#5_ジャニオタという遺伝子を持って生まれた女
“エイト本人たちのデビューするという夢が叶った”のに
翌年2005年7月、仙台で内くんが未成年飲酒で補導された。
2004年9月22日にデビューしてたった1年も経たずに起きたこの報道を
私は友人からの電話で知った。
あのとき、不思議と涙は出なかった。
その後すぐ、たしかパートから帰宅した母に「めっちゃ泣いてると思った。」と言われながら見せられたスポーツ新聞の記事で現実を目の当たりにしたときも
あまり実感がわかず、そのあとも普通に過ごしたように思う。
補導される前に、初めてエイトが大阪城ホールで「一万人のやぐらダンス」という関テレのイベントに出たとき以外
私は結局、関ジャニ∞としての内博貴を大阪松竹座以外で見られなかった。
それからメンバーはもちろんテレビでも誰も内くんのことには触れなくなり、
内くんが出演していたシーンは切り取られて放送されるほど無かったことになっていった。
そんなテレビを見る度、不祥事が出てすぐ当時ジャニーズwebで連載していたエイトレンジャーでりょん(錦戸亮)書いた縦読みを思い出して、信じて、待っていた。
その後結局内くんはNEWSのエイトも事実上脱退することになり
2007年に少年隊の舞台「PLAYZONE2007 Change2Chance」に研修生として復帰することになった。
東京まで公演を観に行って、謹慎後に初めて舞台で見た内くんはしっかり2歳年を取っていて
知らない間にもう関ジャニ∞でもNEWSでもない内博貴を見て、涙が止まらなかった。
(よって舞台の内容は全く覚えていない。)
でも最後に、謹慎期間中に母親と話したやり取りや大阪でストリートライブをしてボーカルを続けられるように歌って過ごしたこと、
台本はあっただろうけど、話しながら泣いて、一人で頭を下げていた内くんが忘れられない。
それまでの内くんはきっと、ほとんど運だけでグループの活動をしてたから
“エイトの末っ子”だなんて言われてまともに向き合ってこなかった仕事も正直あったと思う。
でもそれだけのビジュアルと歌唱力をジャニーさんに認められてもう一度チャンスをもらったと話していた内くんが
その後も少年隊の錦織さん始め舞台上で共演している演者さんやスタッフさんがいることは彼自身の人柄と努力で出来ていることだとも思う。
このPLAYZONEの公演をりょん(錦戸亮)が観に行ったことも
のちに関ジャニ∞が“∞祭”という8周年のライブを初めて野外ライブをしたときに
忠義と安がインタビューを担当したパンフレットに書いてある。
“Dear Eighter”
不祥事を起こしたあの日のあと、謝罪に来た内くんを“シバいてしまった”というりょんがものすごくリアルだった。
忠義が止めても、「お前には分からんやろ!」と。
当時“がんばっていきまっしょい”というドラマの撮影中でもあって
NEWS、エイト、ドラマでもきっと内亮はずっと一緒に居たけど
仕事に対する意識や姿勢は、きっとずっとりょんのほうが上なはず。
そのりょんと一緒に居すぎて、内くんの甘さが招いた結果だと思った。
「めっちゃ悔しかった」「復帰の舞台を見て号泣した」というりょんが
きっとファンのためとかって意図はないだろうけど、
内くんに関してコメントを出せなかったあの時に縦読みで送ってくれたメッセージが、全てだと思った。
そこに加えて「『8人目の関ジャニ∞はあなたです』って。もう堂々と言っていくから。」と言ったりょんが(その前にすうも)エイトを辞めることになるとは思わなかったな…。
なんでも揉み消せてたはずのジャニーズが不祥事を公にしたことで
草野も同じように不祥事で謹慎になり、“デビューしたグループからメンバーが脱退していく”という今まであり得なかったことが何度も巻き起こってしまうことになったように思う。
インターネットがどんどん普及していって、もうそのスピードに事務所が追い付けないのか
事実より先に憶測が回ってしまうから
簡単に公式の発表だけを信じます、と口では言えても本人たちが語ってくれないことには気持ちが消化できなかった。
この“Dear Eighter”というパンフレットで本人たちが内くんのことをタブーから引き揚げてくれたことで
少なからずもう少し、本人たちが言うことだけを信じようと思ったファンは居たはず。
すうが辞める時の異例の会見も、
りょんが辞めた後に出したCD“友よ”のDVD特典で5人だけのBBQをして語っていた内容もきっと嘘じゃないと思えたし、
私は内くんの不祥事のときからずっと「これ」をして欲しかった。
しんどかった、嫌やった、なんでなん、どうにかならんかって本人と話した、って言って欲しかった。
一緒に立ち止まって悲しみたかった。
もう昔からのファンもそこそこ大人になってるから
「前だけ向いて」「それでも付いてきて」って明るく言うだけじゃなくて
一緒に泣きたかったんだよ。
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