見出し画像

日野自動車の調査報告書を読んで....

今日日曜日午前中、両親を地元のコストコに連れていき補聴器の調整をやって頂いた2時間の間にこの報告書を読んでました。"知ったかぶり"と"はったり"でなんとか定年退職まで生き延びて再雇用中の”なんちゃってエンジニア”としては身につまされてとても他人ごととは思えません。特に社員のアンケートの回答には心の叫びが聞こえてきて辛かったです。

  1. 開発スケジュールの逼迫、絶対視(類型①) 232ページ ➢ 場当たり的な開発。先を見越した開発になっていない。各プロジェクトの開発日程について深く検討されたものに思えない。➢ そもそも Short している開発大日程、これを更に短縮させ、No と言わせない開発プロセス。日程守れ(だけ)は Top down、それを(どうにかこうにか)実現は Bottom up。

  2. リソースや能力に見合った事業戦略が策定されていないこと(類型②) 233ページ ➢ 身の丈以上に仕向けを拡大してきているため、商品を維持することもままならなくなっている状況がここ数年継続しており、今回の不正についてもその状況を把握していたにもかかわらず社員の頑張りで乗り切れという指示しか来ていないことにも問題があると認識している。

  3. 開発プロセスにおける問題点(類型③) 234ページ 記録の残し方。トレーサビリティ能力が低い。過去の車型で、どのようなプロセスで決まった形状なのか?あとになって追うのが困難。その時に不正な判断で発売したとしても、何年かしてしまえば、「私の判断でない。知らない。」と言えば、逃げ切れる可能性が高い。同業他社は、議事録や設計記録なども自部署ではなく、専門別部署が保管し、何年経っても、バレる資料保管体制。

  4. 法規や制度を軽視する姿勢(類型④) 236ページ ➢ 法令の解釈に対し、会社によって都合のよい解釈を考える上位の方が多い。「こういう背景のはずだから」、「実害が無いから」、と法令には書いてない考え方を主張されてしまい、下位は何も言えない。書いてある法文が第一という考え方が理解されていない。

  5. 人事評価や人材登用のあり方(類型⑤) 237ページ ➢ 人事制度が形骸化し、評価の物差しが不明確で、評価制度が機能していない。結果、「あいつはそろそろあげてやろう」といった年功序列や「上の言うことに素直に従う」イエスマンが昇格しやすかったり、能力に見合った昇格が行われない。特に、基幹職への昇格についても同様なため、マネジャーとしての素養や知識、自分の仕事をマネジメントできない人まで昇格して、部下のマネジメントができない。また、事なかれ主義でいても時がきたら昇格、チャレンジや意見を主張してもプラスの評価がないため、自分で意志を持たない、考えない、言わない、といった人材が量産された会社となっている。

  6. 組織運営や人材育成のあり方(類型⑥) 238ページ ➢ 組織を分けたり、くっつけたりをよく繰り返す。繰り返すたびに被害にあうのは、末端の担当者。上の人たちは好き勝手組織をいじるが、担当者レベルの事を理解していない人が組織をいじっているので良い事はほとんどない。失敗しても上の人たちは責任も取らない。結局、負荷が高まるのは末端の担当者。

  7. パワーハラスメント体質(類型⑦) 239ページ ➢ 先輩が新人にする教育は高圧的で、脅迫することで、『上には逆らえない』を植え付けさせるものであったと感じる。このような教育もあってか日野自動車は上の意見は絶対で、神様の様に崇め、上(神様)が決めたことが絶対であり、未達成はありえない風土が形成されていった様に考えられる。

  8. 保守的で旧態依然とした企業体質(類型⑧) 240ページ ➢ 自分たちのやってきたことは正しいと思い込んでいる人たちにより、変革が進まないと感じることが多い。その方々は「今まで問題なかったのに、なぜ変えなきゃいけないんだ!」「俺の言うことを否定するのか!」などと恫喝ともとれる態度で接する傾向が見られる。

  9. セクショナリズムや序列意識の強さ(類型⑨) 241ページ ➢ 縦割りで、自部署の業務のみにしか関心が無い。全体最適での目線が無く、目の前の業務に追われている担当が多い。また、他部署から責められるのを嫌い、自部署の非を認めず、自部署の言い分のみを主張する方も存在する。

  10. 事なかれ主義、内向きな風土(類型⑩) 243ページ ➢ 我々は『お立ち台』と呼んでいたが、問題が発覚して日程内に間に合わなければ、開発状況を管理する部署の前で状況を説明させられ担当者レベルで責任を取らされることになっていた。私もこの30年間のキャリアでこの”お立ち台”強烈な体験があります。スミマセン今はnoteでは告白できません😓

  11. 「傲り」や「慢心」による現状認識の誤り(類型⑪) 244ページ ➢ 大企業の庇護のもと、社会のうねり、景況にさらされることなく存続できたことで、甘えとも思える企業風土、特に部長、役員クラスでの危機意識、当事者意識が欠如していると感じる。

  12. 本問題の真相や従業員アンケートの結果を含め、積極的な情報開示を求めるもの(類型⑫) 245ページ ➢ これまで、日野自動車では定期的に従業員満足度調査などのアンケートを行っているが、それらの結果がプラスの方向に反映されているという実感は全くない。“アンケートをしている”という対外的なもののためだけに実施しているとしか言えない状況。今回のアンケートについては、日野自動車が良くなるために、きちんと使われるように進めていただくことをお願いしたい。

  13. 本問題を機に、日野の抱える膿を出し切ることを、当委員会や日野に求めるもの(類型⑬) 246ページ ➢ 日野自動車は一度膿を出しきって、落ちるところまで落ちた方がよいと感じている (その結果、会社がなくなるかもしれない。)。落ちるところまで落ちた時に、経営・従業員一人ひとりの意識が変わり、より良い会社に生まれ変わるターニングポイントになるのではないかと思う。実力がないことを認め社会に通用する実力を付けていくこと、上位者や自部署の方を向いて仕事するのではなく、お客様や後工程の方を向いて仕事をすることが必要と考える。

  14. 本問題を受けてもなお、日野に対する愛着、仕事への誇りについて述べるもの(類型⑭) 246ページ ➢ まっすぐな日野自動車が好きで入社した。中学生でパリダカに出会い、ここにいる。パリダカとは全く関係のない仕事をしているが、その先には、仲間がいて笑顔がある。まだ、これからだ。変革を起こす奴らはいっぱいいる!一緒に走りぬく!

日野自動車の再生を願い、応援してます。

(*´σー`)エヘヘ