダメだよな」を往復する日々。

毎日メソメソしているので、最初は心配してくれていた母も最後の方は結構呆れていたように思う。もう現実世界に自分が存在していると思うのが嫌で、1日の大半を「おいでよ どうぶつの森」に捧げていた。

わたしはこの世界の住民じゃない、「あらし村のさえこ村長」や…と自分に言い聞かせる日々でした。(あらし村というネーミングの短絡的センスが光る)

ただこうしている間にも、高校への登校日があったり卒業式があったりと、楽しい時間はあったのですが。

発表の前日からは全く眠れなかった。でも、ありがたいことに合格していました。人生でも上位に入る嬉しい瞬間でした。

しかしこの嬉しい思い出ももう8年も前。過去の良かった思い出をつらつらと考えてばかりいるのも、虚しさがつきまとうのです。

もっとこの先の嬉しい瞬間を増やしていけるといいなあと思う今日この頃です。とりあえず、この記事で入試の思い出は成仏させられたと思います。お付き合いいただきありがとうございました🌸

追記

後から点数を開示したところ、数学は200点満点中驚異の10点でした。逆に何の10点なのかすごく気になる。勉強は満遍なく取り組む方が良いですね。


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