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大人の歯列矯正備忘録〜12.食べ物に敏感に

矯正の痛みはある程度きたら落ちつくものと知ってから、食べられないものの線引はせずに、なんでも食べているけれど。
矯正をはじめてから、なんとなく避けようとしている食べ物はある。

避ける理由は2つあって、ブラケット装置が割れたり取れたりしたら嫌だから、という器具への影響による理由と、食べたものがブラケットやらワイヤーやら歯のすき間に入り込んだりして、歯みがきしんどい……ていう理由。

ブラケットへの理由から避けているのは、お餅、上下の歯で噛み切るもの。ハンバーガーは食べられるけど、カツサンドは少し難しいタイプもある。
おせんべいも割ってひと口サイズにしたり、フルーツもひと口サイズにカットして食べる。

最初は痛くて噛めない理由から、なるべく咀嚼を減らしたい目的で小さめにしていたけど、歯と歯で噛み切ったり引きちぎるような食べ物は、思わぬ方向に負荷がかかる気がして今は無理しないことにした。
ビーフジャーキーとか、フライドチキンも骨なしだけ。別に何年か食べなくてもね、困らない。

おかき、おせんべい、グラノーラバーみたいな歯ごたえよく噛み切るものも、難しい。
ポッキーとかポテチはいけるけど、じゃがりこは日によっては無理だった。

歯みがき理由で食べるのを避けているものは、繊維質なもの。
矯正始めるまでフルーツの繊維をこんなに意識したことはなかった!

1番繊維を感じないのはリンゴ。
サクサクと食べやすい。
逆にすごく繊維だらけで、食べるたびに絡まる繊維に心がしょんぼりするのは、プルーンと柿。
どちらも季節のものだから、そう頻繁には食べなかったけど、こんなにか!というほど絡まった。

1度挟まったと感知したら、取れるまで落ち着かない人間ゆえに、食事中に食事よりも挟まっていることに意識が飛んでしまって、ごはんが美味しく過食できないことが多い。
非常にお行儀悪く舌先でぐいぐいしたり、家では指で取り除こうとさえしてしまう……

そのぐらい、とにかく気になる。

歯ブラシでも歯間ブラシでも取れなくて、歯ブラシにもその繊維が絡まってしまうこともあって、歯ブラシの交換頻度も増した。
野菜の繊維も、特にこれからお鍋の季節、くたくたになって噛み切られない繊維は絡まり続ける。
もやし、白菜、野沢菜……

特に下の歯にも装置がついてからは、重力というか世の理というか物事の構造というか、下唇と歯ぐきの間がポケットのようだから、余計に食べ物が残ってしまう。
ごはんもパンも、小さくなったパーツが歯ぐきとブラケットにみっちりはまってしまう。

そんな日々を過ごして思うのは。
身体の構造、つくりって、すごいなぁということだ。

ブラケットやワイヤーがなかったら、歯や口のまわりの機能トラブルがなかったら。
基本的に口の中に入った食べものは、歯と舌とほほの動きと唾液の働きで、きちんとのどの奥へと運ばれ、身体に収まるようになっているのだ。

考えなくても、当たり前にそうなっている。人間も、動物も。

だから、赤ちゃんは最初ボロボロとこぼすし、機能低下したりトラブルを抱えていくと口の端から食べたものが落ちたりしてしまうのも、わかるような気がする。

口の働きや、食べ物それぞれの繊維質のことに、思いを馳せられる機会を得たという点は、とてもプラスで学びがあった。

食事のいちいちを意識せずに、空腹をなくすためのものとしか思わない時間も、これまでに何度もあったけれど。
どの1回も身体にとっては欠かせない食事として、ちゃんと取り込まれて、私の身の一部になっていたんだ。

人生、ほんとに無駄なことはないなぁ。

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