貪らない心には前世がみえる?〜ヨーガスートラの教えについて考えました〜

ヨーガスートラにおいて、貪らない心が確立されると、自分の前世や今生での過去、未来、そして自分の来世の事まで知ることができると言われています。貪らない心とは、何か余計なものを欲しがらない心であり、自分を飾ろうとしない心の表れだと考えられます。このような心持ちになることで、自分の過去や未来がわかりやすくなると言われているようです。

自分を飾らないことは、本人の今の現状を理解し、受け入れることです。自分の現状を受け入れることで、過去がどのように自分を作ってきたのかを理解し、それを受け入れることができます。また、現状を理解していることで、将来のことも見通せるようになるはずです。夢見るような自分がなくなれば、過去や未来がはっきりと見えるようになるという考え方です。

ヨーガスートラでは、前世や来世についても同じ原理で知ることができるとされているようです。今の自分を受け入れられれば、それらも見えてくると言うことです。ただし、それが夢見る自分の願望を投影した貪る心の現れであれば、役に立たないどころか害になってしまうでしょう。

まずは今の自分をプラスもマイナスもなく受け入れることが大切なようです。人間はできるだけ自分を価値があるものと思いたいものなので、これは難しいかもしれません。しかし、その努力をすれば、過去世や来世を知ることができるかどうかは別として、現在の自分自身を知り、その自分自身と上手に付き合っていく智慧が得られるかもしれません。

「不貪の戒行において、不動心を得たならば、自分の転生のありさまを三世にわたって漏れなく知ることができる」ヨーガスートラ2-39

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