大人の歯列矯正備忘録~⑥スキマポケットへようこそ

歯が動き出したことの裏返しでもあるので、全面的に嫌気がさしているとは言い切れないのだけれど。

とにかく、歯のあらゆるスキマに、食材が詰まる。

(汚ない話になりますです)


ご飯を食べ終えると、食後の歯みがきすら、すぐにはままならないほどに、今さっき食べたご飯たちが挟まっている。
口をゆすぐと、それはそれは悲しくなるほどにカケラたちが放出される。

せっかくならすべて飲み込んであげたいから、なるべくお茶とかの水分とともに流れていくように食事をしているのだけど、それでも思わぬ大物が隠れている。
これは矯正装置をつけた当初からそうで、歯みがきの前のぐぶぐぶぺータイムは、おっかなびっくりになっている。
(あと、ちょっと怖いもの見たさもある)

スキマに詰まる話に戻ると、詰まりやすいものとそうでないものが、だんだんわかるようになってきた。
時節柄、夕飯に鍋物を食べる機会も増えたことで、くたくたに煮込まれた野菜たちがその上位を占めるからでもある。

白菜、長ネギ。
ごぼうとかに比べたら、もともと繊維を感じる部類の野菜とは思っていなかったのだけど、こんなに細い繊維で構築された野菜だったのかと新発見。

長ネギにおいては、インスタントお味噌汁に入ったフリーズドライのものたちも相当なもの。
スキマっていうか、知らないどこかに潜むプロっていうか。歯みがきを徹底していないと、しばらく時間がたってからも出てきたりする。油断ならない。

次いで麺類
食べはじめてすぐに、ワイヤーやら装置やらに絡みついて、「口に入れた量-絡まった量=飲み込む量」だとすると、「10-7=3」ぐらいの計算になるときがある。全然入ってこない。
うどんとスパゲティがより絡むような気がして、種類によっては咀嚼する時間より挟まったのをほどく時間の方が長く感じるときも。
こーなると食べるのに疲れてしまう。

そして矯正する前から「挟まることがある」食材として認識していたお肉たち。
鶏肉は挟まらずに食べられたことがほとんどないし、咀嚼の過程で強めに挟まってしまって除去に苦労するのは牛肉だった。
まあ、食卓にあがるのが鶏:豚:牛=6:3:1くらいの割合なので、牛肉に困る機会は早々ないけれど。
豚肉は切り落としとかバラ肉だと、そこまで挟まらないような感じで、ちょっと厚めのロースとかは鶏肉くらい挟まっている様子。

気にはなっても、食事を中断させるほど気になった詰まり食材は、牛肉かなぁ。
非常に気にしやすい性質ゆえのものだと思うけれど。
外食に出かけない生活だから今は何とでもできるけど、外食に行きやすくなっても、しばらくは格安ステーキは外では食べないだろうなぁ。

あとは、お菓子にも挟まりやすいものがたくさんいる。
うまい棒みたいな食感のスナックとかも、なんかパテ職人みたいに歯のあちこちが埋められてしまうし、茎わかめなんてそのまますっぽり挟まって、歯ブラシでも取れなくて、指でつまんで引っこ抜いた。
チョコもタイプによっては難しい。

とはいえ、挟まる問題以前に「かぶりついて噛みきる」タイプの食べ物を食べられないので、一口サイズのお菓子はわりと限られるし、加えてマスクをつけてる・手洗いをしてからの状態でお菓子に手を伸ばすことへのハードルが格段に上がった今、お菓子を食べるチャンスそのものが捕まえにくくなってしまったしなぁ。


ともあれ。
歯の痛みで食べる行為がツラい日があることを思えば、挟まるくらい、どんと来い。
冷静になると、そのくらいの余裕も感じられてくるし、大物が挟まるくらい歯と歯の間に空間ができてきたっていうことにも、変化を感じられてうれしくもある。

でも、早く何事も気にせずに、バックバクご飯食べられる日が待ち遠しい。
食べるって、本当に根源的な幸せの種なのだ。


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