僕はその曲がV Flowerである意味が見出せない

・V Flowerの概要

V FlowerというVOCALOIDがいる。2014年に発売されるとグングンとシェアを伸ばし、現在では初音ミクに次いで2番目のシェアを持っていると言っても過言ではないほどの人気を持っている。特に、2016年にバルーン氏が動画サイトに投稿した「シャルル」はJOYSOUNDの2017年発売曲年間カラオケ総合ランキングで1位を獲得する程の大ヒットを記録した。

さて。ここで1つの質問をしたい。

あなたは今、V Flowerの姿をパッとイメージできるだろうか?

恐らくだが、今の質問に一瞬で答えられた人は多くはないだろう。今現在初音ミクに次ぐ伸びを見せているのにも関わらずだ。

初音ミクには「水色のツインテール」、鏡音リンには「黄色の髪にリボンのカチューシャ」、音街ウナには「オタマン帽」という特徴がある。また、V Flower自身にも「白のボーイッシュなショートカット」という特徴がある。にも拘わらず、前の3人に比べて見たことある人はグンと減るだろう。それはなぜか。

答えは明快で、「動画に姿が出てこない」からだ。

ニコニコ動画にて「V_flower」タグで再生数の多い順に並べると、昨今のボカロにおけるヒット曲が並ぶ。シャルル、雨とペトラ、命ばっかり、フィクサー、メーベル…どれも白い髪をした少女は出てこない。さらに見ていくと73.9万再生のヒトサマアレルギー(かいりきベア作)でようやく姿を見せるが、2019年3月3日現在殿堂入り(10万再生以上)している68作中、明らかに姿を見せている作品は5作品だった。繰り返す、明らかに姿を見せている作品は5作品だった。

…。ちなみに、「音街ウナ」で同じようにすると、43曲中27曲で音街ウナの姿を見ることができた。

なぜここまでの差が出たのか。それは、「ニコニコインディーズ」タグを見るとわかるかもしれない。

「ニコニコインディーズ」タグを覗いて見ると、先程VOCALOIDが歌っていた曲をボカロP本人が歌っているではないか。シャルル、メーベル、レディーレと現在は須田景凪としても活動しているバルーンやquiet room、カトラリー、sprayと現在は神山羊としても活動して、V Flower歌唱の殿堂入り楽曲を複数持つ有機酸などが目につき、その他にもぬゆり、しーくん、100回嘔吐など、V Flower歌唱の曲をセルフカバーする例が複数見受けられる。また、須田景凪や神山羊の動画を見るとVOCALOID版と同じ絵師を用いたいつもの動画がつけられていた。

V Flower歌唱の曲をセルフカバーするP、動画にでないV Flower、そしてメジャーシーンで輝きを見せるP、動画はいつもどおり。

動画はいつもどうり

つまり、ここから導き出されることは

「V FlowerはV Flowerとして見られていない」

VOCALOIDはあくまでも合成音声だが、初音ミクがキャラクターという付加価値によって広く使われるようになり、世間一般に馴染む存在となった。正直本人歌唱はミュージシャンとして普通の行為だと思う。ただ、みんなこぞってV Flowerを使い、わざわざV Flowerのキャラクターを捨てる、そんな行為に僕はV Flowerである意味が見出せないのである。

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