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コブの吸収

吸収はコブをスムーズに滑るためには必須です。
うまくいかないと、2~3コブで破綻してしまったり、スピードコントロールができず暴走してしまいます。
体を痛めないためにもとても重要テクニックなので、自分なりの方法を説明したいと思います。

踵をお尻に引き付ける吸収とは?

「踵をお尻に引きつける吸収」と聞いたことがある人は多いと思います。
実際に僕のレッスンに参加された方もインストラクターに何度か言われた経験がありましたが すっきり解釈できなかったようで、イラストを描いて質問されました。

踵をお尻に引き付ける吸収

「踵をお尻に」というイメージでは、どちらも引き付いています。
②のイラストが正解です。この方も直感で①のイラストは何か違うと感じたようです。この大きな違いは股関節の曲がりです。

下図の左のように股関節、膝関節、足関節は3点セットで曲げましょう!
下半身の股・膝・足の3つの関節はバランスよく曲げることが大切です。
踵をお尻に引き付ける(近づいた)時に、股関節が最大限に曲がっているのが理想的です。(トリプルフレクションといいます)

僕の感覚は「踵を引きつける」のではなく、「吸収することで自然に踵がお尻に近づくイメージ」ですが、感じ方は人それぞれですので自分がイメージしやすい方で良いと思います

トリプルフレクションの吸収

吸収で膝が曲がらない人は?

「膝を柔らかく」と指導されても、なかなかできる人は少ないと思います。もし深く吸収したとしても滑り続けることは難しいです。
多くの場合、吸収から足を伸ばしていく時に重心より前に足を伸ばしてしまうことが見られます。つまり踵とお尻が遠い状態です。そのポジションで深く吸収したらお尻は落ちてしまうので膝を曲げられません。このような場合は、後傾にならないように上半身をかぶせるようなポジションになります。
吸収で膝を曲げるには、重心上に足を伸ばすことが理想です。

吸収で膝が曲がらない例

しかし「重心より前に足を伸ばす」ことがダメではありません。
この技術は減速要素が強いので、後傾やオーバースピードになった時に有効です。なぜなら、足を前に伸ばすことでコブの抵抗を大きく受けてリカバリーすることができるからです。
吸収幅を大きくしたい時はNGですが、必要でもあるテクニックです。
足の伸ばし方は下記も参照してください。

深いコブの吸収は?

深いコブのときは吸収したあとに体を伸ばし切ると、次のコブの吸収で体が遅れやすくなります。
そんな時は体を伸ばし切らず、コブにスキーで橋渡しするようにワープしちゃいましょう。
接雪は大切なテクニックですが、中級レベル以上はバランスを崩さないためにも宙に浮くテクニックも必要です。
そして次のコブで股・膝・足関節をしっかり曲げて吸収できれば、バランスを崩さずに滑ることができます。

深いコブの吸収

股・膝関節の動きが体に及ぼしやすい影響

前述のように吸収動作は3関節(股・膝・足)の動きが重要です。動きが悪いと体が遅れてバランスを崩してしまいますが、股・膝関節の動きが悪いとどのような影響を及ぼしやすいか具体的に説明します。

関節の動きが及ぼしやすい例

上の左図は股関節の動きが悪い例です。

重力(青矢印)で膝が落ちるのを太ももの筋肉で支えるので、滑り終えた後に太ももがパンパンになりがちです。ちょうど登山の下りで膝が笑う感じです。また衝撃でお尻が落ちるほど踵が浮きやすくなります。

右図は膝関節の動きが悪い例です。

膝が曲がらないと、体を被せるように股関節を優位に曲げやすいです。ウエイトトレーニングのデッドリフトのような姿勢です。
しっかり股関節で吸収できればいいですが、現実的には腰にも衝撃がくるので腰の痛みや張りを感じやすいです。

ブーツを緩めて足首の動きを良くしてみましょう

足首の動きは吸収するために重要です。
足首の動きが悪いとスネを押したときに踵を踏むことができず、つま先立ち
でコントロールするのでバランスを崩しやすくなります。

足首が曲がらないと踵が浮く

固いブーツで足が遊ばないように締め込みすぎると、足首の動きを妨げてしまいます。
闇雲に緩めることはNGですが、踵の固定を重視して、爪先と一番上のバックル、パワーベルトをルーズにしてみましょう。

・FTのような3バックルのブーツは第2の固定を重視
・一般的な4バックルのブーツは第2、3の固定を重視

踵の固定は超重要です!
踵が浮く=つま先立ちになると重心が高くなりバランスを崩しやすくなります。踵を安定させ足裏全面で地面を押せると、運動連鎖で3関節が動きやすくなるので吸収しやすくなります。

それから、各自のスピードや吸収能力に合わせて、緩めたバックルを締めてみると良いと思います。

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