大人の歯列矯正備忘録~②口の中には孫悟空

ついに、やっと始まった矯正。
孫悟空に例えたのは、頭につけられた金の輪っかのごとく、歯がギリギリと締め付けられる感じがして、それはもう24時間休まずに続いていて、上顎が崩壊するかと思うほどだったから。

ブラケット装置とワイヤー装着から数日経過し、ようやく痛みは食事のときだけに収まった。

2本の抜歯を経て、いざ器具の装着へ。
歯の1つ1つにワイヤーを通す小さな碍子のよつなものを取り付ける。奥歯が両側とも虫歯治療をしている歯だったため、そのままでは装置がくっつきにくいというのです。
1つは被せものに取り付けやすくするための加工をされ、もう1つは金属の被せもので、直接はくっつけられないということで出てきた「リング」なるもの。

このリングの試着がとっても痛かった!!!
歯と歯の隙間にぐぐぐーっと薄い金属の輪を差し込んでいくのだけど、これが孫悟空へのおしおきを連想させるもので、小さな歯1本の痛みが頭蓋骨全体に響くよう。

サイズ確認を終えてリングを1度外された時、逃亡脱走しようかと思いましたが、抜歯済みという諦めもあって、しょんぼりと装着を待ちました。
結論からいうと、装着して病院を後にする頃にはリングの痛みは感じなくなっていたのが不思議なものです。

しかしてワイヤーを通し、小さな輪ゴムがブラケットにつけられたわけで、私を襲うのは「とてつもない違和感」のかたまりと、ぐわんぐわんと唸るような鈍痛。
けして耐えられないほどの痛みではなく、でも確実にじわじわとこちらのゲージを削ってくる。

頬の内側が早くも異常を察知して、痛みが直で感じるところを養生してもらったけれど、ただただこの先、口内炎だらけになっていく恐怖しか見えない……と思っていました。

その日から夜も眠れない!なんてことはないものの、痛みとの戦いはここからが本番でした。

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