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ナポリタカオの小ネタ劇場

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ナポリタカオの小ネタオリジナル作品をまとめたマガジンです。登場人物のN氏とは著者・ナポリタカオ本人のことです。
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#会話

大音量の女親分の聞き捨てならない会話

大音量の女親分と刑事ドラマキャラが登場あなたは喫茶店で何気なく聞こえてきた、となりの会話にぎょっとすることはないだろうか。 今書いていて思ったが、現在の若い世代は「ぎょっとする」という言葉を使わないような気がする。さかなクンくらいか。いや、さかなクンだってもうけっこうな年齢になっているだろう。 それはともかく、これも数年前。季節は8月上旬、場所は東京都のある街としておこう。 ちなみにN氏がかつて住んでいた世田谷区ではない。内容が内容だけに、詳細は書けないのである。 夜

寝かせてくれない理容室

日本人の頭蓋骨の形を解説する理容室※前回の記事から続いています。 どうしようもないツムジ頭の持ち主に、理容室店主は勿体ぶったあげく、ようやく救済策を提示した。 「まあしょうがないから、せめてこのへんから分けて、てっぺんは右側に流すようにしますよ。でもね、ここが5ミリ長くてもおかしいんだな、これが。たった5ミリなんだけど、まあたいがいのお客さんには言ってる意味が分からないけどね」 じゃあ言うな。 「それはね、日本人の頭蓋骨の形にも関連してるんです」 ウダウダと言いなが

客の頭へダメ出しする理容室

次の理容室にあたらしい自分への期待をこめる※文中のN氏とは私、ナポリタカオのことです。 N氏は十数年来、東京新宿区にある理容室に通っていたが、理容室を変えることにした。 急に整髪料の値段が変わっても説明がない。髭剃りのときに従業員が誤ってN氏の唇を切ってしまったのに、なんの謝罪もなく、笑顔で「ありがとうございます」と言われた。 長いつきあいなのに、大切なことをなぜちゃんと伝えてくれないのだろうと、腹が立つより、なんだか切なくなってしまったのだ。 わざわざ電車賃を往復で