見出し画像

大規模カンファレンス運営経験がなかった人が、RubyKaigi 2020(と、少しだけRubyKaigi Takeout 2020)にオーガナイザーとして関わることになった話

去る2020年4月に長野県松本市で開催予定だったRubyKaigi 2020、そしてその代替イベントとしてオンラインで9月に開催されたRubyKaigi Takout 2020に、オーガナイザーという形で関わらせていただきました。

RubyKaigi Takeout 2020終了から1ヶ月以上が経ちました。正直RubyKaigi Takeout 2020についてはほとんどお手伝いできず、終始申し訳ない気持ちでいっぱいでした。ですので当初振り返りブログのようなものは書かないつもりでした。
しかし一緒にオーガナイザーだった@cobachieさんのnote、@pupupopo88さんのブログを先日拝見し、触発されて「私も書こうかなあ」と言う気持ちが高まりました。

私が出来た仕事は正直少なかったためあまり参考になるお話はできないかも知れません。しかし、RubyKaigiというイベントの歴史において、イレギュラーと言える今年の2つのイベントに関わるというのがなかなかない経験だったかもしれないというのと、大規模なカンファレンスの運営側の経験がなかった人間が縁あって10年以上の歴史を持つ国際会議であるRubyKaigiの運営に関わることになったらこんな雰囲気だったよ〜こんなふうに感じたよ〜という話はもしかしたら面白く見ていただけるかもしれないと思い、筆を執ります(キーボードを打ちます)。
しかし何しろオーガナイザー歴はたったの1年ですから、ここに書かれている文章の中でもし認識に誤りがあれば、ツッコミをいただけるとありがたいです。

この記事を一番「こんな方に読んでいただけたら嬉しい」と思っているのは、いつかの未来に、自分にとってゆかりのある地方都市でRubyKaigiが開催されることになった、あるいはそうなったらいいなと思っている、どこかのRubyist・またはRubyistに関わりのある誰かです(直近だと次回のRubyKaigi開催地である三重県にゆかりのあるRubyエンジニアさんなど)。
この記事を見てくださったそういった誰かが、「これまでにイベントのオーガナイザー経験がなくてもこんな形でRubyKaigiに関われるかもしれないなら、自分もローカルオーガナイザー・オーガナイザーとして関わってみたいな」という気持ちになったり、「自分の住んでいる都市だとRubyKaigiが出来るのか不安だけど、松本のときはこんな感じでやっていたのか」などと、何か少しでも参考にしていただけるものがあったらいいなあと思っています。
また、そういった方には、合わせてローカルオーガナイザーcobachieさんのnoteを読まれることもおすすめします。

もちろんんそれ以外の方でも、RubyKaigiの裏側に興味のある方に読んでいただければ幸いです。

ただし、私視点の今回の一連の振り返りは、私個人のプライベートに関する話を避けては通れない(上手く話せない)ため、RubyKaigiのことだけを知りたいという方には冗長な文章に感じるかもしれませんがご了承ください。

自己紹介&なぜ運営として関わることになったかの経緯

Railsエンジニアを2017年から3年間していた(現在無職中)@nappan23です。松本市出身ではないですが、長野県出身です。松本に近いエリアで仕事をしていた頃には、松本に何度か遊びに行っていました。2017年からは東京に住んでいます。

RubyKaigiに初めて参加したのは、私がRailsエンジニアになってから最初のRubyKaigiが開催された2017年9月。「Rubyの大規模なイベントが地方都市でやるって、なんか面白そう」と思ってノリで自腹で開催地だった広島まで1人で行き、「セッションの内容何も分からなかった」と憔悴しつつも「けどなんかRubyistがたくさん集まっててみんな楽しそうで面白かった」というふわふわした感情だけを抱いて帰ってきました。

その後RubyKaigi2018・2019には当時在籍していた会社の支援を受けてフル参加させていただきました。

RubyKaigiでは毎年エンディングで次回の開催地が発表されていましたが、2019のエンディングでは「Matz is nice… Matsumoto is nice… so...Matsumoto!」という流れで、毛筆の縦書きの「松本」の文字がまるで「新しい元号は…令和であります!」のように提示されたとき、私の周りで「え、松本?Matzの名前?どういうこと??」あるいは「松本??どこだっけ??」となっていた人がちらほらいた中、私はTLで一人で「長野県松本市だああああああああ!!!!」と叫んでいました。

RubyKaigi 2019の会場は福岡でした。参加者は関係者含め1,500人程にも達すると聞きました。福岡は会場も広々としており、商店街貸し切りなどの豪華なイベントや懇親会が盛り沢山で、街中でも食べるところや宿泊施設の選択肢がたくさんありました。福岡ほどの街のキャパシティや広い国際会議場がない長野県で開催されるとは思ってもおらず、発表を聞いて驚きと嬉しさでいっぱいでした。

興奮冷めやらぬ中、「長野県出身Rubyistとして、私はただ黙って参加するだけなんて居ても立っても居られない」と思い、「長野県民として次回のRubyKaigi何かお手伝いしたい…」というつぶやきをしたら、前回のローカルオーガナイザーであった @udzuraさんが発言を見てくださいました。流れでRubyKaigi最終日翌日に行われていたFukuoka.rbに参加させていただき、その場にいらっしゃったチーフオーガナイザーの @a_matsudaさんに「長野県出身なのでなにかお手伝いしたいです!!」と伝えました。

その時私は、まだチームからしたら外野の人間の分際で、長野にゆかりのあるRubyistは福岡ほど多くないんじゃないか?福岡のローカルオーガナイザーとヘルパーの多さに比べて、長野でもちゃんとローカルオーガナイザーやヘルパーが集まるのか?という勝手な懸念をしていました。

福岡のようなIT企業のサテライトオフィスが多い大都市と違い、長野や松本近郊でRubyを扱っている会社はあまり聞いたことがありませんでした(というか私はRubyコミュニティでよく会う方々が属している会社しか知らなかった…)。その時の私の頭の中には、「福岡と比較して数少ないであろう長野にゆかりがあるRubyistの自分がここでRubyKaigiに関わることを尻込みする理由などない」という、今思えばなんでそんなに前向きだったのか謎すぎるような自信だけがありました。

(上のツイートはMatzからリプライをいただいてすごくテンションが上がったのを覚えています。懐かしい…。)

RubyKaigi 2019の会議終了後、後日改めて松田さんから「大変ですよ?本当にやりますか?」という念押しが来て、それでもテンションが冷めていなかった私は「はい!!!ぜひ!!!!」と前のめり気味に答えました。

そんな折、RubyKaigi 2020の長野県松本市での開催決定のキーパーソンであるcobachieさんに松本を案内していただく機会をいただきました。

そして、cobachieさんオーガナイザーで、2019年5月にRailsGirlsを長野市で開催すると知りました。
ご存じの方も多いと思いますが、RailsGirlsは女性比率の少ないWebエンジニア界隈において、女性にもっとWeb開発やRailsを身近に感じてもらうことを目的としたワークショップで、世界中で開催されています。それ自体とても意義のあるイベントですが、その時は、加えて松本のRubyKaigi運営に興味のありそうな人を見つけられたらいいね、という目的もあったようでした。

実際にRailsGirls Nagano当日コーチだった@minamimonjiさんと、スタッフだった@rin0801さんが、この日をきっかけにそれぞれローカルオーガナイザー・オーガナイザーとして加わることになり、心強く感じました。

また、この時を機にNagano.rbという地域コミュニティも再始動されたようです。
普段地域.rbが開催されていなかったような地方都市でRubyKaigiが開催予定となった際に、ローカルオーガナイザー・ヘルパーが少なくなってしまうのではないかという問題は、事前にこういったイベントを開催することや地域コミュニティを立ち上げることで解決できるかもしれません。

ローカルオーガナイザーとオーガナイザーの違いですが、2020は長野県在住の人がローカルオーガナイザー、それ以外のエリアに居る人(主に首都圏在住)が通常のオーガナイザーという立ち位置になっていました。
私は実際の所、タスクとしては長野に関するアイディア出しやその実現などがメインになるのではないかと思っており、当初は自分は「ローカルオーガナイザー」になるんじゃないかな?と想像していました。しかし、松本市在住でもない私が松本の現地の会場や懇親会会場を頻繁に見に行けるわけでもなければ地域と密な連携を取れるわけでもなかったので、今改めて考えると確かに「ローカルオーガナイザー」というのはちょっと違ったなあと思います。
しかしWebサイトに自分の写真が「オーガナイザー」として掲載された時、以前からずっとRubyKaigiに携わっているコアなオーガナイザーの面々とは明らかに仕事量が違ったので、引け目を感じたりなどもしました。

ちなみに、松本の市としての規模、飲食宿泊施設等のキャパシティや会場の規模が福岡より何段階も小さくなることは、私が心配するまでもなく当然オーガナイザーみな意識しており、「2019年のようには出来ない部分もある。どうすればその問題をクリアできるか考えよう。または、出来る範囲のことをやろう」という話が多かったように感じます。しかしそれでもRubyKaigi開催予定が組めたのですから、これを見て「うちの都市も小さいけど、開催されたりしないかな…」と思っている方でも、試しに松田さんに提案してみると、案外本当に候補地の一つになったりするかも…?しれません。

オーガナイザー業開始

2019年6月、長野県松本市の会場の下見が行われ、当時すでにジョインしていた、あるいはこの日ジョインしたオーガナイザー・ローカルオーガナイザーとの顔合わせをしました。会場下見と言っても例年の裏方業務を何も知らない私は、ただただ「ふーんここにこういう部屋があるのね、動線はこうなりそうなのね、なるほど〜」ぐらいしか考えられず、他の方々の会話をほとんど聞いてばかりだったように思います。

(何も分からなすぎて、こんなふわふわしたツイートしか出来なかった)

2019年8月にはキックオフミーティング(RubyKaigiKaigi)が行われました。以降、最初は隔週、のちに会期が近づいてくると毎週ミーティングが行われるようになりました。最初の日はたまたま私以外がそれまでにも経験のあるオーガナイザーばかりで、話の内容がわからないことが大半でした。そんな中、@kakutaniさんが、なにかわからないことがあれば気軽に質問してよい、と言ってくださり、初歩的な質問をさせていただいたくにあたり気持ちが楽になったことを覚えています。

運営に関わると、過去のRubyKaigiでどのような意思決定が行われたかという情報や引き継ぎ資料などを見ることが出来ます。RubyKaigiは歴史のあるイベントなので過去のすべての資料に目を通すことは難しかったですが、自分の業務に関係のある資料を読むだけでも、大変参考になりました。

運営業務は多岐にわたります。一部イベント運営業者にお願いしていることもありましたが、RubyKaigi Team側が関わっている業務だけでも、会場の下見、会場の配置決定、ネットワーク設計、ランチ手配、懇親会会場探し、託児所手配、チケット販売、チケット問い合わせ対応、ビザの発給、スポンサー募集、スポンサー問い合わせ対応、カスタムスポンサー対応、CFPとLT募集、スピーカーとの連絡、タイムスケジュールの決定、お知らせの作成(日本語・英語)、各種デザイン制作、Webサイト制作と更新、ノベルティ製作、ヘルパー募集と当日のヘルパーのとりまとめ、等々…(ごめんなさい多すぎて書き漏らしていることが多々あると思います)。
幅広い内容のタスクがある中で、正直2019年以前にヘルパー経験もなかった、かつ現地にいるわけではない私が取り組みやすそうなタスクは絞られてきました。特に過去のやり方を参考にしたほうがうまくいくような、会場設営・チケット・スポンサー・スピーカー・ヘルパー関連などのタスクは経験者に任せたほうがスムーズですから、いきなり引き受けるのは難しいと感じました。初めてのオーガナイザーとしてはやりやすい、ノベルティ製作業をrin0801さんと共に担当することになりました。

例年製作しているTシャツやステッカーなどに加え、ここ数年のRubyKaigiの地方都市での開催において定番となってきていた、ご当地ならではのノベルティ(伝統工芸品など)のアイディア出しとノベルティ業者とのやり取りを担当しました。
時間があればノベルティ製作以外のタスクも手伝いたかったのですが、実際の所フルタイムでの仕事をやりながらいくつかの候補のノベルティ業者と(土日に連絡が取れない業者もあるので平日に)やり取りをしたりするだけでも、なかなか他のタスクには取りかかれないものでした。

例年の定番ノベルティ業者とのやり取りは比較的スムーズでしたが、ご当地ならではの珍しいノベルティが作れる業者ですと、こちらの提案がイレギュラー対応になってしまうところもあり、私もいわゆる定番ノベルティではないグッズの製作については特に無知で不慣れだったので、こちらの求めているものをうまく伝え、お互いの認識の齟齬がないようにするだけでも時間がかかってしまったこともありました。
ノベルティ製作よりもはるかに忙しい業務を担当しているコアのオーガナイザーの方々やローカルオーガナイザーチームの方々には頭が上がりませんでした。

ここまで大変な面ばかり書いてしまいましたが、ノベルティ業は総じて楽しかったです。どんなノベルティがユニークでおもしろいと思ってもらえるか、どんなものならRubyエンジニアが喜ぶか、どんなものなら長野らしさを感じてもらえるか、どんなものなら日々使ってもらえるか考えたり、時にはデザイナー@attsumiさんとrin0801さんと3人で集まってひたすらアイディアを話し合ったり、また、たくさんのデザイン候補に(attsumiさんの大変さも考えず)周りからあれこれ意見を出して、時にはその意見を採用して頂いて、どんどんデザインがいい感じになっていく様子を見届けたり、実際に頂いたノベルティサンプルをオーガナイザー全員で見てわいわいしたりするのは、まさにオーガナイザーならではの醍醐味だったなあと感じました。

COVID-19 Outbreakとイベント延期

2020年2月に入り、作るべきノベルティの種類とデザインと数量が固まっていき、ノベルティサンプルも確認し、いざ発注をかけようか、という頃。日本ではまだ人々が通常通り往来していましたが、世界はCOVID-19の影響をすでに受けていました。日本でも患者が現れていましたが、COVID-19がRubyKaigiに影響を及ぼすことは、この時点では私はまだ想定できていませんでした。
まずはじめに、とあるノベルティを製造予定だった工場が中国にあったのですが、そこがCOVID-19の影響で営業停止となってしまい、4月納品が間に合わなさそうとなり、雲行きが怪しくなっていきました。急遽日本国内の工場で生産できる別の種類のノベルティを探し、デザイン等も再検討してギリギリ4月に間に合わせられるようなスケジュールを考え直していました。

2月中旬、COVID-19のさらなる感染拡大が懸念されるようになり、日本国内でも人が密集するイベントの開催がにわかに問題となり、大規模なイベントが次々と延期または中止となっていきました。私は当時、他のイベントの動向が気になりすぎて、ITイベントの動向が有志によってまとめられたスプレッドシートを毎日のように見たりしていました。

RubyKaigiも例外ではありませんでした。様々な話し合いが行われ、2月末に、RubyKaigi 2020開催の9月への延期を発表しました。ノベルティの発注ステータスはすべて本発注前だったため、一度全てを止めました。その部分においての損失は比較的小さく抑えられたと思います。

(ツイートを見返すと2/11の大江戸Ruby会議のときはまだRubyKaigiを予定通りやる予定でLTもしたんだったんだな〜この密集度合い懐かしい…。)

オンラインイベントへの変更と、すべてのタスクを手放した話

2月に延期を決定したとき、私は9月の状況を予想できていませんでした。9月の現地開催への希望はこの時点では少なくともゼロではなかったはずです。しかし、事はそううまくは運びませんでした。

2020年6月初旬、RubyKaigiは現地開催を断念し、RubyKaigi Takeout 2020という名前の代替のオンラインイベントが開催されることが公表されました。諸々考えていた長野に関するアイディアが日の目を見なくなったのは残念なことでしたが、私自身も感染拡大への不安が募っていたので、最善の選択だと思いました。

この時期、私は3月末〜4月頃から体調を崩し、5月に退職を余儀なくされました。病院に行き、最初は別の病の治療をし、一時的に改善したように思われたものの再度症状が出てしまったことで、6月末にとある難病と診断され、その服薬を開始しました。
ちなみにこの難病は発症原因は不明です。不明ではあるものの自分の体質や遺伝が関係する可能性があると言われておりますので、RubyKaigiや当時の仕事が原因だったとは思っていません。病気については話すと長くなるので別の記事を出したいと思っています。

RubyKaigi Takeout 2020においては引き続きノベルティ関連タスクを行う予定でいろいろ調査もしました。その頃海外とのやり取りでは物流も混乱していて、日本からアメリカへの荷物だと船便でしか届けられない地域がある(!)などの話題も上がっていて、ノベルティをどうやったら全世界に向けて販売できるのか…という問題などを話したりしました。結局在庫を持たない形で注文者が注文した時点で製作に取り掛かってもらえる形で販売できるサービスを利用するのが最善策となり、日本向けにSUZURI、海外向けにShopifyを利用することになりました。

画像1

(テイクアウト感あふれるTシャツとステッカーです。可愛い🍕🥡)

しかし体調が不安定になりミーティングへの参加もままならなくなった時期があり、このあたりのタスクは最終的にrin0801さんや他のメンバーにすべてお任せしました。
6〜7月は難病と診断されたばかりで、この先この病気と一生付き合っていくのかと思うと精神的な不安が強く、RubyKaigiへの気が回っていませんでした。現在は症状が落ち着いてきており、今でこそ「このぐらい体調が悪くてもこのぐらいで治るかなあ」などと少しずつ予想ができる時も増えてきたものの、その時期はまだ自分の体調を予想することは難しかったです。しかし、わからないのであれば尚の事、自分の体調がよくなることを当てにせず、もう少し早くタスクを手放すべきだったと思います。

RubyKaigiのオーガナイザーがアクセスできるドキュメントの中に、タスクとの付き合い方に関する記事(タスクの手放し方などについて書かれている記事)があるのですが、それがすごく身に沁みたオーガナイザー経験でした。

RubyKaigi Takeout 2020当日には自分の業務はなく、いち視聴者として楽しませていただきました。仮にもオーガナイザー側にいた私(タスクは出来なかったわけですが)が言うものなんですが、オンラインにはオンラインの良さがあると感じられたイベントだったのではないかと思います。

総括とこれから

オンラインのイベントは、発表者が自分のセッションの録画映像を参加者と一緒のタイミングで見ながらチャットで盛り上がることができる、家庭・経済的な事情により移動が不可能な人も参加できるなど、オンラインならではのメリットがありました。
ですが、オフラインならではのメリットというのも、この時代においてもやはり完全になくなることはないなあと感じます。「移動がてらが近くの観光地を探索する」「現地の美味しいお店を見つける」「見知らぬ仲間とイベント会場で隣り合わせて突然仲良くなる」のような楽しみはなかなかオンラインでは再現できません。

オンラインとオフラインのイベント、どちらにも魅力はあります。人により、「こちらのほうが良い」などそれぞれ思うところはあるでしょう。COVID-19の感染が落ち着いても、オンラインイベントとオフラインイベントのどちらを実施するか選択できる世界になっていったら理想的だなあとも思います。

今回は残念ながら現地での開催はできませんでしたが、COVID-19への懸念がなくなったいつかの未来にまた、長野県松本市で再度開催が検討されたらいいなあという期待をしています。そんなときがいつ来るかわかりませんが、そのときにはぜひRubyistの皆さんが松本市を満喫してくださるといいなあと思います。
もちろんその機会がなくても、今回のことで長野県松本市に興味を持った方が、感染拡大の懸念がないときに個人で旅行して楽しんでくださったりしたらいいなあと思います。

しかし私個人は、もし仮にRubyKaigiがまた長野県で開催されることになったとしたら、再度オーガナイザーやヘルパーをするのか?は、正直その時期になってみないとわからない、と言う気持ちが今は強いです。熱量だけでは自分の要領の悪さはカバーしきれないな、仕事が忙しかったり体調が良くなかったら大人しくしていたほうがよいかもしれないな、と思う気持ちはあります…。
でももし次にやるとしたら二度目となるので初回より上手くやれるだろうというところもあります。また、今回主体的に動いたのはノベルティ関連のみではありましたが、一応他のタスクの流れを近くで見ているので、次はもう少し色々なボールを拾えるかもしれないとも思います。
いずれにせよ、今後のRubyKaigiに関わるかはその時の自分の状況を見て考えさせていただこうと思います。

この記事は、最初は「RubyKaigiのオーガナイザー・ローカルオーガナイザーに興味がある人にどんな感じだったか少し雰囲気を知ってもらえたらいいかも」と思って書き始めたはずでしたが、結果的に「私はオーガナイザー業を上手く出来なかった」という話が多くなってしまいました。まあ嘘をつくわけにはいかないので正直に書いたのですが…。
そのため、本来私が想定していた目的とは裏腹に「オーガナイザーは大変そうだな」という印象を持たれた方もいらっしゃるかもしれないと思います。しかし私が上手く出来なかったのはおそらく私の要領が悪いことと経験不足が大きいと思っているので、他のイベント等で運営に携わったことがある方からしてみたら、私が行っていたタスクであれば、さほど難しくなく感じるかもしれません。
たとえ他のイベント運営の経験がなかったとしてもオーガナイザー・ローカルオーガナイザーとして立候補することは問題ないのではないかと思います。何かわからないことはSlackでいつでも聞ける状態にありました。ただ、「わからないことを、どこがわからないかちゃんと適切なタイミングで質問できる、説明できること」は求められていると感じました。プログラマ・エンジニア、またはそれに近しい職種の人でしたら、ある意味そこはやっていかなければいけない部分でしょう。私も不慣れな中いろいろ質問させていただいたりしましたが、皆さん質問へのレスもとても速く的確に指示してくださったりするので、それに助けられた場面はたくさんありました。

そして何より、私はRubyKaigiオーガナイザーを経験してよかったと思っています。たしかに私個人としては上手く出来なかったところもあり、考えていたアイディアを披露できずに終わってしまったモヤモヤも無いわけではないです。
しかし、これまでお世話になっていたRubyKaigiの裏側を知れた面白さ、オーガナイザーをしていなかったら普段の人生でなかなか関わりが持てないような他のオーガナイザーの方々との交流、皆さんの素晴らしい仕事ぶりを間近で見れたこと、「自分もRubyKaigiをつくる一員なんだ」と思えたワクワク感。もっと上手くやればよかったという反省はあれど、オーガナイザーになったこと自体について後悔はありません。

この記事ではこれまで、話の流れでたまたま出たチームメンバーの方々だけに言及しておりましたが、改めてすべてのオーガナイザー・ローカルオーガナイザー・デザイナーの皆様にお世話になっていた、ということを強調しておきます。(私以外の)すべてのオーガナイザー・ローカルオーガナイザー・デザイナーの皆様に、お疲れ様でしたという言葉と感謝の気持ちを、この場を借りてお伝えしようと思います。

最後に、人々がまた自由に移動ができるようになり、集いたいと思っている人たちが集うことが出来る世界が早く戻ってくるといいなと思います。これからのRubyKaigiも無事に行われることを祈ります。

もし記事を気に入っていただけた場合、よろしければサポートをお願いいたします! 少しでも支援を頂けたら、本当にとてもありがたいです…!!